斜頭症は体にどう影響する?ヘルメット治療とはどんな治療なの?

2017/8/14 記事改定日: 2018/8/3
記事改定回数:1回

山本 康博 先生

記事監修医師

東大医学部卒、独立行政法人国立病院機構東京医療センター

山本 康博 先生

二宮 英樹 先生

記事監修医師

東大医学部卒、セレオ八王子メディカルクリニック

二宮 英樹 先生

赤ちゃんの頭が平坦になってたり、ゆがんでいたりするのは斜頭症かもしれません。親としてはとても心配になることでしょう。
ここでは斜頭症ついて解説します。斜頭症が体にどのような影響があるのか、治すことができるのかを知り、適切な対処ができるようにしましょう。

斜頭症とはどんな状態?体に悪影響はある?

斜頭症とはおもに長時間仰向けで寝ることによって頭蓋骨に圧迫がかかっておこる頭の形が歪むことをさします。斜頭症では見た目の問題はありますが、脳に大きな障害は生じません。

斜頭症と頭蓋骨早期融合症

頭蓋骨はいくつかの骨が組み合わさってできていますが、乳幼児のあいだは骨と骨の間が融合されておらず、すき間が空いています。その理由は、乳幼児において脳が発達して大きくなっていく期間中は、頭蓋骨もそれに伴って大きくなっていかなければいけないからです。2歳前後で骨は融合し、すき間はなくなります。

しかし、何かの理由で骨の融合が早くおこってしまうことがあります。

これを頭蓋骨早期融合症といい、早期融合した骨によって頭の形が違い、斜頭症との区別がつきにくいこともあります。
斜頭症の場合、いくつかの点に気をつけて様子を見ていれば成長につれて改善されていきますが、頭蓋骨早期融合症の場合は外科的な手段をとらないと脳に圧迫がかかり、脳障害をおこす危険性もあります。

症状のレベル

医師は、赤ちゃんの斜頭症の徴候のタイプと重症度のレベルに基づいて症状を特定します。症状は以下のとおりです。

  • 頭の背面、側面、または前面に平らな領域がある
  • 髪が部分的に欠如しているところがある
  • 頭の形が歪んでいる
  • 不均一な耳(片方の耳が頭の前方に、または上方に押し込まれている)

重度な症状として以下のものが挙げられます。

  • 赤ちゃんの頭蓋骨の真ん中にある柔らかい窪みがない
  • ゆがんだ顔面、または他の顔面欠陥
  • 頭のサイズが小さい、成長しない

斜頭症を発見するにはどうすればいい?

新生児の頭蓋骨はもともと柔らかく、時間の経過とともに成長し、形が変わっていきます。定期的に観察を続けることによって、赤ちゃんの頭が成長していなかったり、奇形かどうかが見分けやすくなるでしょう。

確かめるときは、赤ちゃんの頭を上から見ると観察しやすいと思います。赤ちゃんの頭に平坦な部分を見つけた場合、写真を撮ってその部分の変化を監視しておきましょう。その場所に変化がないか悪化した場合は、医師に相談してください。

ただ、先天性の斜頭症が疑われる場合は、X線(レントゲン)などの追加検査をすることがあります。

斜頭症の治療「ヘルメット治療」とは

斜頭症の治療では、頭の形に合わせて調整できるヘルメットをほぼ1日中、約半年に渡って装着するという「ヘルメット治療」が行われます。

ヘルメット治療で使用されるヘルメットは「リモデリングヘルメット」と呼ばれるもので、長時間装着することで頭蓋骨の歪みを矯正して美しい形に再形成する効果が期待できます。

ヘルメット治療を希望して病院を受診すると、まずはレントゲンやCTなどで頭蓋骨の歪みのタイプを調べる検査が行われます。そして、ヘルメットの作成が行われますが、治療開始後の2~3か月までは2週間、その後は1か月ごとにヘルメットの形を微調整する必要があります。

生後4~7か月の間に治療を開始する必要があり、多くは1歳頃に治療が終了します。
ヘルメット自体が脳に悪影響を与えることはありませんが、かぶれやあせもができやすい赤ちゃんではヘルメット内が蒸れて皮膚にダメージが加わることがあります。また、頭蓋骨の変形が水頭症などの脳の病気である場合には無理に矯正を行うことで病状が悪化することもあるため、事前に適切な診断を受ける必要があります。

ヘルメット治療の費用

ヘルメット治療は健康保険の適応にならず、ヘルメットの購入や治療前の検査、診察などは全て自費となります。
ヘルメット自体が高額なため、全ての費用を合わせると40~50万円ほどかかるのが相場と言われています。非常に高額な治療になるため、治療を開始する前には医師とよく話し合い、メリットとデメリットをよく考慮して治療を行うか決めましょう。

おわりに:斜頭症は自然に治る可能性もある。医師に相談しながら経過を見ていこう

先天的な斜頭症でも後天的な斜頭症でも、成長するにしたがって自然に治ることもあります。斜頭症であれば脳の成長や脳の機能に問題が生じることはほぼないといわれていますので必要以上に心配することはありませんが、未治療のまま放置すると子供自身が苦しむことになるかも知れません。
頭蓋骨早期融合症の可能性もありますので、まずは医師に相談し、経過を観察しながら適したタイミングで対処をしていきましょう。


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