無口なのはASDだから? 子供の自閉症スペクトラム障害の特徴について

2017/3/16 記事改定日: 2019/1/10
記事改定回数:2回

佐藤 典宏 先生

記事監修医師

産業医科大学第1外科

佐藤 典宏 先生

二宮 英樹 先生

記事監修医師

東大医学部卒、セレオ八王子メディカルクリニック

二宮 英樹 先生

自閉症スペクトラム障害(Autism Spectrum Disorder;ASD)の子どもは、3歳を過ぎて診断されることが多いですが、3歳より前に症状が現れることがあります。ASDの主な特徴は、社会的コミュニケーションと相互作用の問題です。この記事では、ASDの子どもにみられる特徴をみていきます。

未就学児のASD(自閉症スペクトラム障害)の特徴

小学校にまだ入学していない子供のASD(自閉症スペクトラム障害)でみられる特徴として、以下のようなものがあります。お子さんの状況に当てはまるものがある場合や、お子さんの発達について心配なことがある場合は、専門医に相談してみてください。

話し言葉

  • 発話の発達の遅れがみられる
  • 決まった言葉や表現を頻繁に繰り返して話す
  • 抑揚の少ない単調な話し方をする
  • 文章で会話できるにもかかわらず、単語だけを使ってコミュニケーションすることを好む

他人への反応

  • 聴力には問題ないはずなのに、名前を呼ばれても反応しない
  • 親や介護者が抱きしめるのを拒む
  • 誰かに何かをするよう頼まれたとき、異常に否定的な反応をする

他人との交流

  • 他人のパーソナルスペースを意識しない、または他人が自分のパーソナルスペースに入ってくるのが耐えられない
  • (同じような年齢の子供を含む)他人との交流にほとんど関心がない
  • 誕生日パーティーなど、同年齢の子供の大半が楽しむ状況をいやがる
  • ひとり遊びを好む
  • コミュニケーションの際、ジェスチャーや表情はめったに使わない
  • アイコンタクトを避ける
  • 集団になじめない

行動

  • 手をばたばた動かす、前後に揺れる、指を鳴らすなど、同じ動作を繰り返す
  • おもちゃを使って、想像力を必要としない反復的な方法で遊ぶ(何かをつくるのではなく、大きさや色の順にブロックを並べるなど)
  • 慣れ親しんだ決まった行動を好み、変化があると非常に動揺する
  • 食べ物の好き嫌いが激しい
  • 異常な知覚的関心がある。たとえば、状況をわきまえずにおもちゃ、物、人のにおいをかぐことがある

小学生以上のASD(自閉症スペクトラム障害)の特徴と症状

小学校に入学している子供には、入学前の子供とは少し違う特徴がみられます。

話し言葉

  • 話し言葉を使うことを避けようとする
  • 抑揚の少ない単調な話し方をする
  • 個々の単語をつなげて新しい文をつくるのではなく、知っているフレーズで話す
  • 双方向のコミュニケーションではなく、一方的に話しているようにみえる

他人への反応

  • 人の言葉を文字通りに受け取り、皮肉やたとえ話、比喩を理解できない
  • 他人に何かをするように頼まれたとき、異常に否定的な反応をする

他人との交流

  • 他人のパーソナルスペースを意識しない、または他人が自分のパーソナルスペースに入ってくるのが耐えられない
  • 同じような年齢の子供を含む他人との交流にほとんど興味がない。友人関係を形成しようとしているものの、親しい友達がほとんどいない
  • 挨拶など、通常、人がどのように社会的相互作用をするか理解していない
  • 状況に応じて、口調や話す内容を変えることができない(たとえば、パーティーで非常に改まって話したあと、見ず知らずの人に親しげに話しかけてしまうなど)
  • 同年齢の子供の大部分が楽しむような状況や活動を楽しまない
  • コミュニケーションの際、ジェスチャーや表情はめったに使わない
  • アイコンタクトを避ける

行動

  • 手をばたばた動かす、前後に揺れる、指を鳴らすなど同じ動作を繰り返す
  • 想像力に欠ける反復的な方法で遊ぶ。また、人と遊ぶより、物で遊ぶことを好む
  • 特定の対象、または活動に非常に特別な興味を持つ
  • 慣れ親しんだ決まった行動を好み、変化があると非常に動揺する
  • 味と同じくらい歯ごたえや色によって、特定の食べ物の激しい好き嫌いがある
  • 異常な知覚的関心(たとえば、ASDの子供は、おもちゃ、物、人のにおいを不適切にかぐ可能性がある)

ASD(自閉症スペクトラム障害)に関連する他の病気

ASDの患者には、次のような病気が合併することがあります。

  • 学習障害
  • 注意欠陥多動性障害(ADHD)
  • トゥレット症候群や他のチック障害
  • てんかん
  • 記憶障害
  • 強迫性障害(OCD)
  • 全般性不安障害
  • うつ病
  • 双極性障害
  • 睡眠障害
  • 知覚障害

子供がこれらの問題のいずれかを持っている場合、ASDの治療に加えて、投薬や認知行動療法(CBT)のような治療をすると効果がみられることがあります。

おわりに:ASDかな? と感じたら早めに診断してもらうことが重要

自分のお子さんが、上記のようなASDの特徴がみられるようであれば、小児科に相談しましょう。ASDの子供は、心身の成長や健康に大きな影響がでる可能性があります。また、早めに診断を受けることで、コミュニケーション能力や理解能力についての訓練を受けることができるので、これからの生活が過ごしやすくなります。

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