記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2017/3/15
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
長い9カ月間でしたか。父親は母親と違って、親になる実感を本能的に体で感じることができない。とよく言われてきました。でも夜中にシャーベットが突然食べたいとの求めにコンビニまで走って行ったり、ホルモンバランスの変化で感情の起伏の激しい毎日にも付き合ってきましたね。出産後のこれからは、父親としての新たな役割を持ちながら、パートナーを支える時間が始まります。病院から退院してきたら、始めるいくつかのことをまとめました。
パートナーの大きくなるお腹を見つめ、撫でながら、不安と期待と希望が入り混じった感情に圧倒されてきたことでしょう。パートナーは大きな体の変化に、かつてないほどの不安を感じています。出産後の体の痛みや不快感があるはずです。しかしこれを上回るだけの喜びにかくれて、あなたには見えないかもしれません。あなたには理性的で忍耐のある強い存在であってほしいと、パートナーは考えています。出産後にやらなくてはならない事務的な手続きや病院の予約などを把握して、彼女のやるべきことを少しでも減らしてあげましょう。
出産後からはじまる睡眠不足と体のホルモンの変化で、パートナーのストレスは予想できないほど大きなものです。はじめの3カ月間は守らなければならない授乳の時間や、赤ちゃんの夜泣きなどで、ぎりぎりまで神経はすり減らされています。こんなときにあなたのひとことに、大いに傷つくこともあれば、励まされることもあります。がんばり過ぎないように、共通の合図になることばを決めるのもいいかもしれません。ぎりぎりいっぱいになった時、「ひとやすみしよう」 や 「ニコッとしよう」 などのことばです。そうすることで、お互い冷静になることができます。
あなたも疲れています。彼女も疲れています。だから一方的に決め付けた言い方を決してしないでください。ふたりでいっしょにこのように疲れた経験は今までになかったかもしれません。これは競争ではありません。だから不満を言い出したらエスカレートしてしまって、決して休息にはつながりません。あなたは彼女ができるだけ昼寝ができる時間を作って協力しましょう。自分自身に対しても同じことが必要かもしれません。
彼女が赤ちゃんにおっぱいをあげているとき、自分は関係ないと感じるでしょう、しかし関わる方法はあります。赤ちゃんのオムツを替えたり、ミルクビンを消毒したり、ビンでの授乳をしたり、入浴や寝付かせたりするのに協力しましょう。そうすることで、パートナーはあなたのきもちを感じます。助けられている実感をもてます。あなたは赤ちゃんと今まで味わったことのない充実した時間を過ごすことができます。
仕事から帰宅したら、リリーフ投手として行動できるよう準備しましょう。あなたは仕事で十分忙しい1日を過ごしました。でもあなたは帰宅したら、彼女の手助けになる小さなことをいくつかしてください。彼女は一日家にいて、自分に使う時間はほとんどなかったはずです。シャワーしたり、親友に電話をかけたり、ただリラックスするだけの時間でもかまいません。パートナーを孤立したきもちにさせないでください。何をして良いかわからなければ聞いてください。彼女にはあなたのサポートが必要です。
はじめて親になるということは、想像以上の大変な時間を過ごすことかもしれません。でも、子どもの成長をふたりで見守り共有できるしあわせ、これ以上のものがあるでしょうか。親になることを存分に楽しみ堪能してください。