記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2017/8/25
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
すやすや眠っている赤ちゃんが、大きな鼻づまりのいびきをすることがあります。そのいびきの中で、呼吸が急に止まり無呼吸になるようであれば、無呼吸症候群かもしれません。無呼吸症候群は危険な事態にもなりかねません。今回は、それがなぜ起きるのか、その改善方法についてご紹介します。
まずは無呼吸症候群をひき起こす可能性のある、いびきの原因を探りましょう。
上気道感染症(風邪・インフルエンザ)は、赤ちゃんのいびきの主な原因とされています。鼻がつまり、粘膜が喉からの空気の流れをブロックすることで起こります。またアレルギーによって、鼻腔内が狭くなり、いびきの原因となることもあります。
アデノイドは、鼻が咽喉と接触するところにある、かたまり状のリンパ組織であり、扁桃は、咽喉の後部に位置するリンパ組織の集合体です。
アデノイドと扁桃の両方とも、吸入したウイルスや細菌を捕まえて感染から子供を守ります。しかしその過程で、感染し腫れてしまうことがあります。肥大したアデノイドや扁桃腺は空気の流れを妨げ、いびきを起こすことがあります。
・睡眠時無呼吸(睡眠中に短時間呼吸を停止させる症状)
・鼻が詰まって口呼吸をすることによる、唇のひび割れ、乾き
・喉の痛み
・鼻づまり
・耳が閉ざされたような感じがする
・睡眠障害
・食物などの飲み込みの困難
・腫れた首腺
アデノイドに病気の原因となる病原菌が付着すると、アデノイドは大きくなります。たいていの場合、アデノイドは再び健康になったときに正常なサイズに戻りますが、腫れたままになったり肥大したままだと、問題が起こることがあります。
大きないびきの途中で、呼吸が止まるようであれば、閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)症候群の可能性があります。呼吸の休止は10秒以上続くことが多く、夜間に何度も起こることがあります。
OSAは危険な事態にもなりかねません。睡眠が崩れることで、子供の機嫌を損ねさせ、極度の疲労、集中困難、頭痛、成長障害などを引き起こす可能性があります。OSAの診断をする際は通常、睡眠検査室で一晩滞在し、検査が行われます。
子供のOSAの大部分がアデノイドや扁桃の拡大によるものです。
過体重であったり、顔の特徴(後退する顎など)によっては、気道を塞いでOSAにつながる可能性もあります。
いびきを改善させる解決策は以下を参照してみてください。赤ちゃんがいびきが改善せず、呼吸が止まるようであれば小児科医の受診をおすすめします。
すでに枕を使用している場合は、頭の下にしっかりと置くようにしましょう。眠っている間に頭を上げると、呼吸通路が広がり、呼吸が楽になります。また、枕を使用していない場合は、マットレスの下に枕を置いてみましょう。
アレルギーが原因によるいびきであれば、小児科医にアレルギー薬を処方される場合があります。アレルギー反応が起こらなくなれば、いびきが改善される可能性も高いでしょう。
検査でOSAが原因のいびきと分かれば、アデノイドや扁桃に対するアプローチが検討されるでしょう。
危険な状態にもなりかねない無呼吸症候群は、まずいびきの改善から行うことが重要です。また、いびきの最中に呼吸が止まるようであれば医師の診断を受けることが大切です。