記事監修医師
前田 裕斗 先生
2017/5/30 記事改定日: 2018/7/5
記事改定回数:1回
記事監修医師
前田 裕斗 先生
産後うつ・育児うつとは、親になることへのプレッシャーや育児のストレスから起こるうつ症状です。ただ、体質的に産後うつ・育児うつになりやすい人もいます。
この記事では、産後うつと育児うつの対処を紹介していきます。いち早くトラブルを解決するために、いち早く困った状況を見つけるために必要な情報をそろえてますので、お母さんだけでなく、パートナーなどの家族も参考にしてください。
体力が回復しきっていない産後、ホルモンバランスも不安定な中で睡眠時間を削りながら赤ちゃんのお世話をすることで、多くのお母さんが経験するのがマタニティブルーです(特に新米ママはなりやすいといわれています)。
マタニティブルーになると、イライラや不安感、憂鬱などの感情が芽生えますが、これらは一般的な症状であり、多くの場合は産後数週間で自然となくなっていくものです。お母さんのホルモンバランスが戻れば、元気に赤ちゃんのお世話ができるようになります。
一方、産後うつ(PPD)はこれよりもはるかに長引きます。産後3ヵ月以内に発症しやすく、下記のような強烈なネガティブな感情や身体症状が継続します。
ごくまれに、産後精神病を発症してしまうお母さんもいます。産後精神病は産後うつよりはるかに重度のもので、母子両方を傷つける幻覚や妄想が症状に含まれます。
下記に該当する方は、産後うつのリスクが高いといわれています(該当しない方も発症する可能性はあります)。
産後うつや育児うつは出産経験のある女性の約10%が経験する病気であり、決して他人事ではありません。また、産後うつや育児うつは症状がよくなったとしても、再発を起こしやすいのが特徴で、再発を重ねるごとに症状が悪化することも少なくありません。
特に、二人目以降の出産や、転勤などによる住環境の変化、職場復帰など生活パターンが大きく変わる時に再発を起こしやすいとされています。これらの「うつ状態」を放置すると、子供の成長に伴って育児がひと段落した後も、気分の落ち込みや不眠などのうつ状態を引きずることがあります。
育児中に、気分の変調を自覚した場合には、早めに心療内科や産婦人科などを受診して適切な治療を受けるようにしましょう。また、産後うつや育児うつは自身で症状を自覚しないことも多々あり、パートナーや家族など周囲の人は、異変に気づいたら病院受診に付き添うなどのサポートを心がけるようにしましょう。
「産後うつかもしれない」と思ったら、まずは自分に下記の3つの質問を投げかけてみてください。
いずれかあるいはすべてに「はい」「ときどきそうなる」という場合は、専門医を受診しカウンセリングを受けることをおすすめします。
もし産後うつだと診断されたとしても、安心してください。早く治療を受ければ受けるほど、産後うつは治る可能性が高いです。産後うつの主な治療法には、対話療法と抗うつ薬があります。また、光療法が取り入れられるケースもあります。
ほかにも、オリーブ油、サケ、マグロ、くるみなどに豊富に含まれるオメガ3脂肪酸は気分を良くする効果があるとされています。食事に取り入れるのがおすすめですが、サプリで摂取する場合は医師に相談してからにしましょう。
また、上記の治療以外にできるセルフケアを下記でご紹介します。
当てはまる症状はあったでしょうか。マタニティブルーの段階であればそこまで深刻にとらえる必要はありませんが、育児をする気が起きないなどの状態が続くようであれば、産後うつの可能性があるので早めに病院を受診してくださいね。
産後うつを治すには早めに治療を始め、周りからのサポートを得ることが大切です!周囲の人もできるだけ早く変化に気づいてあげられるように、気をつかってあげましょう。