記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2017/6/16
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
薬物の使用はあなたの人生を台無しにすることになりかねません。そして、一度使用してしまうと中々使用をやめられない依存度の高さも、薬物の恐ろしいところです。しかし、薬物から抜け出すための治療法はあります。ここでは世界でも大麻に次いで使用者の多い「コカイン」の治療法を例に、薬物依存症から脱却する方法を見ていきましょう。
コカインは使用者に活力や幸福感や過度の覚醒感をもたらし、危険行動を起こす原因となるほどの興奮を与えます。
効果の持続が短かく、使用しないでいると気分が沈む・不快に感じるなどの倦怠感が数日間続くこともあるため、多量摂取につながる危険性が高いです。
コカインを摂取すると心臓や神経系を過度に刺激し心臓発作を引き起こす恐れもあり、過剰摂取によって死に至ることもあります。
また、アルコールと混合することでも危険な状態を招く危険性が大きいです。
更に、コカインは強力な中毒性があるため、非常に強い心理的依存を引き起こす恐れがあります。
コカインの種類には、パウダーコカイン(コークス)、フリーベース、クラックなどがあり、すべて強力な覚醒作用を持ちます。
フリーベースとクラックは主に喫煙で摂取し、粉末コカインはガラス管で吸引するのが一般的です。
また、粉末のコカインとクラックは、両方とも注射で使うことができます。
依存症になる危険性はもちろんですが、他にもコカインによって引き起こされる重大なリスクはたくさんあります。
特に、どのような摂取方法であっても高血圧や心臓病を発症している状態でコカインをとることは非常に危険です。
妊娠している場合、コカインは赤ちゃんに害を与え、流産を引き起こすこともあります。
以前に精神衛生上の問題を抱えていた場合、それが再発する可能性が高くなります。
コカインを吸引すると、時間の経過とともに鼻の軟骨を損傷することがあります。
注射を繰り返すことは静脈および体組織に重大な損傷を与えます。
さらに、針を共有することでHIVや肝炎になるリスクがあります。
粉末コカインであれクラックコカインであれ、依存症の治療は簡単ではありません。
しかし、抜け出す方法はあります。
以下にあげたものが代表的な治療法です。
コカイン依存症の治療は通常は自宅で行ない、薬物とアルコールに関する地域のサービスによって運営されている毎日のプログラムに参加する場合が多いです。
特に症状が深刻かつ複雑なときには住居施設でのリハビリプログラムが推奨されます。
通常は、薬物依存患者専門のセラピストまたはカウンセラーとのトークセラピーを行いますが、場合によってはより専門的なサポートを紹介されることもあります。
専門医によるカウンセリングは依存症に関連する精神的な問題を解決するのに効果的とされます。
コカインを自力でやめることができた人もいますが、多くの場合は専門医のカウンセリングとリハビリプログラムなどの社会的支援の組み合わせによって薬物依存症から抜け出しています。
治療の際は一人で解決しようとはせず、社会機関などの力を借りることが大切です。