ビタミンを効率よく取る食事の組み立て方

2026/6/30

山本 康博 先生

記事監修医師

MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長
東京大学医学部卒 医学博士
日本呼吸器学会認定呼吸器専門医
日本内科学会認定総合内科専門医
人間ドック学会認定医
難病指定医
Member of American College of Physicians

山本 康博 先生

ビタミンは多様な食品から取る

ビタミンは、身体の調子を整え、エネルギー代謝や皮膚、粘膜、骨、血液などの健康を支える栄養素です。必要量は多くありませんが、体内で十分に作れないものが多いため、日々の食事から取る必要があります。野菜や果物だけに含まれると思われがちですが、ビタミンDやビタミンB12は魚や肉、卵などにも含まれます。一つの食品ですべてを補うことは難しいため、主食、主菜、副菜、乳製品、果物などを組み合わせることが基本です。効率よく取るとは、特定の食品を大量に食べることではなく、複数の食品を無理なく続けて食べることと考えましょう。

水溶性と脂溶性の違いを知る

ビタミンは、大きく水溶性ビタミンと脂溶性ビタミンに分けられます。ビタミンB群とビタミンCは水溶性で、その多くは水に溶けやすく、体内に蓄えにくい性質があります。そのため、一度にまとめるより、毎日の食事に分けて取ることが大切です。ビタミンA、D、E、Kは脂溶性で、油脂と一緒に食べることで吸収されやすくなるものがあります。一方、脂溶性ビタミンは体内に蓄積するため、サプリメントなどによる過剰摂取に注意が必要です。性質の違いを知り、調理法や食べ方を選ぶことが、無理のない摂取につながります。

野菜だけでなく魚や肉、卵も組み合わせる

緑黄色野菜には、体内でビタミンAに変わるβカロテンや、ビタミンK、葉酸などが含まれます。果物やいも類、野菜にはビタミンCを含むものがあります。豚肉などはビタミンB1、魚介類や肉、卵、乳製品はビタミンB12の供給源になります。ビタミンDは魚類やきのこ類などから取ることができます。朝食に卵や乳製品と果物、昼食に魚と野菜、夕食に肉や大豆製品と緑黄色野菜を組み合わせるなど、一日の中で食品を入れ替えましょう。食が細い高齢者は、野菜だけで満腹にならないよう、主菜と主食も確保することが大切です。

水溶性ビタミンを保つ調理を取り入れる

ビタミンCなどの水溶性ビタミンは、水に溶け出したり、加熱によって減少したりすることがあります。野菜を切った後に長時間水へさらすことは避け、洗う場合は手早く行います。加熱するときは、短時間で炒める、蒸す、電子レンジを使うなど、水に触れる時間を短くする方法があります。煮物やスープでは、煮汁に溶け出した栄養素も一緒に取れるため、汁ごと食べられる料理にするのも一つの方法です。ただし、生野菜だけに偏る必要はありません。加熱するとかさが減り、量を食べやすくなるため、生と加熱を組み合わせると続けやすくなります。

脂溶性ビタミンは適量の油と組み合わせる

緑黄色野菜に含まれるβカロテンなどは、油脂を使った料理と組み合わせることで吸収されやすくなるとされています。にんじんや小松菜を少量の油で炒める、かぼちゃにごまやナッツを添える、野菜に適量のドレッシングを使うなどの方法があります。魚や卵など、もともと脂質を含む食品と一緒に食べてもよいでしょう。ただし、吸収を高めたいからと油を多く使う必要はありません。揚げ物や脂質の多い料理が続くと、摂取エネルギーが増えやすくなります。体重、脂質異常症、胆のうや膵臓の病気などに配慮し、本人に合った量を選びます。

三食に分けて不足を補う

一食で多くの種類をそろえようとすると、調理する人の負担が大きくなります。朝食がパンと飲み物だけなら、ゆで卵やヨーグルト、果物を一品加えます。昼食が麺類だけなら、肉や卵、野菜を具として加えます。夕食には魚、肉、大豆製品などの主菜と、色の異なる野菜を組み合わせます。毎食を完璧にする必要はなく、一日から数日単位で食品の偏りを見直す方法でもかまいません。食事記録や買い物のレシートを確認すると、魚や野菜、乳製品など、取る機会が少ない食品に気づきやすくなります。

冷凍野菜や市販品も活用する

新鮮な食材を毎日調理できなくても、ビタミンを取れないわけではありません。冷凍野菜、カット野菜、野菜や魚の缶詰、乾燥きのこなども、食事を整えるために利用できます。冷凍野菜は必要な量だけ使いやすく、食品を無駄にしにくい利点があります。カット野菜は、洗浄や保存の過程で一部の栄養素が減る可能性はありますが、野菜を食べない状態より、食卓へ取り入れることを優先してよいでしょう。市販品を使うときは、食塩相当量や一包装当たりの量を確認し、汁物や漬物など塩分の多い料理が重ならないようにします。

サプリメントは食事の代わりにしない

ビタミンを含むサプリメントは、食品より簡単に特定成分を多量に取れるため、複数の製品を併用すると過剰摂取につながることがあります。特にビタミンAやDなどの脂溶性ビタミンは、自己判断で高用量を長く続けないことが大切です。健康食品は、病気の治療薬や多様な食事の代わりにはなりません。医師から不足を指摘され、補充を勧められた場合は、指示された製品と量を守ります。ワルファリンを服用している人では、ビタミンKを多く含む納豆、青汁などが薬の作用に影響するため、医師や薬剤師の指示に従ってください。

食事だけで改善しにくい場合は相談する

食欲低下や体重減少が続く、下痢や嘔吐を繰り返す、胃や腸の手術を受けたことがある場合は、食べていてもビタミンを十分に吸収できない可能性があります。強い疲労感、口内炎、舌の痛み、手足のしびれ、歩きにくさなどが続く場合も、ビタミン不足だけと決めつけず医療機関へ相談しましょう。急な意識の変化、呼吸困難、強い胸の痛みがある場合は、食事で様子を見ず、速やかな医療対応が必要です。効率のよいビタミン摂取は、特別な食べ合わせに頼ることではありません。食品の種類、調理法、食事量を本人の体調に合わせ、続けられる形に整えることが基本です。

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