記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2026/10/15
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
健康診断などで腎臓の機能が低下していると指摘されると、食事の内容を見直したほうがよいのか気になることがあります。
慢性腎臓病は、腎臓の働きが低下した状態や、尿たんぱくなどの腎障害を示す所見が一定期間続いている状態を指します。英語の頭文字をとってCKDとも呼ばれます。
腎臓には、体内の老廃物を尿として排泄したり、水分や電解質のバランスを調整したりする働きがあります。腎臓の機能が低下すると、老廃物やカリウムなどが体内に蓄積しやすくなる場合があります。そのため、病気の状態によっては、食事から摂取するたんぱく質や食塩、カリウムなどの量を調整することがあります。
ただし、慢性腎臓病と診断された人すべてに、同じ食事制限が必要なわけではありません。腎機能の程度や血液検査の結果、年齢、栄養状態などによって、適切な食事内容は異なります。自己判断で食品を制限するのではなく、主治医や管理栄養士の指示に基づいて食生活を整えましょう。
たんぱく質は、筋肉や臓器などを構成する重要な栄養素です。肉、魚、卵、大豆製品、乳製品などに多く含まれています。
一方、たんぱく質を体内で利用する過程では、老廃物がつくられます。腎機能が低下している人では、病状によってたんぱく質の摂取量を調整することがあります。
ただし、たんぱく質を減らしすぎると、筋肉量や体力が低下する可能性があります。特に高齢者では、低栄養やフレイルのリスクにも注意が必要です。
日本腎臓学会のガイドラインでも、腎臓病の治療において、栄養状態を考慮した個別の管理が重要とされています。食事療法を受けている場合は、指示された摂取量を確認し、その範囲で必要な栄養を補うことが大切です。
また、透析治療を受けている人では、透析を受けていない人とたんぱく質の必要量が異なる場合があります。病名だけで食事内容を判断せず、現在の治療状況に合わせて考えましょう。
カリウムは、筋肉や神経の働き、体内の水分バランスなどに関係するミネラルです。野菜、果物、いも類、豆類など、さまざまな食品に含まれています。
腎臓の機能が大きく低下すると、カリウムを十分に排泄できず、血液中のカリウム濃度が高くなることがあります。この状態は高カリウム血症と呼ばれ、不整脈などにつながる場合があります。
ただし、慢性腎臓病の人が全員、野菜や果物を制限しなければならないわけではありません。血液中のカリウム値や使用している薬、腎機能の状態などによって、制限の必要性は異なります。
カリウム制限を指示されている場合は、食品の選び方や調理方法について、管理栄養士に確認しましょう。また、カリウムを多く含む塩分代替品などにも注意が必要な場合があります。
健康によいとされる食品であっても、病状に適しているとは限らないため、個別の確認が大切です。
慢性腎臓病では、食塩の摂取量を適切に管理することも重要です。食塩をとりすぎると、血圧の上昇やむくみなどに関係する場合があります。そのため、料理の味付けを調整したり、加工食品の食塩相当量を確認したりするとよいでしょう。
ただし、塩分を減らすことだけに注目して、食事量そのものが減らないよう注意が必要です。特に、たんぱく質の摂取量を調整している人では、主食や油脂なども含めて、必要なエネルギーを確保することが大切です。
エネルギーが不足すると、体内の筋肉などが分解され、栄養状態が悪化することがあります。毎日の食事では、体重や食欲の変化を確認しながら、病状に合った献立を考えましょう。
腎臓の病気がある人では、食事内容だけでなく、体調の変化にも注意が必要です。例えば、むくみが急に強くなった、尿量が大きく減った、食欲が著しく低下したといった場合は、医療機関へ相談しましょう。
また、高カリウム血症では、症状がはっきり現れない場合もあります。血液検査で異常を指摘された場合は、自己判断で食事だけを変更せず、医師の指示に従ってください。
急激な呼吸困難、強い胸の不快感、意識障害などがある場合は、速やかな救急対応が必要です。
慢性腎臓病の食事では、たんぱく質、カリウム、食塩などの摂取量を調整する場合があります。ただし、必要な制限は腎機能や検査結果によって異なります。
食品を過度に避けると、栄養不足につながることもあるため注意しましょう。主治医や管理栄養士と相談しながら、必要な栄養を確保できる食生活を整えることが大切です。