運動で蕁麻疹が出る「運動誘発アナフィラキシー」とは?

2017/1/23 記事改定日: 2020/1/7
記事改定回数:1回

二宮 英樹 先生

記事監修医師

東大医学部卒、セレオ八王子メディカルクリニック

二宮 英樹 先生

「蕁麻疹」は何かを食べたり、触ったりするとできる、というイメージがありますよね。でもそのほかに、運動でできてしまう蕁麻疹というものもあるんです。
この記事では、運動によって蕁麻疹が出る運動誘発アナフィラキシーについて解説していきます。

運動誘発アナフィラキシーで、蕁麻疹以外に起きる症状は?

運動誘発アナフィラキシーは、運動中もしくは運動後に蕁麻疹を始めとしたアレルギー症状を引き起こす、非常に珍しい症状です。食後2時間以内に運動をしたときに起きることが多いため、「食物依存性運動誘発アナフィラキシー」と呼ばれます。

運動誘発アナフィラキシーになると、以下のような症状を引き起こします。

  • 蕁麻疹(大きいものから小さいものまで)
  • かゆみ
  • 皮膚の赤み
  • 唇の腫れ
  • 呼吸困難や窒息感
  • 腹痛
  • 下痢

蕁麻疹は皮膚に赤い盛り上がりができて、痒みを伴います。数十分から数時間経つと消えてなくなりますが、他の場所にできます。消えた後に跡が残ることはありません。手足、顔、首、胸、お腹、背中など全身にできる可能性があります。

アナフィラキシー症状で気道が腫れると、呼吸が苦しくなり、ひどいときには窒息する危険性があります。

運動誘発アナフィラキシーが出たときの対処法は

運動中に蕁麻疹が出ていることに気づいたら、すぐ運動をやめる必要があります。蕁麻疹が5~10分経っても消えない場合や、上記のそのほかの症状が出てきた場合は、すぐ医師に相談してください
また、呼吸症状がある場合もすぐに医療機関を受診してください。もし呼吸症状が強ければ、早急に救急車を呼びましょう。

重度の呼吸症状が起きたときは、エピネフリン(エピペン®)を使うことがあります。


運動誘発アナフィラキシーの治療方法は?

運動誘発アナフィラキシーを発症した場合は、すぐに運動を中止して安静にすることが第一です。また、上で述べたような蕁麻疹、唇の腫れなど軽度なアレルギー症状が現れた場合はアレルギーを抑える抗ヒスタミン薬などを内服します。

一方、呼吸困難、喘鳴など重いアレルギー症状が現れた場合はステロイドや気管支を拡げるための点滴などを行う必要があります。息苦しさなどを感じた場合はこのような早急な治療が必要なためできるだけ早く病院を受診しましょう。

また、運動誘発アナフィラキシーの既往がある場合は、症状がない場合でも運動開始前に気管支を拡げる吸入薬などを使用して発症を予防する治療が行われることがあります。

運動誘発アナフィラキシーが起こったら、今後運動しても問題ない?

運動誘発アナフィラキシーは食後二時間以内に起こりやすいため、既往のある方はできるだけ食後の運動は避けた方がよいとされています。

しかし、必ずしも運動を避けなければならないわけではありません。ステロイドや気管支を拡げる薬の吸入を運動前に行うことで発作を抑えることができるので、このような発作予防の薬を使用しながら徐々に運動ができるようになる方も少なくありません。医師と相談しながらであれば、無理のない範囲で運動をしてもよいでしょう。

ただし、運動する場合は食後を避けるだけでなく、アレルギーの原因となる食事を避け、万が一の時に備えて一人での運動は控えたほうがよいでしょう。

おわりに:運動誘発アレルギーは、病気への理解と事前の対応を忘れずに。

運動をきっかけに蕁麻疹が出る運動誘発アナフィラキシー(食物依存性運動誘発アナフィラキシー)は非常に珍しい病気で、繰り返す人は注意が必要です。

  • アレルギーの原因になる可能性がある食べものを避ける
  • 食後2時間以内は運動を避ける

ことで発症を抑えられることがあるので、覚えておきましょう。
また、症状が出たらすぐに運動を中止する必要があります。保護者だけでなく学校の先生も病気のことや対処法を理解しておく必要がありますので、きちんと伝えておきましょう。


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