低視力は日常生活に支障をきたす?低視力と視力喪失について

2017/7/3

渡辺 先生

記事監修医師

東京都内大学病院眼科勤務医

渡辺 先生

低視力は正しく付き合えば問題なく日常生活を過ごせます。しかし、視力喪失になってしまうと、日常生活に支障をきたすので、適切な治療を受けなければなりません。今回は低視力と正しく付き合う方法や視力喪失について解説します。

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低視力とは

低視力とは、眼鏡やコンタクトレンズで矯正できないくらい視力が低いことをいいます。
低視力の原因は、加齢だけではありません。白内障、加齢黄斑変性症、糖尿病性網膜症によって視力が悪化することもあります。

完全な失明は非常に少ない

光も分からないくらいに完全に失明してしまっている人は非常に少なく、少しでも視力がある場合はそれを最大限に活用する必要があります。眼鏡をかければ改善できるだろうとおもって病院を訪れる低視力患者もいますが、全ての場合において矯正が可能なわけではありません。低視力は、眼鏡やコンタクトレンズ以外の治療によって患者の視力を最大限に生かします。

眼科へ行くタイミング

視力が低下したら、眼科で視力をチェックしてもらいましょう。また、以下のようなことも低視力の兆候です。
・色がはっきり見えない
・段差の高さがよく判断できない
・まっすぐな線がぐにゃぐにゃに見える
・文字を読むのが困難
・運転していて道路標識がよく見えない
このような症状が現れるまで待つ必要はありません。このような症状は、加齢によるものだけではなく、何かがおかしいということを知らせてくれているのです。
2年に一度、眼鏡技師による検査を全ての人が受けることを推奨します。

低視力補助器具とは

低視力補助器具には、たとえば以下のようなものがあります。

ルーペ・双眼鏡など

視力を助けるためのものには、ライト付のルーペ、手のひらサイズのルーペなどがあります。遠くのものを拡大するためのものには、単眼鏡や双眼鏡があります。眼鏡技師は、最適なルーペを提案できるようにいろいろなことを試します。たとえば、裁縫をしたり、新聞の見出しを読むことができるかどうか、さまざまなルーペを試します。

音で知らせる

生活面を補助するものには、やけどを防ぐため、熱湯が出たら警報音が鳴るランプなどがあります。

視力喪失

ここからは視力喪失について解説します。

視力喪失とは

視力喪失とは通常の活動に問題がある場合の視力の低下です。

症状

視力喪失の症状は以下のとおりです。
・メールを読む、テレビを見る、署名する、請求金額を支払う、階段を上ったり下ったりするなど通常の活動に支障をきたす
・人を認識するのが難しい、物事をはっきりと見るために何度ものぞき込んだりする

原因

近くの物体に焦点を当てるなどの視力の変化は、老化の正常な部分ですが、視力喪失の一般的な原因には、特定の病気に関連する傷害、感染症および視力の変化が含まれます。 40歳以上の人々の視力喪失の主な原因は以下のとおりです。

黄斑変性症 (おうはんへんせいしょう;macular degeneration )

黄斑の変化によって引き起こされます。 黄斑は、明確で鮮明な視力を与える目の部分です。

緑内障 (りょくないしょう;glaucoma )

通常、眼内の液体の流れが悪くなり眼球内の圧力が高くなることによって引き起こされます。

白内障 (はくないしょう;cataract)

目の中の水晶体というレンズの濁りによって引き起こされます。

糖尿病性網膜症 (diabetic retinopathy )

糖尿病の人で、血糖コントロール不良が目の血管や血流に影響を与える場合に発生します。

治療方法

視力の問題が正常な活動を妨げている場合は、医師に相談しましょう。 視力喪失を引き起こしているものに応じて、適切な治療を行い、視力の問題を治療するための専門家を紹介します。 多くの患者にとって、チームアプローチは視力喪失を治療する最良の方法です。
医師が推薦する可能性のある専門医の一部は以下のとおりです。
・視力の問題を引き起こす眼疾患を治療する眼科医
・ビジョンの問題を管理する検眼医
・特別な拡大鏡や望遠鏡などの光学補助具を処方するための低視力専門の医師
・バランスと歩行の問題を助け、必要があれば杖を使用する方法を教える理学療法士
・通常の日々の活動を助け、光学補助器具の使い方を教える作業療法士
・視力喪失の感情的な問題に対処するのに役立つソーシャルワーカーまたはセラピスト

おわりに:低視力とうまく付き合う

低視力と正しく付き合うことで日常生活は送れます。しかし、日常生活に支障をきたすほどの視力の低下があった場合は、視力喪失かもしれません。そのような場合は、医師に相談し、適切な治療を行うことが重要です。

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