記事監修医師
東京大学医学部卒 医学博士
足の親指に激しい痛みが走ったときは「痛風かも?」と悩むこともあると思います。
このようなときは病院での検査をおすすめしますが、検査はどのような病院・診療科を訪ねれば良いのでしょうか?痛風を発症したときに行く医療機関について解説します。
痛風とは高尿酸血症が続くことで、関節痛やその他の臓器障害が出た状態です。
痛風の痛みは関節を痛めたときと似た症状が出ることが多く、初めて痛風の症状が現れても痛風と思わず、自己判断で鎮痛薬などで対処して放置することも少なくありません。
痛みなどの症状だけで、痛風か骨折か、他の病気かを判断することはできませんので、痛みが起きたときはすぐに整形外科を受診してください。
実際、骨折だと思って整形外科を受診したら実は痛風だったという事例もあります。
ただ、整形外科では痛風発作による痛み止めの治療までで、根本的な原因となっている高尿酸血症の治療はできませんので、痛風とわかった段階で内科で診断を受ける必要があります。
もしお住まいの近くに内科と整形外科の両方が入っている総合病院があるなら、そちらを受診することをおすすめします。
痛風は次のような生活習慣を続けていると発症のリスクが高まったり、症状が悪化する可能性があります。
これらの項目に当てはまる人は生活習慣の改善を目指しましょう。
また、尿酸値が高いことが分かっている人は一度病院を受診して医師や栄養士から生活指導や治療を受けることも大切です。
その他にも、足の指の付け根が痛い、腫れているなどの症状がある場合も痛風の可能性がありますので、できるだけ早く病院を受診しましょう。
健康診断の結果などで尿酸値が上がっていることが事前にわかっているときなど、明らかに痛風の可能性が高いというときは「内科の受診」をおすすめします。
もし病院に行くのも耐えられない程の痛みがある場合には、市販薬で一時的に痛みを抑えることもできる場合がありますが、なるべく早くに病院を受診し、受診したときには市販の鎮痛薬を飲んだことを忘れずに医師に伝えましょう。
痛風に関しては、一般医と専門医の見解が異なる場合があり、使用する薬の種類や使用法などが大きく違ってくることがあります。
痛風の根本的原因である高尿酸血症が深刻な場合や、治療の進み具合があまり芳しくないという場合には、痛風外来の医師に相談して専門的な治療を受けてみるのもいいでしょう。
痛風の治療は生活指導と薬物療法が主体となります。
痛風発作などの症状がなく尿酸値が8.0mg/dL未満の場合には食事や運動などの生活指導のみで経過観察を行うことが多いですが、症状がある場合や尿酸値が8.0mg/dL以上の場合は尿酸値を下げる薬物療法を行うのが一般的です。
尿酸値を下げる薬剤としては、尿酸排泄を促すベンズブロマン、プロベネシド、尿酸の生成を抑制するアロプリノール、フェブキソスタットなどがあります。
また、痛風発作時にはNSAIDsなどの鎮痛剤が適宜使用され、発作の予兆がある場合には予防薬であるコルヒチンが使用されることもあります。
多くはこれらの対症療法で経過を見ていきますが、足の指の付け根などに痛風結節が形成されて強い痛みを伴う場合には外科的な手術で切除しなければいけないこともあります。
痛風の症状があるときは、内科や整形外科、痛風外来などの専門外来を受診しましょう。どこに行けばいいかわからないという方は、まずは総合診療科を受診することをおすすめします。
まず何より大切なのは、自己判断で手当てをしないことです。痛みを和らげようとして間違った対処をしたり、痛風の原因である高尿酸血症の対処を怠ると、症状が悪化する恐れがあります。疑わしい症状があるときは、必ず病院を受診しましょう。