記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2026/6/30
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
心房細動は、心臓の上部にある心房が細かく震えるように動き、脈が不規則になる不整脈です。動悸、胸の違和感、息切れ、疲れやすさ、めまいなどが現れることがありますが、自覚症状がない人もいます。発作が短時間で治まる場合もあり、診察時には脈が正常に戻っていることがあります。症状がないから問題がないとは限らず、健診や家庭での血圧測定をきっかけに見つかることもあります。心房細動が疑われる場合は、心電図などで確認する必要があります。脈の乱れだけで家庭で診断せず、気づいた状況を医療機関へ伝えることが大切です。
脈を確認するときは、運動や入浴の直後を避け、椅子に座って少し休みます。手のひらを上に向け、反対の手の人さし指、中指、薬指を手首の親指側に軽く当てます。脈を強く押さえると分かりにくくなるため、触れる程度の力で確認します。一定の間隔で打っているか、速さが急に変わらないか、脈が抜けるように感じないかを見ます。測った日時、安静時か活動後か、動悸や息切れがあったかを記録してください。家庭用血圧計や腕時計型機器の表示は気づきの手がかりになりますが、心房細動を確定するものではありません。
医療機関では、通常の心電図のほか、長時間記録する携帯型心電図などを使い、発作時の脈を確認することがあります。受診時には、症状が始まった時刻、続いた時間、脈の速さや乱れ、胸部症状、失神の有無を伝えます。カフェインや飲酒、睡眠不足の後に起こりやすいかも記録しておくと参考になります。甲状腺の病気、心臓弁膜症、高血圧などが関係する場合もあるため、血液検査や心臓超音波検査が行われることがあります。発作が治まっていても、繰り返す場合や症状が強い場合は受診を先延ばしにしないようにします。
心房細動があると、心房の中で血液の流れが滞り、血の塊ができることがあります。その血の塊が脳の血管へ流れると、脳梗塞を起こす可能性があります。脳梗塞の予防には、年齢、高血圧、糖尿病、心不全、過去の脳梗塞などを踏まえ、抗凝固薬が使われることがあります。ただし、必要性や薬の種類は出血の危険性も含めて医師が判断します。家族と同じ薬を飲む、家庭にある薬を追加する、症状がないため処方薬を中止するといった自己判断は避けてください。定期的な診察と検査を受け、効果と副作用を確認することが重要です。
心房細動の管理では、血圧、血糖、体重などを適切に管理し、過度の飲酒を避けることが大切です。睡眠中の呼吸が止まる睡眠時無呼吸症候群が関係する場合もあるため、大きないびきや日中の強い眠気がある人は相談します。運動は心身の健康に役立ちますが、動悸や息切れがある状態で無理をしないでください。医師から運動の制限を受けている人は指示に従います。体調が変わったときは、処方薬、市販薬、健康食品を含めて使用しているものを医師や薬剤師へ伝え、飲み合わせも確認します。
脈の乱れとともに強い胸痛、冷汗、呼吸困難、意識を失う状態がある場合は、救急要請を検討します。顔の片側が下がる、片方の腕に力が入らない、ろれつが回らない、言葉を理解できないといった症状も、脳卒中のサインです。症状が短時間で消えても、速やかに医療機関へつなげます。本人に自動車を運転させず、症状が始まった時刻を記録してください。心房細動は、自覚症状の強さだけでは状態を判断できません。日頃から脈や体調に関心を持ち、異常を感じたときは心電図による確認を受けることが、適切な治療と合併症の予防につながります。