記事監修医師
産業医科大学第1外科
佐藤 典宏 先生
2017/3/15
記事監修医師
産業医科大学第1外科
佐藤 典宏 先生
健康的な食事をするためには、「野菜をバランスよく」、「食べすぎ飲みすぎはしない」「摂取カロリー量を抑える」といったことがよくいわれると思います。
当たり前で大事なことですが、それをいざやってみようとなると、面倒だったり時間がなかったりしてなかなかできませんよね。でも健康的な食事をとっていきたい…という人は多いと思います。
ここでは、それを実行するためのコツも交え、健康的な食事をするために知っておきたいことを2回に分けて解説していきます。まずは食べ物に関するヒントから紹介していきます。
デンプン質の炭水化物が食事の3分の1以上を補うようにしましょう。デンプン質の炭水化物にはジャガイモやパン、米、パスタ、シリアルなどがあります。
さらに、可能であれば全粒粉で作られた食べ物を選びましょう(または新鮮なジャガイモを皮まで食べましょう〈芽はとります〉)。全粒粉にはより多くの繊維が含まれ、満腹感が長く続きます。
デンプン質の食品は多くの人に足りていません。毎回の主食に少なくとも1つのデンプン質の食品を入れるようにしてください。デンプン質の食品は太るのではないかと考える人もいますが、含まれるカロリーは脂肪の半分未満になっています。
料理や調味料に使う脂肪に注意してください。脂肪はカロリーを増やします。フライドポテトの油やパンのバター、クリーミーなパスタソースに注意が必要です。
毎日さまざまな果物や野菜は、少なくとも5種類食べるのがおすすめです。5種類というと難しそうに聞こえますが、案外簡単なものです。
朝食のシリアルにバナナを加えたり、夜食を新鮮なフルーツにすればよいのです。
注意したいのは、100%フルーツジュース、野菜ジュース、スムージーは、この5種類のうち1種類としてしかカウントできません。フルーツジュースとスムージーを1日に1杯ずつ飲んでも、1種類としかカウントされません。
魚は良質なタンパク源であり、多くのビタミンとミネラルを含んでいます。週に少なくとも2種類の魚(少なくとも1種類の油性魚を含む)を食べることを目指しましょう。
油性魚にはオメガ3脂肪が含まれており、心臓病の予防に役立ちます。油性魚とは次のもです。
・サーモン
・サバ
・ニシン
・新鮮なマグロ
・イワシ
※非油性魚は、タラ 、缶詰のマグロなどです。
定期的にたくさんの魚を食べるならば、できるだけ多様なものを選んでみてください。
生のものや冷凍、缶詰などいろいろありますが、缶詰や燻製の魚は塩分が高いと覚えておきましょう。
ある程度は脂肪も食事で摂取すべきなんですが、食べる脂肪の量と種類に注意が必要です。脂肪には、主に飽和型と不飽和型の2つのタイプがあります。飽和脂肪酸が多すぎると、血液中のコレステロール量が増加し、心臓病が発症するリスクが高くなります。
平均的な1日の飽和脂肪酸は、男性は30g以下、女性は20グラム以下、子どもはさらに少なくする必要があります。
飽和脂肪酸は、以下のような食品に含まれます。
・チーズ
・ケーキ
・ソーセージ
・クリーム
・バター
・ラード
飽和脂肪酸摂取量を減らし、代わりに植物油、油性魚、アボカドなどの不飽和脂肪酸を含む食品を選んでください。より健康のためには、バター、ラードの代わりに植物油または減脂肪スプレッドを少しだけ使用してください。
肉を食べるときは、赤身のものを選んで目に見える脂肪は落としましょう。
常に砂糖を多く摂取すると、肥満や虫歯のリスクが高くなります。
パッケージ包装された食品および飲料の多くには、驚くほど多量の「遊離糖」が含まれています。遊離糖とは、食品や飲料に添加された糖、または蜂蜜、シロップ、無糖フルーツジュースの中にある天然の糖です。
以下のものは摂取量を減らすようにしてみましょう。
・甘い炭酸飲料
・アルコール飲料
・ケーキ
※これらの食品に含まれる糖類は、果物や牛乳などに見られる糖類ではなく、摂取を避けるべき砂糖です。
塩を過剰摂取すると、血圧が上がることがあります。高血圧になると、心臓病を発症したり、脳卒中を起こす可能性がより高くなります。
気をつけたいのは、知らないうちに塩をとりすぎてしまうことです。朝食用シリアルやスープ、パン、ソースなどの中に塩分がすでに入っていますので注意してください。
健康的な食事のためには、やっぱり食べ物のバランスが大事になってきますね。
毎日の食事の内容を振り返ってみて、食べた野菜や果物の品目が足りているか、脂肪や砂糖、塩分をとりすぎていないかをチェックしてみることからはじめてみましょう。