記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2026/8/12
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
食物アレルギーは、特定の食品に含まれる成分に対して免疫反応が起こり、身体に症状が現れる状態です。症状にはじんましんなどの皮膚症状だけでなく、腹痛や嘔吐、せき、呼吸器症状などがあり、複数の臓器に症状が及ぶアナフィラキシーが起こることもあります。本人が食べたくないという好き嫌いや、乳糖不耐症など消化の問題とは仕組みが異なります。原因となる食品や食べられる量には個人差があるため、家族や知人に同じアレルギーがあるからといって、自分も同じ食品を除去する必要はありません。症状が出た経験がある場合は、自己判断で広い範囲の食品を禁止する前に医療機関へ相談し、原因を確認することが大切です。必要以上の除去は食べられる食品の種類を狭め、栄養面や生活上の負担につながることがあります。
容器包装された加工食品では、食品表示制度に基づいてアレルゲンに関する表示が行われています。制度は変更されることがあり、消費者庁では2023年にくるみ、2026年4月にはカシューナッツを特定原材料へ追加するなど、対象食品の見直しを行っています。そのため、以前覚えた対象品目だけを頼りにせず、最新の表示を確認することが大切です。また、同じ商品名でも原材料が変更される場合があります。以前食べて問題がなかった商品でも、購入するたびに原材料表示を確認する習慣をつけると誤食予防につながります。家族が購入する場合も、本人だけに確認を任せず、どの食品を避ける必要があるのか情報を共有しておきましょう。表示の意味が分からない場合には、製造者へ確認する方法もあります。
外食や対面販売の総菜などでは、包装された加工食品と同じ形でアレルギー表示が義務付けられていない場面があります。消費者庁は外食や中食における食物アレルギーの情報提供について調査を行っていますが、店舗によって情報提供の方法は異なります。そのため、メニューにアレルゲン表示が見当たらないから含まれていないと判断することは避けましょう。注文する際には、原因食品を具体的に伝え、使用している原材料や調理方法を確認します。ただし、厨房では同じ調理器具や油を使用することで微量の食品が混入する可能性があります。重い症状を起こした経験がある人では、店舗側が完全な除去を保証できない場合もあるため、自分の医師から示された注意事項に基づいて判断することが重要です。
食物アレルギーには、原因食品を食べただけでは症状が出ず、その後に運動することで症状が起こる食物依存性運動誘発アナフィラキシーというタイプがあります。アレルギーポータルでは、原因食物を摂取した後の運動が組み合わさることで症状が現れ、小麦や甲殻類などが原因になることがあると説明されています。また、花粉症と関連し、生の果物や野菜を食べたときに口の中のかゆみや腫れなどが起こるタイプもあります。症状の出方は一人ひとり異なるため、食後に症状が出たからといって自己判断で原因を決めることは避けましょう。何を食べたか、食後に運動したか、症状がいつ現れたかなどを記録しておくと、受診時に状況を伝える助けになります。
原因食品を食べた後に皮膚症状だけでなく、呼吸が苦しい、声が出しにくい、繰り返し嘔吐する、ぐったりする、意識状態が悪くなるなどの症状が現れた場合には、アナフィラキシーを考えて速やかな対応が必要です。アドレナリン自己注射薬を処方されている人は、医師から説明された使用方法と緊急時の行動を本人だけでなく家族や周囲の人とも共有しておきましょう。症状が軽かった経験があっても、次回も同じ程度とは限りません。食物アレルギーの食事管理では、危険を避けることと同時に、必要以上に食べられる食品を減らさないことも重要です。正確な診断と必要最小限の除去を基本にし、表示の確認と周囲への情報共有によって安全な食生活を支えていきましょう。