記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2026/9/15
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
果物には、ビタミンCやカリウム、食物繊維などが含まれています。甘みがあるため糖質だけに注目されることもありますが、菓子類や砂糖入り飲料と同じように考える食品ではありません。
厚生労働省の健康日本21アクション支援システムでは、健康日本21第三次の目標として、果物を1日200g摂ることが示されています。果物200gは、中くらいのりんごで1個、みかんで2個程度が一つの目安です。これは健康な成人における目標であり、治療中の病気や食事制限がある場合には個別の調整が必要です。
高齢者では一度に多く食べることが負担になることもあります。朝食に少量、午後の間食に少量というように、生活の中へ無理なく取り入れる方法があります。
果物を食生活に加えるとき、普段の食事にそのまま追加すると、一日の食事量やエネルギー量が増える場合があります。間食で菓子類を頻繁に食べている人は、その一部を果物に置き換えると取り入れやすくなります。
例えば、午後に洋菓子を毎日食べている場合、そのうち何日かをみかんやキウイフルーツなどに変える方法があります。ヨーグルトと果物を組み合わせれば、乳製品も一緒に摂ることができます。
ただし、食事量が少なく体重が減っている高齢者では、菓子を一律に減らせばよいとは限りません。本人にとって間食が重要なエネルギー補給になっている場合もあるため、体重や食事量を見ながら考えます。
果物だけで空腹を満たして夕食が食べられなくなる人では、食べる時間や一回量を調整するとよいでしょう。
果物を手軽に摂る目的で、果汁飲料やジュースを利用することがあります。しかし、果物そのものとジュースでは食べ方や含まれる食物繊維などに違いがあります。
厚生労働省の情報では、果物はジュースや加工食品よりも生のまま食べることが勧められています。ジュースでは食物繊維が少なくなる場合があり、加糖された製品では糖質の摂取量が増える可能性があります。シロップ漬けの缶詰についても糖質量に注意が必要です。
果物をそのまま食べることが難しい人は、小さく切る、軟らかい種類を選ぶ、加熱してコンポート状にするなどの方法があります。この場合も砂糖を大量に加える必要はありません。
噛みにくさや飲み込みにくさがある場合は、ジュースにすれば必ず安全というわけではありません。液体でむせる人もいるため、食べ方について専門職から指導を受けている場合はその内容を優先します。
果物は健康的な食生活に取り入れられる食品ですが、糖質も含まれています。そのため、糖尿病がある人では、一度に大量に食べたり、果物に加えてジュースやシロップ漬けの果物を多く摂ったりすると、血糖管理に影響することがあります。
厚生労働省の情報でも、糖尿病がある人については、シロップ漬けの果物やドライフルーツの摂取を少量にとどめることが紹介されています。
糖尿病だから果物をすべて禁止する必要があるとは限りません。食事療法の内容は、薬の種類、血糖値、活動量などによって異なります。医師や管理栄養士から一日の果物量について指示を受けている場合は、その量を優先してください。
糖質を控えるために果物をやめ、その代わりに菓子や甘い飲料を摂っていては食事改善にはつながりにくくなります。一日の間食をまとめて確認することが大切です。
果物の多くにはカリウムが含まれています。健康な人では、カリウムは食事から摂りたいミネラルの一つですが、腎機能が低下している人では、身体から十分に排泄できず血液中のカリウム濃度が高くなることがあります。
慢性腎臓病などでカリウム制限を指示されている場合は、一般向けの「果物を増やす」という情報をそのまま取り入れないようにします。食べられる種類や量について、主治医や管理栄養士へ確認してください。
特に、果物を何種類も一度に食べたり、果物に加えて野菜ジュースなどを毎日大量に摂ったりすると、本人が予想している以上にカリウムの摂取量が増える場合があります。
食事制限は腎機能や治療内容によって異なります。家族が食事を用意する場合も、病名だけをもとに独自の制限を始めず、本人が受けている具体的な指示を共有することが大切です。
高齢者では、りんごなど硬い果物が食べにくくなることがあります。歯や義歯の状態に合わせて薄く切る、すりおろす、軟らかく加熱するなどの工夫があります。バナナや熟した果物など、比較的軟らかいものを選ぶ方法もあります。
一方、食べやすいからと同じ果物だけを毎日大量に食べる必要はありません。季節や好みに合わせて種類を変えることで、食生活にも変化をつけられます。
切った果物は長時間室温に置かず、清潔な器具で扱って適切に保存します。本人が一人暮らしの場合は、食べ切れる量を購入する、小分けされた商品を利用するなど、食品を無駄にしにくい方法を選ぶことも役立ちます。
果物を食べた後に口や喉が急に腫れる、息苦しさが出る、全身にじんましんが広がるなどの症状がある場合は、食物アレルギーによる重い反応も考えられるため、速やかな医療対応が必要です。
果物は特別な健康食品として大量に食べるのではなく、日々の食事や間食の中へ適量を取り入れることが基本です。