記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2025/4/23
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
ランニングは手軽で始めやすい運動ではありますが、手軽だからと油断するとケガや事故につながります。初心者の人に健康的にランニングを楽しむためには、ランニン中やランニング前後に心がけて欲しいことがあります。この記事では、初心者にも慣れてきた人にも確認して欲しい「ランニングの基本」について解説します。
ランニング前には「走るための準備」が必要です。きちんと準備をしておくことで、思わぬケガや事故を防ぐことができます。また、きちんと準備しておくことで、ランニングのパフォーマンスを上げることもできます。また、ランニング中の自分自身の変化に目を向けることも、思わぬケガや事故を防ぐことにつながります。
ウォーミングアップをすることは、筋損傷や腱損傷、関節炎などのケガを防ぐことにつながります。また、ウォーミングアップで体を温めてから走り始めることで、無理なく速度を上げることができるようになります。例えば、早歩きをするときは最初の5~10分をゆっくり歩くようにする、ランニングをするときは速歩きや軽いジョギングから始めるようにすることをおすすめします。アキレス腱や大腿四頭筋・ハムストリングスなどの筋肉をストレッチしたり、手首・足首・膝・肩などを回したりすることも大切です。
めまいなどの体の不調を感じたり、呼吸が著しく苦しくなってきたりしたら、ランニングの速度を落とし、必要に応じて休憩をとりましょう。休憩しても回復しない場合は、すぐにランニングを中止してください。このような不調は、体調不良から起こることもあれば、適切な運動量をオーバーしたことで起こることもあります。自分の体調・体力と相談しながら、臨機応変に調節していくことも大切です。休憩しても体調が回復しない場合や体調が悪化している場合、数日休んでも不調が続く場合は医療機関を受診することをおすすめします。
ランニングを楽しむためには、正しいランニングフォームを意識することが大切になってきます。正しいランニングフォームで走ることは、ケガの防止につながり、効率よく体を使えるようになることでパフォーマンスアップにもつながります。疲れにくくなり、効率よく速度を上げられるようにもなるので、ランニングをより楽しめるようにもなるでしょう。ランニングフォームついては、さまざまな考え方があり、走る人の体力・筋力・体型・体質・経験値などにより気をつけるポイントが変わってきますが、以下を心がけることが基本になります。
着地方法による走法の種類として、フォアフット走法・ミッドフット走法・ヒールストライク走法(リアフット走法)があります。それぞれ以下のような特徴があり、メリット・デメリットもあります。
近年はミッドフット走法が推奨される傾向にありますが、着地に関しては、その人の筋力・体格・体の使い方・クセなどで変わってきますし、上り坂・下り坂・フラット・ストレート・カーブなど、ランニングコースの状態でも変わってきます。衝撃吸収機能が高い初心者向けのシューズを使い、自分に適した走法を探ることから始めてみましょう。ランニングインストラクターなど、専門家に相談することもおすすめです。
ランニング後のクールダウンは、ランニング中に上昇した心拍数と血圧を少しずつ通常時の状態に戻し、体への負担を少なくするために行います。また、クールダウンは、ランニングで筋肉に溜まった疲労物質の排出を促し、硬くなった筋肉をリラックスさせることで、筋肉の回復を促すことにも役立ちます。
ランニング後は、すぐに走るのを止めるのではなく、ゴール前で徐々にペースを落としながらジョギング・ウォーキングに切り替え、10分程度ゆっくりジョギング・ウォーキングを行い、呼吸と心拍数が落ち着いてから止めるようにしましょう。ランニング終了後は、とくに負担がかかった下半身の筋肉を中心に、全身のストレッチをしてください。クールダウンのストレッチは、反動をつけずに深呼吸をしながらゆっくり時間をかけて筋肉を伸ばしていく「静的ストレッチ」を行うことをおすすめします。
ランニングは手軽に始められる有酸素運動であり、競技としての楽しみ・やりがいもあるスポーツです。老化防止や生活習慣病予防にもなりますし、ダイエットにも役立つでしょう。しかし、手軽にできることから、自分の体力・能力を超えたペースで行ったり、ウォーミングアップ・クールダウンをおろそかにしたりすると、大きなケガにつながることもあります。ウォーミングアップ・クールダウンは必ず行い、体調が悪いときは無理せず休むようにしてください。もし、健康上で不安がある場合は、かかりつけ医に相談しましょう。また、周りの人の速度・タイムを気にし過ぎないようにして、自分の適したペースで行うことも大切です。