記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2026/6/30
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
とびひは、正式には伝染性膿痂疹と呼ばれる皮膚の細菌感染症です。ブドウ球菌や溶血性連鎖球菌などが原因となり、あせも、虫刺され、湿疹、すり傷などをかきこわしたところから広がることがあります。子供は汗をかきやすく、皮膚をかくことを我慢しにくいため、夏に症状が目立つことがあります。水ぶくれやただれ、黄色いかさぶたのような変化がみられ、触った手を介して体の別の場所や周囲の人にうつることがあります。子供に多い病気として知られていますが、大人がかかることもあります。特に、湿疹やアトピー性皮膚炎がある人、ひげそりや除毛で皮膚に小さな傷ができやすい人、介護や保育で皮膚に触れる機会が多い人は、皮膚のバリアが乱れた部分から感染が起こることがあります。
とびひは、最初は小さな赤みや水ぶくれとして始まり、かくことで破れてじゅくじゅくした状態になることがあります。鼻の周りから始まることもあり、鼻を触った手で虫刺されや湿疹をかくと、別の場所に広がる場合があります。かゆみが強いと、寝ている間にかきこわして悪化することもあります。発熱、痛み、リンパ節の腫れ、広い範囲のただれがある場合は、炎症が強い可能性があります。大人では、最初は虫刺され、かぶれ、湿疹、毛穴の炎症のように見えることがあり、仕事や家事で受診が遅れる場合があります。顔、首、腕、脚など露出しやすい場所に出ると、手指や衣類、タオルを介して周囲に広がることもあります。見た目だけで湿疹や虫刺されと区別しにくいこともあるため、短期間で広がる、じゅくじゅくした液が出る、痛みが強い場合は皮膚科で確認すると安心です。
大人のとびひでは、皮膚を清潔に保つ時間が取りにくいことや、症状があっても仕事を続けることが悪化のきっかけになることがあります。汗をかいた衣類を長く着たままにする、作業着や寝具を洗わずに使い続ける、かゆい部分を触った手で別の部位に触れると、病変が広がりやすくなります。ひげそりやむだ毛処理で皮膚に傷がある場合は、同じ刃や器具を使い続けることで刺激が重なることがあります。糖尿病などの持病がある人、免疫機能が低下している人、高齢者では、皮膚トラブルが長引くこともあるため、軽い症状に見えても経過をよく観察しましょう。市販のかゆみ止めやステロイド外用薬を自己判断で使い続けると、原因に合わず改善しにくいことがあります。
家庭では、病変部を清潔に保ち、かきこわしを減らすことが大切です。入浴やシャワーで汗や汚れをやさしく流し、強くこすらずに水分を押さえるように拭きます。病変部は洗ってよいとされますが、せっけんはよく泡立て、しみる場合は無理をしないようにします。湯船に長くつかると、病変部の液が周囲に触れる可能性があるため、症状が強い時期はシャワーを中心にするとよいでしょう。医師から塗り薬が処方された場合は、指示された回数と範囲を守ります。爪を短く切り、手洗いをこまめに行い、タオルの共有は避けます。大人が発症した場合も、家族のタオル、寝具、衣類とは分けて扱い、病変部に触れた後は手を洗います。家庭内で同じ軟膏を複数人に使い回すことは避けましょう。
とびひは、病変部に直接触れることで周囲に広がることがあります。大人の場合、登園や登校のような一律の基準はありませんが、職場では病変部をガーゼや包帯で覆い、露出しないようにすることが大切です。食品を扱う仕事、医療や介護、保育、美容、マッサージなど人の皮膚に触れる仕事では、利用者や周囲への影響を考えて、勤務の可否を職場や医師に相談することが望ましい場合があります。介護家庭では、入浴介助やおむつ交換、清拭のときに病変部へ直接触れないよう、必要に応じて使い捨て手袋を使います。処置後は手袋を外し、石けんと流水で手を洗います。高齢者や寝たきりの人では、汗や尿、便による皮膚の刺激が重なりやすいため、赤みやただれが広がっていないかを日々確認します。
とびひは、学校感染症の中では第三種のその他の感染症として扱われます。一般的には、医師の診察を受け、病変部を適切に処置し、ガーゼや包帯などで覆って露出していなければ、登園や登校が可能と判断されることがあります。ただし、病変が多い、広範囲に広がっている、全身症状がある場合は休んで治療に専念したほうがよいことがあります。園や学校によって対応が異なることもあるため、診断を受けたら早めに連絡し、登園時の条件を確認しましょう。大人でも、急に範囲が広がる、痛みや発熱がある、顔や目の周りに広がる、赤みが強く腫れる、家庭ケアで改善しない場合は、皮膚科に相談してください。処方された薬は、症状が軽くなっても自己判断で中止せず、指示された期間を守ることが大切です。
とびひは、身近な虫刺されやあせもから始まることがあります。子供だけでなく、大人でも湿疹、傷、ひげそり後の刺激、介護や保育での接触などをきっかけに起こることがあります。早い段階で清潔を保ち、かくことを減らし、病変部を覆うことで、本人の不快感や周囲への感染リスクを抑えやすくなります。大人は症状があっても生活や仕事を優先しがちですが、短期間で広がる皮膚の変化は早めに確認することが大切です。子供、高齢者、持病がある人が同居している場合は、タオルの共有を避け、手洗いを続けながら、必要に応じて医療機関へ相談しましょう。