記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2017/6/26 記事改定日: 2018/2/22
記事改定回数:1回
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
記事監修医師
東大医学部卒、セレオ八王子メディカルクリニック
二宮 英樹 先生
運動中、または運動後にじんましんが起こることがあります。これを運動誘発じんましんとよびます。運動誘発じんましんは、じんましんや他のアレルギー症状を引き起こす状態です。今回は運動中にじんましんを起こす運動誘発性じんましんについてご紹介します。
運動誘発性じんましんの症状や治療法を以下に示します。
運動誘発性じんましんでは、下記のようなアレルギー症状を引き起こす可能性があります。
・じんましん(少し膨らんだ斑状の赤い湿疹)
・皮膚のかゆみ
・皮膚の潮紅
・呼吸困難や窒息感
・胃の痛み
・頭痛
・顔、舌、まぶた、または手の腫れ
運動中にじんましんに気付いたら、すぐに運動をやめる必要があります。じんましんが5〜10分で消えない場合や、ほかの症状(呼吸が苦しい、喉がヒューヒューする、お腹が痛いなど)がある場合は、すぐに医師に相談しましょう。
今後ずっと運動をやめる必要はありません。ただししっかりとした対処が必要です。医師が処方する薬を服用し、症状が現れ始めたらすぐに運動のペースを落とすか、運動を止めるようにすれば、ほとんどの症状は制御できるといわれています。症状を理解し、周囲の人にサポートしてもらいましょう。
また、一部の人は運動前に特定の食物を摂取すると、アレルギー症状が起こりやすくなるといわれています。
事前に数週間ほど食べるものを記録し、食物に関連すると思われる症状に気付いた場合は、食べるのをやめましょう。これでじんましんが止まるかどうかを確認します。また医師から、食事後4〜6時間は運動をしないように指示されることもあります。
場合によっては特定の抗ヒスタミン薬などで、症状を予防することができます。アレルギー反応を誘発するものが特定されれば、原因となるものを割けることが一番良い予防法です。かゆみが強い場合は、弱いステロイド軟膏を使うことがあります。
かゆみの治療のためにステロイドの軟膏を使用する場合、顔や性器領域にステロイドクリームをつける時は注意しましょう。これらの部位は皮膚が薄いのでステロイドが過剰に吸収されるためです。 ステロイドが肌質を弱め、肌に他の問題を引き起こす可能性があります。
もし何回も繰り返す場合は、自分で注射できるアドレナリンと呼ばれる薬が処方されることがあります。症状が始まってすぐに投薬されれば、重症化を防ぐことができます。
運動中、急にじんましんが出始めた場合は、すぐに運動を中止して安静にしましょう。そしてしばらくしてもじんましんが治らない場合は、医師の診断を受けましょう。運動誘発じんましんが起こったとしても、この先運動ができないわけではありません。医師と相談して適切な予防と治療を行いましょう。