あら?赤ちゃんの頭の形がいびつかも…!斜頭症でも大丈夫?

2017/8/14 記事改定日: 2017/9/2
記事改定回数:1回

山本 康博 先生

記事監修医師

東大医学部卒、独立行政法人国立病院機構東京医療センター

山本 康博 先生

二宮 英樹 先生

記事監修医師

東大医学部卒、セレオ八王子メディカルクリニック

二宮 英樹 先生

赤ちゃんの頭が平坦になってたり、ゆがんでいたりする、斜頭症。重症度には様々なレベルがあり、妊娠中または出産後に発生する可能性がある疾患です。
枕など市販のグッズを試してみたり、寝かせ方をいろいろ変えてみたりするなど親としてはとても心配になることでしょう。
ここでは斜頭症の症状や治療法について解説します。

斜頭症の症状

斜頭症とはおもに長時間仰向けで寝ることによって頭蓋骨に圧迫がかかっておこる頭の形が歪むことをさします。斜頭症では見た目の問題はありますが、脳に大きな障害は生じません。

頭蓋骨はいくつかの骨が組み合わさってできていますが、乳幼児のあいだは骨と骨の間が融合されておらず、すき間が空いています。その理由は、乳幼児において脳が発達して大きくなっていく期間中は、頭蓋骨もそれに伴って大きくなっていかなければいけないからです。2歳前後で骨は融合し、すき間はなくなります。

しかし、何かの理由で骨の融合が早くおこってしまうことがあります。

これを頭蓋骨早期融合症といい、早期融合した骨によって頭の形が違い、斜頭症との区別がつきにくいこともあります。
斜頭症の場合、いくつかの点に気をつけて様子を見ていれば成長につれて改善されていきますが、頭蓋骨早期融合症の場合は外科的な手段をとらないと脳に圧迫がかかり、脳障害をおこす危険性もあります。

 

医師は、赤ちゃんの斜頭症の徴候のタイプと重症度のレベルに基づいて症状を特定します。症状は以下のとおりです。

・頭の背面、側面、または前面に平らな領域がある
・髪が部分的に欠如しているところがある
・頭の形が歪んでいる
・不均一な耳(片方の耳が頭の前方に、または上方に押し込まれている)

重度な症状として以下のものが挙げられます。
・赤ちゃんの頭蓋骨の真ん中にある柔らかい窪みがない
・ゆがんだ顔面、または他の顔面欠陥
・頭のサイズが小さい、成長しない

斜頭症はどのように診断されますか?

新生児の頭蓋骨はもともと柔らかく、時間の経過とともに成長し、形が変わっていきます。定期的に観察を続けることによって、赤ちゃんの頭が成長していないか、もしくは奇形に見えるかどうかがわかるでしょう。

赤ちゃんの頭を上から見ると観察しやすいと思います。赤ちゃんの頭に平坦な部分を見つけた場合、写真を撮ってその部分の変化を監視しておきましょう。その場所に変化がないか悪化した場合は、医師に相談してください。

ただ、先天性の斜頭症が疑われる場合は、X線(レントゲン)などの追加検査をすることがあります。

斜頭症を予防または回避することができますか?

斜頭症の発症を予防する方法はいくつかあります。睡眠中に頭の位置を少しずつ変え、目を覚ましているときは腹ばい状態にしてください。
また、特別なマットレスや枕を使用して、赤ちゃんの頭に負担をかけないようにしましょう。

斜頭症の治療

赤ちゃんの頭の状態に基づき、頭蓋骨がまだ形成中の、3~18ヶ月の早い年齢で治療を始めることが推奨されています。

寝る姿勢を変えることは、頭の位置を定期的に変える方法を赤ちゃんに教える練習にもなり、斜頭症の予防または矯正に役立ちます。方法は次のとおりです。

・腹ばい寝の時間をとる。これは首を強くするのにも役立します
・赤ちゃんが車の座席、ベビーキャリア、ベビースイングなどにいる時間を減らす
・授乳中に抱く姿勢を変えると、斜頸(捻挫した頸部の筋肉)の予防にも役立つ

ベビーベッドには、同じ姿勢で寝かせ続けないでください。赤ちゃんのSIDS(乳幼児突然死症候群)防止のためには背中を下にして寝かせるべきですが、親の動く方向を赤ちゃんが見えるように姿勢を変えるようにしてください。また、ベビーベッドの上方に動くものを置くことで、頭の動きを助けることができます。

もう1つの選択肢は、成功率の高い治療法として知られている「ヘルメット療法」です。頭蓋骨の形を整えるために数ヶ月間、医療用ヘルメットを着用します。

おわりに:斜頭症は自然に治る可能性も高いです

斜頭症が先天的でも後天的でも、成長するにしたがって自然に治ったり、治療で修正したりで通常の生活ができる可能性は高いです。また、脳の成長や機能に問題が生じることはまずありません。
しかし、未治療のまま放置すると、子供は発達的、または心理的に困難にさらされる可能性があります。
必要以上に心配する必要はありませんが、赤ちゃんが育つ過程で、医師と相談しながら治療やカウンセリングを施してあげましょう。


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