筋肉痛やケガを招かない!ランニングを始める前に知っておくこと

2017/6/16

山本 康博 先生

記事監修医師

MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長
東京大学医学部卒 医学博士
日本呼吸器学会認定呼吸器専門医
日本内科学会認定総合内科専門医
人間ドック学会認定医
難病指定医
Member of American College of Physicians

山本 康博 先生

健康のために手軽にできる運動として、ランニングをする人が増えています。
しかし、筋肉痛になるのを防ぐためにも、ある程度の知識をもって始めましょう。
以下に、ランニングを始めるための知識や正しい走り方を紹介します。

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ランニングを始める準備をしましょう


筋肉痛を防いだり、それほど重いものにしないためには、走る前の準備が重要です。
最近、運動不足を感じている人にとってはケガを防止にもつながるので、しっかりと準備しましょう。

ウォーミングアップ

ウォーミングアップをして、体を温めてから走り始めましょう。例えば、早歩きをしようと思っているなら、最初の5~10分はゆっくり歩くようにします。ランニングをしようと思っているなら、きびきびした歩きや軽いジョギングから始めましょう。

体調と相談

めまいや体の不調を感じたり、息があまりにも苦しくなってきたりしたら、無理せず止めるようにしましょう。適切な運動量をオーバーしている可能性があります。計画を守ることは大切ですが、体調と相談しながら臨機応変に対処していくことも重要です。必要なら、2、3日休んで体を回復させましょう。

クールダウンをしましょう

ランニング後に心拍数や血圧を普通の値に戻すためにクールダウンを行ってください。ウォーミングアップと同じ要領でやると良いでしょう。5~10分、ペースを落として走ります。

休憩を取りましょう

熱意をもって新しい趣味を始めるのは素晴らしいことですが、やりすぎはよくありません。「休憩の日」は「ランニングの日」と同じくらい大切です。休憩の日を設けることで、体が回復し、より強健になるといわれています。つまり、ランニングの速度と距離を伸ばすためにも、休憩の日は大切ということです。

正しい走り方で走りましょう


筋肉痛や負傷のリスクを軽減し、より疲れにくく、ランニングを楽しめるようになるには、正しい走り方をすることが重要です。
ランニングの専門家、ミッチェル・フィリップスが提唱した、リラックスして効率的に走るためのヒントを以下に示します。

頭をまっすぐにしましょう

前方30から40メートル先を真っ直ぐ見て、足元を見ないようにしてください。

背中を丸めない

肩を後ろに引いて下げるようにしてください。リラックスして、緊張させないようにします。

手をリラックスさせましょう

手はリラックスさせますが、ぶらぶら揺らさないようにしてください。

肘の角度は90度に保ちましょう

肘を90度に保ち、横にぶれないように腕を前後に振りましょう。

前傾姿勢で走りましょう

腰に圧力がかかるので、腰から前後に曲げないでください。直立姿勢で走ることをすすめている専門家もいますが、フィリップスは、少し前傾姿勢で走ると、かかとのダメージが軽減され、足の真ん中で着地できると考えています。

腰を安定させましょう

腰は前に向いた状態で安定させなければなりません。尻を突き出したり、左右に揺らしたりしないでください。腰を安定させることで、背中や腰の痛みを予防することができます。

膝を高く上げ過ぎない

膝を高く上げすぎないようにして、ほんの少し曲げて着地してください。これは、固い地面からの衝撃を吸収するのに役立ちます。

ミッドフット走法を目指す

足の中央で着陸することは、趣味レベルのランナーにとって最も安全な方法とされています。かかとまたは前足部で着地することは避けましょう。

ストレッチは重要です


ランニング後は、主要な筋肉を伸ばすようにしましょう。走っているときに収縮した筋肉をストレッチをすることで、関節を動きやすくし、その周辺に血液を送りやすくなります。これらは、怪我の回復の効果も期待できます。

深呼吸しながら優しく30秒ほどそれぞれの筋肉を伸ばしましょう。インストラクターがいれば、正しいストレッチの方法を教えてくれます。

おわりに:毎日気持ちよく走るために

運動は気持ちいいものです。ランニングは、手軽に始められ、目的を持って臨めば、やりがいも増すことでしょう。もちろん、健康のために気楽に軽く走ることも楽しいものです。楽しく続けるためにも、正しく体をケアする必要があります。この記事を参考に、体の故障を防ぎながら、ランニングを長く続けられるようにしましょう。

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