物忘れがひどくなる原因は?改善することはできる?

2019/11/26

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

年齢を重ねるとともに、どうしても物忘れが起こりやすくなりがちです。物忘れの頻度を減らし、少しでも記憶力を改善するにはどうしたらいいのでしょうか。この記事では、物忘れが起こりやすくなる原因と改善のためにできる対策について解説します。

物忘れが起こりやすくなるのはどうして?

病気以外の原因で物忘れが起こりやすくなる理由としては、主に「加齢」と「心身の疲労」の2つが考えられます。

加齢
脳の記憶力は、20代をピークに加齢とともに衰えていきます。このため、60代になると、脳そのものの老化により、ヒントがないと人名などを思い出せない、口に出せないなどの物忘れ症状が現れます
心身の疲労
精神的ストレスや過労、寝不足、偏った食事による栄養不足が続くと、脳と心身に疲れがたまって集中力が低下し、物忘れが起こりやすくなります

若年層にみられる脳過労も物忘れの原因?

脳過労とは、物忘れや集中力の低下をはじめ、作業能力・判断速度・理解力の低下を招く「脳に疲れがたまった状態」です。
このように脳が疲れ、脳疲労が起こるのは、日常的なスマホの使用による膨大な情報の入力と、その処理に脳が対応しきれなくなることが原因と考えられています。

物忘れを改善するためにできることは?

物忘れを改善するためにできる対策として、運動・食事・会話の3つがあります。

運動

脳を含む全身の血流を良くし、十分な量の酸素を送り届けてくれる有酸素運動は、物忘れの改善に効果的とされます。少し汗ばむくらいの早歩きで、1日20~30分ウォーキングする習慣をつけましょう。

食事

認知機能向上に効果のある食材を多く摂ると、物忘れ改善への効果も期待できます。バランスの良い食生活を意識するとともに、以下の食品を日々の食事に取り入れてみてください。

  • カフェイン豊富なコーヒーを、1日1~3杯
  • 抗酸化作用の高いイチゴ、ブルーベリーなどのベリー類
  • 認知機能低下を予防する、ビタミンD豊富な魚類

なお、コーヒーに砂糖をたくさん入れてしまうと糖尿病の原因になるため、注意が必要です。またビタミンDは、食事以外にも屋外に出て日光に当たることで体内で作ることができます。

会話

人と会話をせず、脳を使わない孤独な状態は、何よりも脳の機能低下と老化を進めます。脳を活性化させ、物忘れを改善するためにも、定期的に家族・友人・同僚と会話したり、読書や旅行をして脳に刺激を与えてください。

そのほか、脳疲労で物忘れが起きていると考えられる場合には、以下の対策を実践してみましょう。

  • すきま時間にスマホを手に取ったり眺めたりする時間を減らしてみる
  • マルチタスクを避け、物事はひとつずつ集中して処理する
  • 情報を流入させるデジタルから離れて自然と触れ合う

日常生活に支障をきたしたり、周囲から物忘れを指摘されても自覚が持てない場合は、認知症が原因の物忘れかもしれません。気になる異変に気が付いたら、できるだけ早く病院の物忘れ外来や精神科、神経科などに行って医師に診てもらいましょう。

おわりに:物忘れがひどくなるのは、加齢や心身の疲労が主な原因です

加齢による老化や、ストレスや栄養不足などで脳や心身が疲弊すると、記憶力や情報処理能力が低下し物忘れがひどくなることがあります。加齢による症状は特に60代以降に多くみられますが、心身や脳の疲労による物忘れ症状は、年齢を問わず現れるものです。普段から適度な運動と会話、認知機能を守る食事を意識し、スマホの使用を控えて脳を労わり、物忘れを改善していきましょう。

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