記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2017/5/15 記事改定日: 2018/11/2
記事改定回数:2回
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
インフルエンザを発症すると、38度以上の高熱や関節痛だけでなく、筋肉痛や頭痛といった不快な症状がしばらく続きます。一度でも感染したことがある人が「もう二度と感染したくない!」と言っているのを聞いたことがある人もいるのではないでしょうか。この記事では、インフルエンザの予防に役立つことをまとめています。一度感染したことがある人も、そうでない人も、この記事を参考にして感染を予防しましょう!
インフルエンザを予防するには、インフルエンザの予防接種を受けるのが最も効果的です。
インフルエンザの予防接種は、生後6カ月以降であれば基本的に誰でも(妊娠中もしくは授乳中の女性でも)受けることができます。インフルエンザワクチンは、接種してから2週間で効きはじめ、効果は5カ月間ほど持続します。インフルエンザの流行時期は12月~3月ですので、10月から遅くとも11月中旬ごろまでには接種を終えておくのが理想的です。
特に65歳以上の高齢者や心臓や肺に慢性疾患がある方、気管支喘息を持つ子供など、インフルエンザが重症化したり、肺炎をはじめとする合併症を引き起こす可能性の高い人は、できる限り接種しておくのが望ましいです。
ただし、以下にあてはまる方は、接種する前に医師と相談したほうがよいでしょう。
インフルエンザが流行し始めたら、普段からインフルエンザウイルスの侵入をできる限り抑えるよう心がけることが大切です。日常生活で心がけたい予防法として、手洗いを徹底することが挙げられます。
手をきちんと洗うことで、手に付着したウイルスを洗い流すことができます。外出から帰ってきたときはもちろん、食事の前やトイレの後、くしゃみ・咳をした後、動物を触った後、電気のスイッチやドアノブなど、不特定多数の人が触るものに触れた後は必ず手を洗うようにしましょう。
以下に、正しい手の洗い方をご紹介します。手洗いは、約20~30秒ぐらい時間をかけると、ウイルスや細菌を洗い流すことができます。
手を洗うのが難しい場合は、アルコール消毒でも構いません。
インフルエンザの流行期に入ったら、人が多い場所にはなるべく近づかないようにしましょう。というのも、インフルエンザは、感染した人の咳やくしゃみなどに含まれるウイルスを吸い込むことで感染するためです。どうしても人の多いところに行かなければならない場合は、マスクを着用しましょう(マスクには、ある程度飛沫感染を防ぐ効果があると考えられています)。
咳やくしゃみをするときはティッシュを使いましょう。ハンカチに咳やくしゃみをしてしまうと、ハンカチを使うたびにウイルスや細菌が手に付着する恐れがあります。ティッシュがない場合は、手のひらではなく、肘の内側で口元をおさえてください。
使ったティッシュは、テーブルなどに置きっぱなしにせず、すぐに捨てるようにしましょう。
空気が乾燥すると、インフルエンザにかかりやすくなります。これは、乾燥するとのどや鼻の粘膜の防御機能が低下するためです。室内で過ごすときは、加湿器などを使って適度な湿度(50~60%) を保つようにしましょう。
身体の抵抗力が下がってしまうと、インフルエンザウイルスに感染しやすくなると言われています。そのためには、栄養バランスの取れた食事を摂るとともに、睡眠をたっぷりとることが大切です。
また、ウイルスは熱に弱いため、普段から体温を上げるようにすることも大切です。日ごろから温かい食べ物や飲み物を摂るようにしたり、定期的にウォーキングや水泳といった軽い運動をしたりして、体温を上げるよう心がけましょう。
粘膜はウイルスから身体を守ってくれる最初の壁です。ビタミン類や、カボチャやニンジンに含まれるカロテンには粘膜を強くする効果が、ハチミツには防御力を高める効果が期待されています。特にハチミツは、現代人に不足がちなカルシウムやカリウムをはじめ、免疫力を向上させることが期待される鉄分、ビタミンB6、ビタミンC、パントテン酸など、12種類のミネラルと10種類のビタミンが含まれています。
腸にはたくさんの菌が生息しており、、人体に対する影響から「善玉菌」「悪玉菌」腸内環境次第で変化する「日和見菌」の3種類に分類されることがあります。そして、これらの菌のバランスによって、免疫力が左右されるといわれています。
特に大切なのが、殺菌力の強い乳酸や酢酸を作る善玉菌で、善玉菌は、腸内を酸性にして、外から侵入してきたウイルスの増殖を抑えます。
善玉菌を増やすには、チーズ・ヨーグルト・納豆・漬物といった、乳酸菌が豊富な発酵食品を摂るのがおすすめです。
インフルエンザは主に飛沫感染と接触感染によって感染します。
飛沫感染とは、感染者の咳やくしゃみのしぶきに含まれるウイルスを他者が吸い込んでしまうことによって感染します。咳やくしゃみにしぶきは半径2mの範囲に飛散するため、近くにいる人は気づかぬうちに感染してしまう可能性があるのです。
一方、接触感染は、感染者から排出されたウイルスが付着したものを他者が触れ、その手についたウイルスを体内に取り込んでしまうことで感染するものです。
インフルエンザの感染を予防するには、この飛沫感染と接触感染の双方をしっかりとブロックする必要があります。マスクの着用は飛沫感染を予防する効果はありますが、接触感染を予防する効果はありません。接触感染を防ぐには、手洗いや手指消毒をこまめに行い、家族内に感染者がいる場合はドアノブや電気スイッチなど人の手が触れやすい部位を消毒することなどが必要です。
マスクを着用するだけでは予防効果は高くありませんので、その他の感染対策もしっかり行うようにしましょう。
インフルエンザを予防するためには、秋ごろ(10月から11月中旬頃まで)に予防接種を受けておくことが大切です。また、インフルエンザが流行し始めたら、人が多く集まる場所を避けたり、手洗いを徹底したりするとともに、食事や睡眠といった生活習慣を見直し、インフルエンザウイルスを寄せ付けないようにしましょう。
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