記事監修医師
東京都内大学病院眼科勤務医
渡辺 先生
2017/8/9 記事改定日: 2019/8/2
記事改定回数:3回
記事監修医師
東京都内大学病院眼科勤務医
渡辺 先生
ものもらいは、いわゆる「まぶたの腫れ」のことです。いったんできると痛かったり痒かったりで、非常に不快なので、できれば早く治したいですよね?
今回は自分で簡単にできるもの「もらいの治し方」を紹介します。
ものもらい(外麦粒腫)とは、黄色ブドウ球菌などが原因でまぶたにできる腫れもののことです。
黄色ブドウ球菌は、普段から肌に存在している「常在菌」ですが、免疫力の低下や衛生環境の悪化といった条件がそろうと感染してものもらいを作ってしまいます。
ものもらいは、まぶたの皮脂腺がふさがってしまっただけの状態なので、ほとんどは自然に治りますし、自宅での簡単なケアだけで回復を早めることができます。
また、ものもらいとよく似たものに霰粒腫(さんりゅうしゅ)があります。外麦粒腫と同じように「ものもらい」と説明されることもありますが、厳密には違うものです。
霰粒腫も、ものもらいと同じようなセルフケアで回復を早めることができます。
膿で詰まった穴が開きやすくなって膿が外に出すくなり、自然治癒しやすくなります。
ホットタオルで温めた後に指でマッサージするように軽く押してあげると、皮脂腺の詰まりが解消しやすくなり痛みや炎症も早く治まります。
温めるときはホットタオルでヤケドをしないように注意しましょう。
炎症がひどく、大きく腫れているときは冷やしたほうがいい場合もあります。
ものもらいが以下のような状態のときは、早めに病院で診てもらいましょう。
膿が溜まったものもらいは、非常に重度な感染を起こしている可能性があります。
自分で膿をしぼり出したりしてしまうと
おそれがあります。
ものもらいを自分でつぶしたり、穴をあけたりするのは絶対にやめましょう。
ものもらいが大きくなって潰してしまいたいと思ったときは、その旨を眼科に相談してください。
眼科では抗生物質入りの目薬による治療が主体となりますが、ものもらいが大きい場合は切開して膿を出すこともあります。
ものもらいは放っておいても数日で治りますが、できることなら1日でも早くなんとかしたいものです。最初から病院で処置してもらってもいいですが、時間がないときはホットタオルで温めて回復を促してあげましょう。
上記のようなときは、病院での治療が必要な可能性があるので、早めに病院を受診しましょう。
※抗菌薬のうち、細菌や真菌などの生物から作られるものを「抗生物質」といいます。 抗菌薬には純粋に化学的に作られるものも含まれていますが、一般的には抗菌薬と抗生物質はほぼ同義として使用されることが多いため、この記事では抗生物質と表記を統一しています。