糖尿病の人、予備軍の人に!~ケガのない運動のための11のヒント

2017/6/15

三上 貴浩 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 医学博士

三上 貴浩 先生

糖尿病や糖尿病のリスクのある人は、活動レベルを上げることも大切です。それは、健康にとっても素晴らしいことです。

しかし、運動は楽しく安全なものでなければなりません。この記事では、運動中のケガや脱水、低血糖などを予防するためにできる11のヒントをご紹介します。

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1 少しずつ段階的に

一度も運動したことがない、もしくはしばらく活動的でなかった場合には、少しずつ段階的に運動を始めましょう。

自分の健康状態がはっきりしないときは、どの運動が自分の体にとって、最も安全か医師に相談しましょう。

医師のアドバイスは、心臓、血管、目、腎臓、足、神経系などの状態によって変わります。しかし、糖尿病患者の多くは、糖尿病でない人と同じ活動ができます。

2 準備運動を行う

運動を開始する前に5分間準備運動をしましょう。そして、運動が終わったら、5分間整理運動をします。

準備運動や整理運動は、メインの運動よりも負荷が軽いものにします。

3 運動する場所に注意

極端に暑い、もしくは寒い場所での運動は避けてください。天気が荒れ模様の場合は、屋内の運動を選びましょう。

4 脱水症状を防ぐ

運動中の脱水症状を防ぐために、運動する前、運動している途中、運動後に、水をたくさん飲みましょう。

5 低血糖の対策を

低血糖になり始めていると感じたら、検査して手当てをしてください。いつでも、低血糖の症状を改善するため、炭水化物を補給できるものを持ち歩き、補給しましょう。インスリンを投与している1型糖尿病の人には特に重要なことです。

6 スポーツドリンクの成分を確認

長時間(1時間または2時間以上)運動する場合に、炭水化物を補給するスポーツドリンクが飲みたくなるでしょう。そのとき、スポーツドリンクの栄養成分を確認するようにしてください。炭水化物の摂りすぎは、血糖値の急上昇を引き起こす可能性があります。その場合、スポーツドリンクを水で薄めることが必要です。

7 糖尿病患者であることを示す身分証を身に付ける

緊急時に備えて、糖尿病患者であることがわかる身分証明書付きのブレスレットやネックレス、または糖尿病患者用IDカードを着用しましょう。

誰かに助けを求めるために、携帯電話を持ち歩いてください。

8 慣れないうちは負荷をかけ過ぎない

積極的に運動するべきですが、必要以上に運動レベルを上げる必要はありません。自分自身にあまり負荷をかけ過ぎないようにするために、負荷がかかり過ぎているかを確認する「トークテスト」を行いましょう。運動中に話しをしようとしたとき、息が切れて話すことができない場合は、運動のペースを落としましょう。これは運動量を増やし始めたばかりのときには、最も重要です。慣れてくると、以前より激しい運動をしても、ほかの人と会話をすることができるようになります。

9 足を守る

自分の足に合う靴と清潔な靴下を履いて足を守りましょう。中敷きが入っている靴は、足や関節にかかる負担を軽減するために作られているので、ウォーキングのような体重のかかる活動をするときにオススメです。摩擦を減らし、肌の湿気を除く素材で作られた靴下は、足を保護します。 ポリプロピレンもしくはアクリル製のものなどがあります(綿は避けたほうが良いでしょう)。

10 足のトラブルを確認

運動の前後に、水ぶくれ、赤み、あるいはほかの炎症が足に出ていないか、慎重に調べましょう。もし足の痛みや治療していない水ぶくれ、切り傷、すり傷などがあれば、医師に相談しましょう。

11 体調が悪いときは運動しない

体の痛み、息切れ、軽い頭痛を感じたら、運動をやめてください。異常な症状について、医師に相談しましょう。

おわりに:糖尿病の症状を改善するためには楽しみながら運動を続けること

糖尿病やそのリスクのある人には、運動はとても大事ですが、だからといって体調が悪いときも無理して続けるのは逆効果です。自分の体調と向き合い、体の声を聞きながら、楽しく続けることが大切です。

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