減酒or禁酒、お酒の量を調整するための方法

佐藤 典宏 先生

記事監修医師 産業医科大学第1外科

佐藤 典宏 先生

二宮 英樹 先生

記事監修医師 東大医学部卒、セレオ八王子メディカルクリニック

二宮 英樹 先生

ついつい飲みすぎてしまうお酒。百薬の長ともいわれますが、やはり飲みすぎは身体に悪い部分もあります。禁酒したいと思っている人もいるかもしれませんが、なかなか難しくてできませんよね? なら、お酒の量を減らしてみることからはじめてみてもいいかもしれません。

この記事では、飲むお酒の量を減らすためのコツと、禁酒した人の体験談を紹介します。減酒・禁酒を考えている人はぜひ参考にしてください。

もくじ

飲酒量を減らすためのポイント

飲酒量を減らすメリット

まずは、減酒のメリットをみていきましょう。
お酒を飲む量を減らすと、すぐに次のような効果があらわれます。

・朝、気分が良い
・日中疲れにくい
・肌つやがよくなる
・健康になってくる
・体重が減ってくる

そして、これを続けた場合にみられる長期的なメリットとして次のものがあります。

1.気分

大量の飲酒とうつ病には強いつながりがあり、二日酔いで不安になったり落ち込んだりすることもたびたびあります。
もしすでに不安や悲しい気持ちになったりしていたら、飲酒はこれを悪化させる可能性があるので、量をおえさると良いでしょう。
少しずつ気分が良くなってくると思います。

2.睡眠

飲酒は睡眠に影響します。お酒を飲んですぐに寝てしまう人もいますが、睡眠パターンを乱して深く眠れないこともあります。
そのため、アルコールを減らすと、目覚めたときに体の疲れがしっかりとれていると感じることができるようです。

3.行動

飲酒は判断力と行動力に影響を及ぼします。
酔っているとき、無意識にまたは攻撃的に行動することがあるかもしれません。記憶喪失は、飲酒中や長期にわたって大量に酒を飲む人にとって起こります。

4.心臓

長期にわたる飲酒は、心臓肥大になる可能性があります。一度肥大してしまった心臓は完全にもとに戻すことができない深刻な状態となってしまいますが、禁酒すれば悪化することは防ぐことができます。

5.免疫系

通常の飲酒でも、免疫システムに影響を与えることがあります。このため、飲酒量が多い人は様々な感染症にかかる可能性が高くなります。

飲酒量を減らすためのコツ

週に14単位※以上、定期的に飲酒している場合、以下のような簡単にできるコツを試してみてください。
※14単位は平均的な度数のビール3リットル、もしくは度数の低いワインを小さなグラスで10杯分に相当します。

・計画を立てる
飲み始める前に、今日はどれくらいまで飲んでいいか自分の中での上限を設定してください。

・予算を設定する
アルコールにかける金額を設定してください。

・友だちや家族に宣言する
友人や家族にお酒の量を減らしていることと、それを達成しなければならない熱意を伝えれば協力してもらえるようになります。

・毎日取り組む
毎日少しずつお酒の量を減らしてください。

・小さいグラスや缶にする
お酒を飲むときは、小さいサイズを選んでください。缶ビールであればロング缶(500ml)ではなく、短いサイズの缶を選んだり、ワインも大きなグラスではなく、小さいサイズのグラスで飲むようにしてみてください。

・度数の低いお酒を飲む
度数の強いビールやワインを弱いものに換え、アルコールの量を減らしてください。スーパーやコンビニでお酒を買うときには必ず度数をチェックしましょう。

