エアコンが効いた部屋で赤ちゃんを寝かせても大丈夫?

2019/12/14 記事改定日: 2019/10/25
記事改定回数:1回

山本 康博 先生

記事監修医師

MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長
東京大学医学部卒 医学博士
日本呼吸器学会認定呼吸器専門医
日本内科学会認定総合内科専門医
人間ドック学会認定医
難病指定医
Member of American College of Physicians

山本 康博 先生

赤ちゃんの体は日々成長していますが、体温調節機能は大人ほど発達していません。夏の汗ばむ日や冬の肌寒い日に、赤ちゃんが快適に過ごすためにどんなことに気をつけるといいのでしょう。この記事では赤ちゃんがいる家庭で覚えておきたいエアコンの使い方について、理想的な温度や湿度を紹介します。

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赤ちゃんが過ごす部屋でエアコンを使っても大丈夫?

赤ちゃんの体の発達はまだ未熟のため環境の変化にとても敏感に反応しやすく、それに伴い体温も変化しがちです。たとえば室内にいるのに熱中症の症状が出やすいなど、大人と比べて環境の変化に強くありません。

「エアコンは体に悪い」というイメージを持たれている人もいますが、快適な室温を保つことは赤ちゃんの体の安全を保つことにつながるため、エアコンを適切に使用するのがおすすめです。以下に、赤ちゃんがいる部屋でエアコンを使う場合の注意点を紹介します。

  • エアコンの温度調節をこまめにする
  • エアコンの風が赤ちゃんに直接当たらないようにする
  • エアコンのクリーニングは定期的に行い清潔にする(2週間に1回が目安)

エアコンのクリーニングを怠ると、吐き出されたホコリや繁殖したカビがアレルギーを引き起こす可能性があります。

エアコンを頻繁に使う季節で、特に気をつけることは?

夏と冬は外気温の変化が激しく、赤ちゃんの体温調節に特に注意したい季節です。エアコンを適切に使用して部屋の温度を快適に保ってください。

夏のエアコン

夏は熱中症に気をつけます。赤ちゃんは外気温の影響を受けやすく、室内でも熱中症を発症する危険性が高いです。しかし部屋を冷やしすぎた場合、室内と外との温度差が外出時の赤ちゃんの負担になることがありますので、エアコンの効かせすぎは避けましょう。

ポイント
  • 室温26~28℃、湿度60%を目安に調節する
  • エアコンの風のほか、直射日光が当たらないようにカーテンなどで工夫する
  • 扇風機のやさしい風を活用する。ただし風が直接当たらないようにする

冬のエアコン

冬は体が冷えないように温度調節をし、湿度もなるべく60%くらいを保ちます。赤ちゃんは布団を蹴ったり布団から体をよじらせたりする動きをしますが、暑がっているとは限りません。室温などを確認しながら赤ちゃんにとって快適な環境づくりを目指しましょう。

ポイント
  • 室温20~23℃、湿度60%を目安に調節する

湿度にも気をつけたほうがいい?

室温と一緒にコントロールしたいのが湿度です。季節ごとに湿度のコントロール方法は異なります。

夏の湿度コントロール

夏の快適な湿度は40~60%が目安です。夏に湿度が高い状態が続くと、カビやダニが繁殖しやすくなります。特に梅雨の時期に湿度60%以上になると、ダニなどが繁殖してアレルギーを引き起こすおそれが高まりますので、湿度コントロールは大切です。

新生児~幼児期は神経や臓器が著しく成長する段階です。この段階にアレルゲン(アレルギーの原因物質)を吸い込むことでアレルギーを発症する可能性が高くなります。

また、就寝環境の湿度にも気をつけましょう。寝ている間は汗をかきますので、ベッドなどが湿り気を帯びやすくなります。

ポイント
  • エアコンの除湿機能を活用する
  • 寝具をこまめに洗濯する

冬の湿度コントロール

冬の快適な湿度は40~60%が目安です。冬は乾燥に気をつけてください。湿度40%以下になって乾燥が進むと、肌や喉の乾燥、風邪などのウイルスの活発化を招きます。

ポイント
  • 加湿器で乾燥対策する
  • 赤ちゃんのスキンケアをする

おわりに:エアコンを上手に活用して赤ちゃんの体温管理をしましょう

赤ちゃんの体はまだまだ未発達です。特に、体温調節機能は未熟ですので、少しの環境変化にも敏感に反応し体温が変化してしまいます。エアコンを使用するときの注意点を守り、赤ちゃんにとって快適な環境を保つことをおすすめします。部屋の冷やしすぎや暖めすぎに気をつけながら、上手にエアコンを活用しましょう。

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