がん末期の緩和ケアはどこで受けられる?何を目的にするべきなの?

2017/6/21 記事改定日: 2018/6/13
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山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

今回は、がん末期の患者と緩和ケアについて解説します。末期がんの診断を受けたときのショックや終末ケアの負担を軽減するためには、患者本人と家族全員が納得できる緩和ケアを選択をする必要があります。緩和ケアがどのようなものか、どんなところで受けられるのかについて詳しく紹介しているので、参考にしてください。

がん患者のための緩和ケアとは!?

緩和ケアとは「生命を脅かす疾患による問題に直面している患者とその家族に対して、疾患の早期より痛み、身体的問題、心理社会的問題、スピリチュアルな問題に関してきちんとした評価をおこない、それが障害とならないように予防したり対処したりすることで、クオリティー・オブ・ライフを改善するためのアプローチである。」と、WHO(世界保健機構)で定義されています。

緩和ケアの目標

緩和ケアの目標は、痛みを和らげ、感情的、霊的、精神的な幸福を向上させ、家族をサポートすることです。 医療チーム、家族、友人、カウンセラー、精神アドバイザーなど、多くの人がケアを提供し、日本では緩和ケア病棟がある病院で実施されます。

緩和ケア病棟とは

緩和ケア病棟とは、身体症状、心理的および精神的サポート、および死別ケアといった治療を提供する施設で、ホスピスとも呼ばれています。緩和ケア病棟の中には現代医療のケアだけでなく、鍼治療やマッサージ、美術や音楽療法、美容トリートメントといった補完的な治療など、幅広いサービスを提供しているところもあります。
緩和ケアは病院だけでなく、自宅でも緩和ケアを受けることが可能です。どちらも高額療養費制度の対象になりますが、費用は病院ごとで異なるので、希望する病院に相談しましょう。

がんの終末期サポートを受けられる場所

現在日本では、がんの終末期サポート(緩和ケア)は、緩和ケア病棟がある病院で受けることができます。

がん緩和ケアを支援する団体は多数ありますが、全国のがん治療連携拠点などに「がんの相談窓口」が設置されているので、まずはこちらに相談することをおすすめします。

また、がんの緩和ケアが受けられる病院については、国立がん研究センターが運営する「がん情報サービス」のHPで探すことができます。電話での問い合わせにも対応してもらえるので、参考にしてください。

【国立がん研究センター がん対策情報センター 】

自宅での緩和ケア

上記でも説明したように、緩和ケアは自宅でも受けることが可能です。訪問治療の担当医や看護師、ケアマネージャーや市区町村の担当者と緩和ケアチームが協力しながらケアを行っていきます。緩和ケアのことを詳しく聞きたい、相談したい場合は、最寄のがん相談支援センターに相談しましょう。支援センターは、下記のHPで簡単に検索できます。

がん相談支援センターを探す 】

がんの緩和ケアで使われる薬にはどんなものがある?

がんの緩和ケアで使われる薬には様々なものがありますが、主なものはがんの痛みを取り除くための「痛み止め」です。
痛み止めには多くの種類がありますが、一般的に広く使用される鎮痛薬であるアスピリンやアセトアミノフェン、鎮痛薬に効果がない痛みにはモルヒネやオキシコドンなどの医療用麻薬が使用されます。医療用麻薬は飲む薬や注射、張り薬など多様な薬型があり、患者の状態に合わせて選択することができます。

また、骨や神経への転移で強い痛みが生じている場合には、原因となる神経に麻酔を注入する神経ブロックが行われることもあります。
その他、緩和ケアでは患者の症状に合わせて吐き気止めや抗不安薬、睡眠薬などの薬が併用され、患者の痛みや不快な症状を取り除き、安泰な生活を目指すサポートが行われます。

がん終末期の患者と介護者が考えること

患者と家族、または介護者は以下の事柄について考えておきましょう。

財務および法律上の問題

財政や法律的な問題を弁護士に依頼し、家族の保険契約、財政、および患者の意志などについて確認すること大切です。友人や家族、雇用主、財務顧問など、家族が死亡したときに連絡を取る必要がある人々のリストを作成しましょう。 また、重要な書類、PCや携帯電話のパスワード、車のキー、クレジットカード、パスポートなどがどこにあるかのリストも作成するようにしてください。

葬儀の準備

おそらく、この過程の中で特に難しいのは、葬儀を計画することかもしれません。 話しにくい内容だとは思いますが、予算やどのような葬儀を望むのかについて、しっかりと話し合いましょう。

おわりに:支援センターなどに相談しながら納得のいく緩和ケアを選択しよう

末期がんの診断を受けることは、本人だけでなく、家族や親しい友人にとってもショックなことです。患者自身や家族の力だけでは、穏やかに過ごすことは難しい場合もあるでしょう。全国のがん治療連携拠点に設置されている「がんの相談窓口」や、緩和ケア病棟がある病院に相談しながら、患者と家族みんなが納得できる緩和ケアを受けれるようにしましょう。

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