子どもの目やにと充血で考える結膜炎と家庭での対応

2026/9/7

山本 康博 先生

記事監修医師

MYメディカルクリニック横浜みなとみらい
東京大学医学部卒 医学博士
日本呼吸器学会認定呼吸器専門医
日本内科学会認定総合内科専門医
人間ドック学会認定医
難病指定医
Member of American College of Physicians

山本 康博 先生

目やにや充血にはさまざまな原因がある

朝起きた子どもの目に目やにが多くついていたり、白目が赤くなっていたりすると、結膜炎を心配することがあります。結膜はまぶたの裏側と白目の表面を覆う薄い膜で、ウイルスや細菌、アレルギーなどによって炎症が起こると、充血、目やに、涙、かゆみなどの症状が現れることがあります。

目やにがあるからといって、すべて感染性の結膜炎とは限りません。花粉やハウスダストなどによるアレルギー性結膜炎では、強いかゆみを伴うことがあります。また、乳幼児では鼻水が多い時期などに目やにが目立つこともあります。

一方、日本眼科学会では、ウイルス性結膜炎のうち人へ感染しやすいものとして、流行性角結膜炎、咽頭結膜熱、急性出血性結膜炎を挙げています。流行性角結膜炎では、急な強い充血、大量の目やに、まぶたの腫れなどがみられることがあります。

家庭だけで原因を正確に区別することは難しいため、症状が強い場合や感染症が疑われる場合は眼科などで確認することが大切です。

感染性が疑われるときはタオルや手指からの広がりに注意する

アデノウイルスによる流行性角結膜炎などは、患者の目に触れた手指や、汚染された物を介して感染が広がることがあります。国立感染症研究所の情報でも、アデノウイルスの眼感染症では、手指やタオルなどを介した接触による感染が重要とされています。

子どもに目やにや充血がある場合は、目を触った後に手をよく洗うよう促します。まだ自分で手洗いが十分にできない年齢では、大人が手伝いましょう。家族で顔拭き用のタオルを共用することは避け、枕カバーなど目の周辺に触れるものも清潔に保ちます。

目やにを拭くときは、清潔なガーゼやティッシュなどを使用し、使用後はそのまま捨てます。両目に症状がある場合も、一方を拭いたものでもう一方を繰り返し拭かないようにするとよいでしょう。処置をした大人も、その後に手洗いを行います。

市販の目薬を家族で共用することは避けてください。以前ほかの人に処方された目薬を使うことも適切ではありません。原因によって治療が異なり、容器の先端がまつげなどへ触れることで汚染する可能性もあります。

登園や登校については病名と医師の判断を確認する

子どもに感染性の結膜炎が疑われると、保育園や学校へ行ってよいか迷うことがあります。結膜炎にはさまざまな種類があり、登園や登校についての扱いも病名によって異なります。

特に流行性角結膜炎は感染力が強く、学校保健上も感染拡大に注意が必要な疾患です。咽頭結膜熱についても、学校保健安全法に基づく出席停止の基準があります。家庭で「目が赤いだけ」と判断して登園や登校を続けるのではなく、医療機関で診断を受けた場合は、医師や施設、学校の指示を確認してください。

感染を広げないためには、症状のある本人だけでなく家族全体で手洗いを徹底することが大切です。子どもが無意識に目をこする場合は、爪を短く整えておくことも皮膚や目への傷を防ぐ方法になります。

コンタクトレンズを使用する年齢の子どもで充血や痛みが出た場合は、レンズの使用を中止して眼科へ相談します。感染や角膜の障害がある状態で装用を続けると、症状が悪化する場合があります。

目の痛みや見えにくさがある場合は早めに眼科へ相談する

軽い充血や目やにだけでなく、強い目の痛み、まぶしさ、見えにくさなどがある場合は、単純な結膜炎だけではない可能性があります。角膜まで炎症が及んでいる場合や、別の眼疾患が隠れている場合があるため、早めに眼科を受診しましょう。

日本眼科学会では、流行性角結膜炎で角膜に炎症が起こることがあり、異物感や眼痛などが現れることを説明しています。子どもでは症状をうまく言葉にできないことがあるため、片目を開けたがらない、光を嫌がる、物を見るときの様子がおかしいといった行動にも注意します。

まぶたが大きく腫れて目を開けられない、発熱とともに目の周囲の赤みや腫れが広がる、目をけがしたあとに充血が強いといった場合も医療機関へ相談してください。

症状が軽そうに見えても、目やにや充血が何日も改善しない場合や、家族や園内で同様の症状が広がっている場合は診断を受けることが望まれます。自己判断で抗菌薬の点眼を使うのではなく、原因に応じた治療を受けましょう。

おわりに 目を清潔に保ち感染が疑われる場合は広がりを防ぐ

子どもの目やにや充血には、ウイルス、細菌、アレルギーなどさまざまな原因があります。目の周囲を清潔にし、手洗いを行うことは基本的なケアですが、原因を家庭だけで判断することはできません。

強い充血、大量の目やに、痛み、見えにくさなどがある場合には眼科へ相談しましょう。感染性の結膜炎と診断された場合は、タオルの共用を避け、手洗いを徹底し、登園や登校について医師や施設の指示を確認することが大切です。

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