歯ぐきから出血するときに見直したい口腔ケア

2026/8/15

山本 康博 先生

記事監修医師

MYメディカルクリニック横浜みなとみらい
東京大学医学部卒 医学博士
日本呼吸器学会認定呼吸器専門医
日本内科学会認定総合内科専門医
人間ドック学会認定医
難病指定医
Member of American College of Physicians

山本 康博 先生

歯ぐきの出血は口の状態を確認するきっかけになる

歯を磨いたときに歯ぐきから血が出ても、強く磨いたためだろうと考えて、そのままにすることがあります。確かに一時的な刺激で出血する場合もありますが、歯ぐきの炎症によって出血しやすくなっている可能性もあります。歯周病は、歯の周囲に付着する歯垢に含まれる細菌などが関係し、歯ぐきに炎症が起こる病気です。進行すると歯を支える組織に影響することがありますが、初期には自覚症状が乏しい場合もあります。厚生労働省のe-ヘルスネットでは、歯ぐきの腫れや出血などが歯周病でみられる症状として紹介されています。痛くないから問題ないと判断せず、歯磨きの際に歯ぐきや歯の状態にも目を向けましょう。

歯ブラシだけでは届きにくい場所もある

歯垢は、歯と歯ぐきの境目や歯と歯の間などに残りやすくなります。毎日歯を磨いていても、歯ブラシが十分に届いていなければ汚れが残ることがあります。歯磨きでは、力を入れすぎて大きく動かすのではなく、歯と歯ぐきの境目を意識して丁寧に磨きます。歯間ブラシやデンタルフロスなどを利用すると、歯ブラシだけでは清掃しにくい歯と歯の間をケアできます。ただし、歯間の広さや歯並びによって適した器具は異なります。無理に大きな歯間ブラシを入れたり、出血する部分を強くこすったりせず、歯科医師や歯科衛生士から自分に合った使い方を教えてもらう方法もあります。毎日のセルフケアと歯科での確認を組み合わせることが大切です。

喫煙など生活習慣との関係にも目を向ける

口の健康は歯磨きだけで決まるものではありません。喫煙は歯周病と関係する要因の一つです。厚生労働省のe-ヘルスネットでは、喫煙によって歯ぐきの血流が低下し、歯周病が進行しやすくなることなどが説明されています。また、喫煙している人では歯ぐきの出血や腫れが目立ちにくい場合があるため、症状がないことだけで状態を判断しないことが大切です。食生活や睡眠なども含め、身体全体の健康管理と口腔ケアを分けて考えないようにしましょう。家族の介助をしている場合は、歯磨きができているかだけでなく、口臭が急に強くなった、食べにくそうにしている、歯ぐきが腫れているなどの変化を確認することも役立ちます。

出血が続く場合は歯科で原因を確認する

歯ぐきからの出血が続く場合、セルフケアだけで改善させようとせず歯科医療機関へ相談しましょう。歯周病が進行すると、歯石の除去など自分ではできない処置が必要になる場合があります。また、出血の原因がすべて歯周病とは限りません。口の中の傷、薬の影響、全身の病気などが関係している可能性もあるため、症状が続く場合は原因を確認することが大切です。歯がぐらつく、歯ぐきが大きく腫れる、膿が出る、噛むと強く痛むなどの場合は早めに歯科を受診しましょう。顔まで腫れてくる、高熱が出る、飲み込みや呼吸が難しくなるといった急激な変化がある場合には、速やかな医療相談が必要です。

症状がないときも定期的に口の状態を確認する

歯周病は、自覚症状が目立たないまま進むことがあります。そのため、歯ぐきから血が出なくなれば必ず問題が解決したとは限りません。毎日の歯磨きでは、歯ぐきの色や腫れ、出血、口臭などを確認し、定期的に歯科で口の状態を確認することが大切です。歯科受診の間隔は口の状態によって異なるため、一律の頻度にこだわる必要はありません。治療中の病気や服用している薬がある場合には、歯科受診時に伝えましょう。歯や歯ぐきの健康は、食事を楽しみ、話すといった日常生活とも深く関わります。痛みが出てから対応するだけでなく、普段から口腔ケアを生活の一部として続けることが重要です。

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