記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2026/9/12
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
子どもが眠っているときにいびきをかいていても、風邪で鼻が詰まったときなど一時的なものであれば、症状の改善とともに軽くなることがあります。一方、風邪をひいていないときにも毎晩のように大きないびきをかく場合は、睡眠中の呼吸状態を確認したほうがよいことがあります。
睡眠中に空気の通り道が狭くなり、呼吸が弱くなったり一時的に止まったりする状態を睡眠時無呼吸と呼びます。国立成育医療研究センターでは、小児の睡眠時無呼吸で、いびき、無呼吸、呼吸時の胸のへこみ、夜中に何度も起きるなどの症状がみられると説明しています。
大人の睡眠時無呼吸では日中の強い眠気が注目されますが、子どもでは眠気だけではなく、落ち着きがない、集中しにくい、朝なかなか起きられないなどの形で現れることもあります。いびきそのものの大きさだけでなく、夜間と日中の様子を合わせて確認することが大切です。
子どもの閉塞性睡眠時無呼吸では、のどにある口蓋扁桃や、鼻の奥にあるアデノイドが大きいことが原因となる場合があります。これらの組織が大きくなると、眠って筋肉が緩んだ際に空気の通り道が狭くなり、いびきや呼吸停止につながることがあります。
国立成育医療研究センターでも、小児の閉塞性睡眠時無呼吸の原因として口蓋扁桃肥大やアデノイド肥大が多いとしています。一方、顎や顔の骨格、筋肉の緊張、神経系の病気などが関係する場合もあり、原因は一つとは限りません。
鼻炎で鼻づまりが続いている子どもでは、口を開けて眠ることがあります。アレルギー性鼻炎などを治療することで睡眠中の呼吸が改善するケースもありますが、強いいびきや無呼吸が続いている場合は鼻づまりだけと判断しないことが大切です。
家庭では、いびきが毎日あるか、どのくらい大きいか、息が止まって見える時間があるか、胸やみぞおちが大きくへこみながら呼吸していないかなどを観察します。
いびきや無呼吸は、医療機関の診察室では確認できない症状です。そのため、家庭での睡眠状態が診断の重要な情報となります。国立成育医療研究センターでは、小児の睡眠時無呼吸の評価に際し、自宅で睡眠中のいびきや無呼吸、陥没呼吸などを動画で記録し、受診時に持参する方法を紹介しています。
動画を撮影する場合は、呼吸音だけでなく胸やおなかの動きが分かるようにすると状態を伝えやすくなります。ただし、撮影するために子どもを起こしたり、長時間観察し続けたりする必要はありません。安全な範囲で記録しましょう。
診療では、症状や診察結果に応じて鼻やのどの状態を確認したり、睡眠中の呼吸、脈拍、血中酸素の状態などを調べる検査が行われることがあります。必要な検査は年齢や症状の程度によって異なります。
日中についても、朝起きにくい、授業中に集中しづらい、昼間に眠そうにする、機嫌が不安定になるなどの変化がないか記録しておくとよいでしょう。
風邪が治ったあとも強いいびきが長く続く場合や、睡眠中に何度も呼吸が止まって見える場合は、耳鼻咽喉科や小児科へ相談してください。胸がへこむほど努力して呼吸している、何度も目を覚ます、睡眠中に苦しそうな様子がある場合も受診の目安になります。
睡眠時無呼吸が続くと、十分な睡眠が妨げられるほか、成長や日中の行動、学習などへ影響する場合があります。国立成育医療研究センターでも、睡眠時無呼吸が日中の眠気や集中力低下などに関連することを説明しています。
治療は原因や重症度によって異なります。口蓋扁桃やアデノイドによる強い閉塞がある場合には手術が検討されることがありますが、すべてのいびきに手術が必要なわけではありません。鼻の病気の治療や経過観察などが選択されることもあります。
睡眠中に明らかに呼吸ができず唇の色が紫になる、呼びかけへの反応がおかしいなどの状態では、通常の外来受診を待たず救急要請を検討してください。
子どものいびきは鼻かぜなどで一時的に起こることもありますが、毎晩続く大きないびきや繰り返す無呼吸は、睡眠中の空気の通り道が狭くなっているサインである場合があります。
いびきの頻度、呼吸停止、胸の動き、寝返り、夜間の目覚めなどを観察するとともに、朝の目覚めや日中の集中力なども確認しましょう。症状が続く場合は、睡眠時の短い動画なども活用して医療機関へ相談することが、原因を確認する手がかりになります。