記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/6/8
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
メニエール病は、立っていられないほどの強いめまいや、難聴、耳鳴りなど、日常生活に支障をきたすような症状が出ることで知られています。
今回はメニエール病の治療について、どのくらいの期間治療を受ければ完治が見込めるのか、治療にかかる期間や完治の可能性について解説していきます。
メニエール病の症状の出方や程度、さらに治療にかかる期間や回復できる程度には、患者による個人差が大きいと考えられています。
また、投薬や生活改善によって症状が改善しても、完治しないケースがほとんどで、多数の患者が、しばらくしてから症状の再発を経験することになります。しかも再発してしまった場合、症状は再発のたびに悪化していくのです。
メニエール病のような将来的に再発しやすい難治性の病気では、症状が出なくなる状態のことは「完治」とは呼ばず、症状が治まった状態として「寛解(かんかい)」と呼びます。
なお、比較的初期の症状が軽い状態で治療を開始した場合、メニエール病の寛解までにかかる期間は約1か月と言われています。
前項でご紹介したとおり、メニエール病は再発を繰り返す完治が難しい病気です。放っておくと、時間とともにどんどん症状が進行して重症化し、気づいたときには日常生活に支障が出るレベルになっていることも少なくありません。
しかし、症状が比較的軽い初期の段階で治療を開始できれば、病気の進行と症状の悪化を投薬と生活改善で食い止め、完治させられる可能性も高いとされています。以下にメニエール病の代表的な初期症状を5つご紹介します。
上記のような症状を軽度でも感じたら、メニエール病の初期症状である可能性があります。「これくらい大丈夫」と流さずに、必ず耳鼻科医院での診断を受けましょう。
メニエール病は、発症の原因である内耳器官のむくみ・水膨れの箇所や程度によって症状の出方が変わるため、同じ病気でも現れる症状には個人差が大きくなります。このため、めまい・難聴・耳鳴り症状の出る他の病気との区別が難しく、メニエール病の診断に至るまでに、相当の時間を要することも珍しくありません。
繰り返しになりますが、メニエール病を完治できるかどうかは、早期に治療を開始できるかどうかにかかっています。診断に時間がかかる可能性も考慮し、少しでも先に紹介したような初期症状に心当たりがあるなら、できるだけ早く耳鼻科での診断・治療を受けるべきです。
メニエール病は時間とともに進行し、発作が起きるたびに症状が重くなっていくうえ、再発を繰り返す難治性の病気でもあります。軽度のメニエール病であれば約1か月の間、投薬や生活改善の治療を受ければ寛解することが多いですが、症状の軽い初期から治療を始めなければ、完治は難しいです。メニエール病の症状を抑え、完治を目指すためにも、メニエール病の初期症状の心当たりがあればすぐに耳鼻科を受診し、医師による診断と治療を受けることをおすすめします。