記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2026/8/12
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
朝は時間に余裕がなく、飲み物だけで済ませたり、何も食べずに外出したりする人もいます。朝食を毎日必ず同じ内容で食べなければならないわけではありませんが、欠食が習慣になると、昼食までの空腹が強くなったり、その後の食事量が増えたりすることがあります。厚生労働省の健康づくりに関する情報でも、肥満の予防や改善では、食事量だけでなく欠食や食事時間など食事のリズムを見直すことが重要とされています。農林水産省の食育施策でも、朝食を含めた規則的な食習慣は継続して取り組む課題の一つに位置づけられています。朝食を抜くことだけを健康状態の原因と決めつける必要はありませんが、昼食や夕食を急いで多く食べる、夜遅くまで間食するなどの習慣が重なっている場合には、一日の食事の流れを振り返ってみましょう。
朝食というと、ごはん、みそ汁、魚、野菜などをそろえる必要があると考えることがあります。しかし、これまで朝に何も食べていなかった人が、突然多くの料理を準備するのは負担になりやすいでしょう。まずは、自分が無理なく食べられる量から始めます。パンと牛乳、バナナとヨーグルト、おにぎりと卵など、準備しやすい食品を二つ程度組み合わせる方法もあります。朝に食欲がわかない場合は、夕食や夜食の時間が遅くなっていないか確認することも一つの方法です。ただし、交代勤務などで一般的な朝が活動開始の時間ではない人は、時計の時刻だけに合わせる必要はありません。起きてから活動を始める時間を基準として、生活に合う食事のタイミングを考えます。毎日続けることを優先し、朝食の形を一つに固定しないことがポイントです。
朝食をとり始めても、それだけで食生活全体が整うわけではありません。昼食が菓子パンだけ、夕食が深夜に集中するといった状態であれば、一日の中で栄養や食事量が偏る場合があります。食生活を見直すときは、朝食だけを評価するのではなく、どの時間帯にどのくらい食べているかを確認しましょう。朝に十分な量を食べられない人は、軽めの朝食にして昼食で主菜や副菜を補うこともできます。反対に、朝食後すぐに昼食をとる生活であれば、朝の量を少なく調整する方法もあります。健康づくりでは、その人の体格、活動量、勤務時間などに合わせて食事量を考える必要があります。他人の食事例をそのまま取り入れるのではなく、自分の日程の中で欠食や食事の集中が起きていないかを見ると、改善点を見つけやすくなります。
朝に食べられない理由は、単なる習慣だけとは限りません。夜勤や残業による生活時間のずれ、睡眠不足、朝の吐き気、胃の不快感、薬の影響などが関係することもあります。特に、以前は問題なく食べていたのに急に朝食がとれなくなった場合や、朝だけでなく一日を通して食欲が低下している場合には、生活習慣だけの問題と判断しないようにします。また、体重を減らす目的で朝食を抜く人もいますが、極端な食事制限を続けることは栄養不足につながる可能性があります。食事を減らす必要がある場合でも、特定の一食を機械的に抜くのではなく、一日の摂取量や食事内容を調整する考え方が基本です。治療中の病気があり、食事時間について医師から指示を受けている人は、その方針を優先してください。
朝食を抜く日が時々あるだけで、直ちに医療上の問題になるとは限りません。一方、朝になると強い吐き気や腹痛が続く、食べると症状が悪化する、一日を通して食事量が減っている、意図しない体重減少が続いている場合は、食事のリズムだけで対応せず医療機関へ相談しましょう。強い腹痛、繰り返す嘔吐、意識の異常などが急に現れた場合には、早めの医療対応が必要です。食事の習慣を変える際は、最初から完璧な朝食を目標にする必要はありません。起床後に何か食べられる環境をつくる、前日に準備しておく、夜遅い食事を見直すなど、自分の生活で実行しやすい部分から始めましょう。朝食そのものより、一日を通した食事のリズムを無理なく整えていく視点が重要です。