記事監修医師
産業医科大学第1外科
佐藤 典宏 先生
2017/3/14
記事監修医師
産業医科大学第1外科
佐藤 典宏 先生
「ダイエット中に“脂肪を摂る”」だなんてご法度なイメージがありますよね?
実は「脂肪」が全てダイエットの敵となるとは限らないのです!
今回は、その「脂肪」について理解を深めていただければと思います。
使うエネルギーをとるエネルギーよりも多くすれば体重を減らすことができますが、実はすべての人が体重を減らせる普遍的な食事はありません。
しかし、やせやすい食事は、一般的に脂肪および糖分が低く、繊維およびタンパク質が多いものと言われています。
これを意識しいろいろな食品を食べるようにすれば、必要な栄養素をバランスよく摂ることできますし、エネルギーの摂り過ぎも抑えることができます。
今回は、上記栄養素のひとつである「脂肪」についてみてみます。
体は脂肪をエネルギーに変えます。 また、脂肪を使って神経組織やホルモンを作り、炎症をコントロールします。 あなたの体が食品からビタミンA、D、EおよびKを吸収する際にも脂肪は役立ちます。
しかし、脂肪を過剰に摂取すると肥満が進行します。 脂肪のカロリーは、炭水化物やタンパク質よりも簡単に体脂肪に変わります。 食事の脂肪は食欲を混乱させる可能性があり、 からだが満腹かどうかを判断できなくなります。また、総コレステロールと血圧を上げ、がん、心臓病や糖尿病のリスクを高める可能性のある脂肪もあります。
では、良質な脂肪はどのような食材から摂ることができるのでしょうか。以下が健康なからだの味方となる良質な脂肪です。
・一価不飽和脂肪酸
キャノーラ、オリーブ、アボカド、ピーナッツなどのナッツオイル、マメ(乾燥豆とエンドウ豆)、オリーブ、種子、ナッツ、ナッツバター、新鮮なアボカドに含まれています。
・多価不飽和脂肪酸
トウモロコシ、ヒマワリ、ベニバナ油などの植物油、ゴマ油、ヒマワリ種子、トウモロコシ、大豆、および他の多くの種類の穀類、マメ科植物、ナッツおよび種子中に見出されます。
・オメガ3脂肪酸
通常、サーモン、ニシン、イワシ、サバなどのシーフードに含まれる。 また、亜麻仁、亜麻仁油、クルミにも見られます。
研究によれば、オメガ3脂肪酸は特に有益で、炎症を抑え、心臓病のリスクがある人の心臓発作の可能性を減らすことができるという研究もあります。
以下の脂肪は摂取量を制限、あるいは控えてください。
<飽和脂肪酸>
通常、肉、鶏肉、卵、乳製品(例えば、チーズ、クリーム、ホールミルクまたは2%ミルク)のような動物製品にみられます。 パーム、ココナッツおよび他の熱帯油、ならびにカカオバターもまた、飽和脂肪酸を含有します。 デザート、チップス、フライドポテトなどの多くのスナック食品は飽和脂肪酸が多いです。 飽和脂肪が多い食事は、LDL(「悪玉」)コレステロール値を上昇させ、心疾患のリスクを高める可能性があります。
<トランス脂肪酸>
クッキー、ケーキ、ドーナツ、クラッカー、スナック、冷凍食品などの加工食品や、フライドポテトやオニオンリングなどのフライ食品に含まれる水素添加人工脂肪酸の一種です。 トランス脂肪酸は特に健康に悪いです。 LDL(「悪玉」)コレステロールとトリグリセリドを上昇させつつ、HDL(「善玉」)コレステロールを低下させます。 すべての食品メーカーは現在、トランス脂肪酸を栄養表示に記載することが義務付けられています。
(注)食品1食分あたり5グラムまでの含有量であればトランス脂肪酸フリーと表示され得ます。
「脂肪」が全て”ダイエットの敵“ではなく、良質な脂肪もたくさんあります。
また、ダイエットに本気で取り組む際は、食事療法だけでなく運動も必須です。
【良質な脂肪を積極的に取り入れた栄養バランスのある食事】 + 【定期的な運動】
を心がけ、健康的で理想的な体型を手に入れたいすね。