高齢者の食中毒予防と家庭での食品管理

2026/4/29

高齢者が食中毒に注意したい理由

食中毒は、季節を問わず家庭でも起こることがあります。高齢者は、若い世代に比べて体力や免疫の働きが低下していることがあり、下痢や嘔吐が続くと脱水や体調悪化につながりやすいとされています。持病がある人、食事量が少ない人、ひとり暮らしで体調の変化に気づかれにくい人では、特に注意が必要です。
食中毒予防の基本は、原因となる細菌やウイルスをつけない、増やさない、やっつけることです。難しい特別な方法ではなく、買い物、保存、下準備、調理、食事、残った食品の扱いを一つずつ見直すことが予防につながります。家族や介護職が関わる場合は、本人の習慣を尊重しながら、危険が高い部分を穏やかに整えることが大切です。

買い物と保存で気をつけること

買い物では、消費期限や保存方法を確認し、肉や魚は汁がほかの食品につかないように袋に入れます。冷蔵や冷凍が必要な食品は、できるだけ早く持ち帰り、冷蔵庫や冷凍庫に入れます。厚生労働省は、冷蔵庫は10度以下、冷凍庫はマイナス15度以下を目安とし、詰め込みすぎに注意することを示しています。
高齢者の家庭では、冷蔵庫の奥に古い食品が残っていることがあります。見えにくい場所に入れると期限切れに気づきにくくなるため、早く使うものを手前に置く、開封日を書く、残り物は透明な容器に入れるなどの工夫が役立ちます。視力が低下している人には、期限を大きな文字で書いたラベルを貼ると確認しやすくなります。

調理と作り置きの注意点

調理の前後には手を洗い、生の肉や魚を扱った包丁やまな板は、ほかの食品に使う前に洗浄し、必要に応じて熱湯などで消毒します。加熱が必要な食品は中心までしっかり火を通します。電子レンジを使う場合は、加熱むらが起こることがあるため、途中で混ぜる、向きを変える、加熱後に少し置くなどの工夫をします。
作り置きは便利ですが、室温に長く置くと細菌が増えやすくなります。調理後は早めに食べ、保存する場合は清潔な容器に入れて冷蔵します。再加熱するときは、中心まで十分に温めます。においや見た目に変化がない食品でも安全とは限りません。少しでも不安がある食品は、無理に食べないことが大切です。

テイクアウトや配食を利用するとき

テイクアウトや配食サービスを利用する場合は、受け取った後の扱いにも注意します。持ち帰った食品は長時間持ち歩かず、できるだけ早く食べます。すぐに食べない場合は、表示に従って冷蔵保存します。配食を玄関先で受け取る場合も、置き配の時間が長くならないよう、受け取り方法を確認しておきましょう。
食後に強い腹痛、下痢、嘔吐、発熱、血便、ぐったりする、尿が少ない、意識がぼんやりするなどがある場合は、早めに医療機関へ相談してください。高齢者では、症状を我慢してしまうことがあります。食中毒予防は、本人の生活を制限するためではなく、安心して食事を続けるための家庭内の習慣づくりです。

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