高齢者の睡眠を整えるには?生活リズムと環境づくりの基本

2026/3/10

眠りの悩みは体調と気分に影響しやすい

高齢になると、夜間に目が覚めやすい、朝早く目覚める、昼間にうとうとしやすいなど、睡眠のパターンが変化することがあります。睡眠が乱れると、日中の活動量が落ち、食欲や気分、転倒リスクにも影響しやすくなります。眠れないこと自体が不安になり、さらに睡眠が浅くなるという循環に入ることもあります。
睡眠は個人差が大きく、単純に時間だけで良し悪しを決めにくい点が特徴です。まずは、睡眠と生活習慣の関係を理解し、環境と行動の調整で改善できる部分を整理します。

睡眠ガイドが示す考え方と睡眠障害

厚生労働省の健康づくりのための睡眠ガイド2023は、最新の科学的知見に基づき、良い睡眠を習慣的に維持するための生活習慣を身につける手立てとなることを目指して策定された資料です。成人、こども、高齢者の年代別に推奨事項をまとめ、光や温度、音などの環境因子、食生活や運動などの生活習慣も重要であること、睡眠障害についても概説することが示されています。
眠れない原因は、生活リズムの乱れ、日中の活動量低下、昼寝の取り方、痛み、頻尿、薬の影響、うつ状態、睡眠時無呼吸など多岐にわたります。生活で整えられる部分と、医療評価が必要な部分を分けて考えることが大切です。

光 入浴 運動 食事で体内時計を整える

e-健康づくりネットの快眠と生活習慣では、快眠に役立つ生活習慣として運動、入浴、光浴を取り上げ、適度な強さで定期的に適切なタイミングで行うことが大事とされています。高齢者では、朝に明るい光を浴びること、日中に適度に体を動かすことが、夜の眠りにつながりやすい基本になります。
入浴は、就寝の直前ではなく、眠る前に体温が下がっていく流れを作れる時間帯に行うとよい場合があります。運動は、散歩や体操など続けられる内容を選び、就寝直前の強い運動は避けます。日中に座り続けると夜の眠気が弱くなることがあるため、短時間でも立つ動作を挟む工夫が役立ちます。
食事は、欠食があると体内リズムが乱れやすくなります。夕食が遅い場合は、食後すぐに横にならない時間を確保し、胃もたれがある人は量や内容を調整します。カフェインを含む飲料は、摂る時間帯によって眠りに影響することがあるため、午後以降は控えるなど本人に合うルールを作ります。夜間頻尿がある人は、就寝前の過度な飲水を避けつつ、日中に必要量を確保する形へ配分します。

受診を考える症状と薬の影響

大きないびきや呼吸の止まり、強い日中の眠気、急な体重増加や血圧上昇を伴う場合は、睡眠時無呼吸などの評価が必要になることがあります。抑うつ気分、意欲低下、食欲低下が続く場合も、睡眠だけの問題ではなく心身の状態を確認します。
また、睡眠薬、抗不安薬、抗アレルギー薬、痛み止めなどは眠気やふらつきに影響することがあります。夜間の転倒が増えた、朝のふらつきが強い場合は、薬の種類やタイミングの見直しも含めて医師や薬剤師に相談します。息苦しさ、胸痛、意識の変化など急性の症状がある場合は、速やかに医療機関へ相談します。

まとめ 睡眠は環境と習慣の調整から始める

高齢者の睡眠は変化しやすい一方、光、活動、入浴、食事、環境の整備で改善できる部分もあります。睡眠ガイドの考え方を参考に、生活リズムを整え、本人が続けられる方法に落とし込むことが大切です。強い眠気や呼吸の異常、転倒を伴う場合などは医療評価を検討し、無理のない支援につなげます。

引用・参照:
厚生労働省|健康づくりのための睡眠ガイド2023|2023|https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/001181265.pdf
e-健康づくりネット|快眠と生活習慣|更新年不明|https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/heart/k-01-004.html
e-健康づくりネット|睡眠 健康増進担当者向けツール|2025|https://kennet.mhlw.go.jp/tools/tools_sleep/index

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