思春期の朝起きられない不調と起立性調節障害とは

2026/6/30

山本 康博 先生

記事監修医師

MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長
東京大学医学部卒 医学博士
日本呼吸器学会認定呼吸器専門医
日本内科学会認定総合内科専門医
人間ドック学会認定医
難病指定医
Member of American College of Physicians

山本 康博 先生

朝の不調が続くときに考えたいこと

思春期の子どもが朝起きられない、立ちくらみがする、頭痛や腹痛がある、午前中に強いだるさがあるとき、生活リズムの乱れだけで片づけられない場合があります。起立性調節障害は、立ち上がったときの血圧や心拍の調整がうまく働きにくくなり、めまい、ふらつき、倦怠感などが出る病気とされています。午後から夕方にかけて元気になる子どももいるため、怠けや気持ちの問題と誤解されることがあります。本人は学校へ行きたい気持ちがあっても、体がついていかないことがあります。

起立性調節障害の症状の特徴

起立性調節障害では、立ちくらみ、動悸、頭痛、腹痛、食欲不振、朝起きられない、夜寝つきにくい、疲れやすいなど、多様な症状がみられます。日本小児心身医学会は、思春期に発症しやすく、午前に症状が強いため学校生活に支障をきたすことがあると説明しています。症状には個人差があり、日によっても変わります。周囲の大人が、午後は元気だから問題ないと判断すると、本人のつらさが見えにくくなります。朝の様子だけでなく、一日の変化を記録することが理解につながります。

家庭でできる生活の整え方

医師から特別な制限を受けていない場合、起立性調節障害では、水分をこまめにとる、急に立ち上がらない、朝は布団の中で少し体を動かしてから起きる、無理のない範囲で体を動かすといった工夫がすすめられることがあります。睡眠リズムも重要ですが、眠れない子どもに早く寝なさいと繰り返すだけでは改善しにくい場合があります。朝の光を浴びる、夜の画面時間を短くする、食事時間を整えるなど、できることから少しずつ試します。水分や塩分の取り方は、持病の有無によって注意が必要なため、医師に確認してください。

学校との調整で大切なこと

朝の遅刻や欠席が続くと、本人も家族も焦りやすくなります。学校には、診断や症状の経過、午前中に症状が強いこと、午後に活動しやすくなることなどを共有し、登校時間、保健室利用、オンライン課題、体育の参加方法などを相談します。すべてを休むか、すべて通常通りにするかだけで考えると、本人の負担が大きくなることがあります。短時間の登校や別室での休憩など、段階的な方法が合う子どももいます。家族と学校が同じ理解を持つことで、責める言葉を減らしやすくなります。

受診や再相談が必要な場面

朝の不調が続いて学校生活に影響している、立ちくらみや失神がある、頭痛や腹痛が繰り返す、体重減少や強い食欲低下がある場合は、小児科で相談しましょう。貧血、甲状腺の病気、心臓の病気、睡眠障害、うつ状態など、似た症状を示す病気がないか確認することも大切です。自傷をほのめかす発言、強い希死念慮、意識障害、胸痛、呼吸困難、けいれんがある場合は、早急に医療機関や救急へ相談してください。起立性調節障害は、体の症状と心理社会的な負担が重なりやすい病気です。本人のつらさを認めながら、医療と学校、家庭で支えることが大切です。

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