記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2026/6/30
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
子どもは、不安やつらさを言葉で十分に説明できないことがあります。そのため、こころの不調が、腹痛、頭痛、吐き気、食欲低下、眠れない、朝起きられない、疲れやすいといった体の症状として表れることがあります。国立成育医療研究センターの研究では、思春期の身体症状の数が多いほど、抑うつ症状との関連が強まる可能性が示されています。ただし、体の症状があるからすぐにこころの病気と決める必要はありません。まずは体の病気の確認と、生活や人間関係の変化を合わせて見ることが大切です。
ストレスが強いとき、子どもは急に怒りっぽくなる、涙もろくなる、好きだった遊びや部活動に関心を示さない、友達との連絡を避ける、身だしなみに無関心になることがあります。小学生では甘えや反抗として見え、中高生では無気力や不機嫌として見えることもあります。成績の低下や遅刻、欠席が目立つ場合も、単なる怠けと決めつけないほうがよいでしょう。変化がいつから始まったか、家庭、学校、SNS、塾、部活動などで負担が増えていないかを落ち着いて振り返ります。
子どもが不安を話し始めたときは、すぐに正解を示そうとせず、最後まで聞くことが大切です。大したことではない、気にしすぎだ、もっと頑張りなさいといった言葉は、本人が話す機会を失うきっかけになることがあります。まずは、つらかったことを受け止め、何が一番困っているかを一緒に整理します。話したがらない場合は、無理に聞き出さず、食事、睡眠、登校、友人関係などの様子を見守ります。必要に応じて、本人が話しやすい大人や相談窓口につなげることも支援の一つです。
こころの不調が疑われるときも、生活の土台を整えることは役立ちます。睡眠時間を確保する、食事を抜かない、画面を見る時間を見直す、安心して休める時間をつくることから始めます。学校の負担が大きい場合は、宿題や登校時間、部活動、席の位置、保健室利用などを相談します。SNSやオンライン上の人間関係がつらさにつながることもあるため、使用を一方的に禁止するより、何が負担になっているかを確認します。本人が回復するまでの間、活動量を一時的に調整することは甘やかしではありません。
気分の落ち込みや不安が2週間以上続く、眠れない日が続く、食事量が大きく減る、学校へ行けない日が増える、自分を傷つける行動がある、死にたいと話す、急に身辺整理のような行動をする場合は、早めに専門家へ相談してください。自傷や自殺をほのめかす発言があるときは、ひとりにせず、救急、医療機関、地域の相談窓口につなげます。精神科や心療内科に限らず、まずは小児科、学校の相談室、自治体の相談窓口でもかまいません。家族だけで抱え込まず、複数の大人で支える体制をつくることが重要です。