医療的ケアが必要な子どもを支える家族の休息とは

2026/6/10

山本 康博 先生

記事監修医師

MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長
東京大学医学部卒 医学博士
日本呼吸器学会認定呼吸器専門医
日本内科学会認定総合内科専門医
人間ドック学会認定医
難病指定医
Member of American College of Physicians

山本 康博 先生

家族の緊張が続きやすい日常

医療的ケアが必要な子どもと暮らす家庭では、吸引、経管栄養、呼吸器管理、服薬、通院、体調観察など、日常の中に医療に近いケアが入ります。家族は小さな変化にも気づく必要があり、夜間も緊張が続きやすくなります。子どもの命や体調を守るために頑張る一方で、保護者の睡眠不足、きょうだいへの関わりの不足、仕事の調整、経済的な不安が重なることもあります。休息を取ることは、子どもへの愛情が足りないという意味ではありません。長く家庭で支えるために、家族も支援を受ける対象です。

医療、福祉、教育の連携を早めに整える

医療的ケア児の支援では、医療機関だけでなく、訪問看護、障害児通所支援、相談支援専門員、保育所、学校、自治体の窓口などが関わります。こども家庭庁は、障害児とその家族に対して、乳幼児期から学校卒業まで身近な場所で一貫した支援を提供する体制の重要性を示しています。家庭では、ケアの内容、緊急時の対応、使っている物品、連絡先を一覧にしておくと、支援者が交代するときにも伝えやすくなります。保護者だけが情報を抱え込まず、関係者と共有することが大切です。

休息を予定として組み込む

医療的ケアがある家庭では、休めるときに休むという考え方では、休息が後回しになりがちです。訪問看護の時間、短期入所、日中一時支援、通所支援、家族や親族の協力などを使い、保護者が眠る時間、通院する時間、きょうだいと過ごす時間を予定に入れましょう。初めて支援を利用するときは、不安が大きいものです。短時間から始める、ケア手順を書面にする、いつもの物品を使う、支援者と振り返るなど、段階的に任せられる形を作ると安心です。

きょうだいへの支援も忘れない

医療的ケアが必要な子どものきょうだいは、家庭の状況をよく見ており、保護者に遠慮して自分の気持ちを言いにくいことがあります。学校行事に来てほしい、話を聞いてほしい、友人を家に呼びたいなど、日常の希望があるかもしれません。きょうだいにケアを手伝わせる場合も、年齢や負担に配慮し、責任を持たせすぎないことが大切です。短時間でも、きょうだいだけと過ごす時間を作る、学校や相談機関とつながるなど、家族全体を支える視点が必要です。

緊急性のある変化と相談先

呼吸が苦しそう、顔色が悪い、意識がぼんやりする、けいれんが続く、発熱とぐったりした様子がある、機器の異常がある場合は、あらかじめ決めた手順に沿って医療機関や救急につなげます。日常的には、睡眠不足が続く、保護者が涙もろい、強い不安がある、きょうだいの不調が目立つ、介護を続ける自信がなくなってきた場合も相談の目安です。主治医、訪問看護師、相談支援専門員、自治体の窓口に、早めに状況を伝えましょう。

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