仕事と介護を両立するために知っておきたいポイント
2026/1/20
高齢の家族を介護しながら働く人が増えています。とはいえ、仕事と介護の両立は簡単ではなく、やむを得ず離職してしまうケースも少なくありません。実際、毎年10万人以上が介護を理由に離職しているとの統計もあります。ここでは、介護離職を防ぎ仕事と介護を両立するための制度や心構えについて解説します。
介護離職がもたらす影響と課題
家族の介護のために離職することは、本人と家族双方に大きな影響を及ぼします。収入が途絶えることで家計が圧迫され、介護費用の負担がより深刻になります。また、長年勤めた仕事を辞めることは本人のキャリアや生きがいを断つことにもなりかねません。一度離職すると再就職は容易ではなく、経済的にも精神的にも追い詰められてしまう人もいます。国も「介護離職ゼロ」を目標に掲げ、企業への働きかけや制度整備を進めています。離職せずに済む方法を模索することが大切です。
職場の制度や公的支援を活用して両立を図る
介護と仕事を両立するために、法律で定められた各種制度を積極的に活用しましょう。
介護休業・介護休暇制度を利用する
社員が家族の介護を行うために一定期間仕事を離れることができる介護休業制度があります。要介護状態の家族一人につき通算93日まで取得可能で、その間「介護休業給付金」として賃金の67%相当が支給されます。さらに、短期の休みを取りやすくする介護休暇制度もあります。こちらは年に5日(対象家族が2人以上なら10日)まで、半日単位で取得可能です。これらの制度を利用すれば、一時的に仕事を休んで介護に専念したり、通院付き添いや手続きのための時間を確保したりできます。職場の人事担当者に相談し、権利として保障された制度を遠慮なく利用しましょう。
家計負担を軽減する公的補助をチェック
介護による経済的負担を和らげるため、利用できる公的補助も確認しておきましょう。介護保険サービスの自己負担は原則1割(所得により2〜3割)で、月額負担が高額になった場合は高額介護サービス費として上限を超えた額が払い戻されます。また、自宅での介護に伴う改修費や福祉用具購入費には介護保険から一定額まで補助が出ます。たとえば住宅改修費は20万円を上限に9割(最大18万円)まで支給されます。さらに、同居家族が介護のためにやむを得ず離職した場合、失業給付の特例給付が受けられる場合もあります。自治体によっては家族介護慰労金(長期間在宅介護を続けた家族への奨励金)を支給しているところもあります。こうした制度を知って賢く活用すれば、仕事を辞めずに介護費用を賄う助けとなるでしょう。
柔軟な働き方と周囲の理解が鍵
制度の利用と合わせて、職場や家庭での工夫も両立には欠かせません。
職場の上司や同僚に状況を伝える
介護と仕事を両立するには、職場の理解を得ることが大切です。上司や人事担当者には早めに家庭の状況を説明し、必要な配慮やサポートについて相談しましょう。たとえば時差出勤や在宅勤務など柔軟な働き方を認めてもらう、残業を免除してもらうなどの措置が考えられます。近年は多くの企業で「介護と仕事の両立支援」が進んでおり、社内に介護相談窓口を設置するところもあります。同僚にもある程度事情を共有しておけば、急な早退や休みが必要なときに協力してもらいやすくなります。職場内で孤立せず、周囲に頼ることをためらわないようにしましょう。
無理のない介護体制と役割分担を
一人ですべてを抱え込まないために、家族内の役割分担や外部サービスの活用が重要です。きょうだいや親戚がいる場合は、介護の時間や費用負担について話し合い、お互い無理のない範囲で協力しましょう。また、デイサービスやホームヘルパー、ショートステイなど前述の介護保険サービスをフル活用することで、介護者の負担は大きく軽減します。例えば平日はデイサービスを利用して昼間の介護をプロに任せ、家族は仕事に集中する、といった工夫も可能です。完璧を目指さず周囲の手を借りることが、結果的により良い介護と両立につながります。
まとめ
仕事と介護を両立するためには、企業の制度や公的支援を最大限に活用し、職場や家族とオープンに協力し合う姿勢が大切です。経済的不安や時間的制約で悩むときこそ、一人で抱え込まず周囲に相談してください。働きながらでも質の高い介護は十分可能です。自分のキャリアと家族のケア、どちらも大切にできる道を諦めずに模索していきましょう。