・水分補給を忘れない
お酒を飲む前に水を飲んだり、お酒と水や清涼飲料水とを交互に飲んでください。

・休肝日を作る
週に何日かお酒を飲まない日を作りましょう。

減酒外来について解説

減酒外来の概要

過度のアルコール摂取はアルコール性肝障害、肝硬変、膵炎など様々な病気を引き起こします。またアルコール依存症が関係していると、人間関係や家庭内でのトラブルも起きます。アルコールに関連した治療として、「アルコール外来」「アルコール依存症外来」を設けている病院があります。しかしアルコールで問題を抱えた患者からすると、「断酒する必要があり、一滴もお酒が飲めなくなってしまう」という抵抗感が大きいです。

そのような中、最近注目を浴びているのが「減酒外来」です。減酒外来では医師が、

・病気や身体の状態
・飲酒量
・人間関係や家庭内でのトラブル・暴力
・患者自身の希望

について診察した上で、「飲酒量を減らす」「お酒を飲まない休肝日をつくる」といった治療を行っていきます。最近の研究では、アルコールで問題を抱えている人は、お酒の量を減らすだけでも、身体やメンタルの調子が良くなることが分かっています。

減酒外来の対象者

下記のような方が減酒外来に向いています。

・健康診断で肝臓の値が悪くなっていて、アルコールの量を減らしたい方
・健康のためにアルコールの習慣を適度に変えたい方
・断酒や薬物療法以外の方法で、アルコールの量を減らしたい方

アルコール依存症の方は、断酒や薬物療法をした方が良い可能性があります。その場合は、一般的なアルコール外来、アルコール依存症外来をかかった方がよいです。またアルコールの過剰摂取によって、重篤な病気、身体の障害が起きている場合も、断酒をおすすめされることがあります。

 

1ヵ月間禁酒したら健康になった

ここからは禁酒に成功した人の体験談を紹介します。
Jさん(45歳・女性)は、1日の終わりにお気に入りの酒を飲むのが好きな、ごく普通のお母さんです。
1日にグラス2杯のワインしか飲まないので、Jさんは決して大酒飲みではありません。でもある日、「ワインを楽しむ時間が、楽しみというより習慣になっていた」と気づきました。
彼女は医師に相談して、自分で飲酒するかどうかをコントロールできることを確認するために、1ヵ月間禁酒したところ、自己管理できていることを実感できたことに加えて、思いがけず健康面での効果をすぐに実感したといいます。

楽しみか、習慣か?

やはり日常の中で「ワインの時間」は楽しみというより習慣で、条件反射的にやっていることに気づいたことがポイントだったそうです。
禁酒の計画はシンプルで、1ヵ月間禁酒すること、それに加えて健康のために毎日1時間のエクササイズを行いました。

身体にあらわれた禁酒の効果

禁酒をはじめて最初の1週間については、
「絶好調でした。新年会の乾杯ビールでさえ断っていました。でも2週目の半ばまでに、夫がビールを味わっているとき、自分の目の前のグラスの水を見て苦しい思いをしながら我慢しました」と話します。
2週間経つと禁断症状が落ち着き、ひとつ目のメリットがあったそうです。夜10時前にはぐっすり眠り、アラームがなる前に、午前6時15分に目が覚めるようになったそうです。肌の調子もよくなり気持ちがいきいきとして、こつこつと続けてきたことに自信が持てたそうです。

また、当初減量は特に気にしていなかったそうですが、最初の1ヵ月で2.3kg体重が減ったそうです。
その後も少しずつ減量し、今はベルトの上にのっかっていた余計な肉が消えたそうです。
結局のところ、ワインを飲まなくなったら、スナック菓子をかじる量も少なくなったことが要因だといいます。アルコールが食欲を刺激し、しょっぱいおつまみに手を伸ばす仕組みに気づいたのですね。

効果を楽しみながら禁酒しましょう

この記事では、減酒のコツと禁酒したJさんの話を紹介しました。
禁酒したくても、すぐに禁酒するのは難しいと思っている方はJさんのようにやってみるとすぐに効果があらわれて成功するかもしれません。
それでも難しいという人は毎日の飲む量を減らすところからはじめてみましょう。必ず生活にいい影響があらわれるはずです。

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