記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2019/11/23
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
カルシウムをはじめ栄養豊富な牛乳は、早くから子どもに飲ませてあげたいですよね。
今回は赤ちゃんに牛乳を飲ませ始めるべき時期について、母乳との違いや、母乳から牛乳に切り替える際の注意点とあわせて、確認していきましょう。
白くてさらっとしていて、一見すると同じように見える母乳と牛乳ですが、含まれている栄養成分には以下のような違いがあります。
このため、母乳で成長するのに適した人間の0歳児が母乳代わりに牛乳を飲むと、牛乳の栄養成分を適切に処理できず、以下のような体調不良を起こしてしまいます。
このため、0歳の赤ちゃんには母乳、または母乳に近いよう調整された粉ミルクを飲ませる必要があり、母乳代わりに牛乳を飲ませないほうがよいのです。
厚生労働省策定の「授乳・離乳の支援ガイド」によると、牛乳の飲用は1歳を過ぎてから始めるようにと指導されています。
一般的に1歳と言えば、離乳食と乳離れが完了し、母乳ではなくさまざまな食品から体をつくるための栄養を摂取できるようになる時期です。
このため、食べ物から摂取した栄養を処理する体の機能も上がってきますし、牛乳だけを摂取するわけではないので、牛乳による栄養面の影響を軽減することもできます。
生まれたばかりの頃に比べ、1歳になると赤ちゃんの体重はおよそ3倍、身長は1.5倍程度にまで大きくなります。このように、体が大きく成長すること、またほかの栄養と一緒に摂取することを前提にできるため、厚生労働省は1歳を牛乳を飲ませ始めても良い時期と考えていると考えられます。
母乳から離乳食へ切り替え、牛乳を飲ませ始めるときは、栄養の偏りや下痢を防ぐために以下のポイントを守りましょう。
また前述したように、牛乳には鉄分の吸収を阻害する性質があります。このため牛乳に切り替えた後、しばらくは離乳食のメニューにレバーや大豆食品、小松菜、ホウレン草などを多く取り入れて鉄分を補ってあげてください。
なかなか離乳食や牛乳への切り替えがうまくいかない場合は、牛乳の代用として開発された「フォローアップミルク」を利用するのも良いでしょう。フォローアップミルクは、牛乳に比べ鉄分やビタミンCを多く含み、離乳食期の栄養の不足・偏りを補うための開発された飲料です。月齢だからと無理に離乳食や牛乳に切り替えたりせず、あくまでも子供の成長ペースや好みに合わせたかたちで、切り替えを進めてください。
牛乳はカルシウムをはじめ、タンパク質やミネラルなど豊富な栄養を含みます。しかしその栄養バランスは牛の赤ちゃんを育てるためのものなので、0歳の人間の赤ちゃんが飲むには、健康上のリスクがあります。赤ちゃんに牛乳を飲ませるのは、体がある程度大きくなり、離乳食からも栄養を摂れるようになる満1歳を超えてからにすべきでしょう。また牛乳を飲ませ始めるときは、本人の好みや体調を鑑みながら、少しずつ切り替えてください。なお、大人用の粉ミルクもありますが、赤ちゃんには適しませんので注意してください。