その頭痛、鼻風邪が原因かも? ~ 症状や治療法をチェック! ~

2017/8/2

山本 康博 先生

記事監修医師

MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長
東京大学医学部卒 医学博士
日本呼吸器学会認定呼吸器専門医
日本内科学会認定総合内科専門医
人間ドック学会認定医
難病指定医
Member of American College of Physicians

山本 康博 先生

「目と目の裏側あたりがズーンと痛い…偏頭痛かな?」――それ、もしかしたら鼻風邪による頭痛かもしれません。

鼻風邪に伴う頭痛は、偏頭痛や緊張性頭痛などと間違えられることが多々あります。しかし、頭痛の治療法は頭痛の種類によって大きく異なるため、自分の頭痛の原因をはっきりさせることが非常に重要なのです!この記事で症状をチェックしてみてくださいね。

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鼻風邪による頭痛の特徴は?

鼻風邪を発症すると、副鼻腔(おでこ、頬骨、鼻柱の裏側にある空洞)がふくらみ、粘液の分泌が増加する一方、粘液を外に出す経路が塞がってしまいます。その結果、副鼻腔で圧力が高まり、頭痛のような痛みが生じることがあります。

鼻風邪からくる頭痛の特徴は、「おでこや頬骨、鼻柱の内側の深いところで持続的な圧迫感や痛みを感じる」という点です。この痛みは頭を急に動かしたときや該当箇所を押したときに強くなることが多く、さらに鼻水や鼻詰まり、耳詰まり、発熱、咳、のどの痛み、顔の腫れといった症状も同時に出るのが特徴です。

鼻風邪による頭痛を治療するには?

鼻風邪に伴う頭痛を治療する際には、頭痛だけでなく、その原因も同時に治していく必要があります。薬による治療法とその他の効果的なセルフケアについて、以下でご紹介していきます。

薬による治療法

鼻風邪による頭痛に効果的な薬は下記のとおりです。

抗ヒスタミン薬

鼻炎の緩和に効果があるのが抗ヒスタミン薬です。抗ヒスタミン薬(またはうっ血除去薬)と一緒に抗生物質が処方されるケースもあります。

鎮痛薬

鼻風邪による頭痛には、アセトアミノフェン、イブプロフェン、ナプロキセンナトリウムなどの鎮痛薬が効果的です。ドラッグストアでも上記の薬は購入できますが、服用時は必ずラベルの指示に従ってください。

鎮痛薬で効果が得られなかったときは、医師に相談してみましょう。副鼻腔の炎症を抑える副腎皮質ステロイドが処方される場合があります。

鼻の充血を抑える薬

腫れと鼻水の分泌を抑え、頭痛の原因である鼻詰まりを緩和します。ドラッグストアでは、主にスプレータイプのものが販売されているでしょう。ただし、スプレーしすぎると充血が悪化することもあるため、連日の使用には注意が必要です。

なお、鎮痛薬をあまり頻繁に服用しすぎると薬物乱用性頭痛(鎮痛薬の過量投与によって引き起こされる頭痛です)になってしまう可能性がありますので注意しましょう。また、充血を抑える薬は血圧を上昇させることがあるので、高血圧の人は服用前に医師に相談してください。

ステロイド入りの鼻噴霧器

頭痛の原因となる鼻の充血と痛みを抑えるため、内服薬と一緒に鼻噴霧器が処方されることがあります。

セルフケア

薬の服用以外にも、下記のセルフケアで鼻風邪や頭痛は緩和できると考えられています。

部屋を保湿する

乾燥した空気で鼻の炎症が悪化する恐れがあります。部屋に加湿器を置いたり、吸入器を使ったりして、吸い込む空気に湿気を与えましょう。お湯で濡らしたタオルを顔に数分間当てたり、生理食塩水を鼻の穴に噴霧したりするのも効果的です。

鼻洗浄する

バルブシリンジやネティポッドを使って、食塩水(または生理食塩水)で鼻洗浄するのも症状の緩和に効果的といわれています。鼻に潤いがもたらされ、鼻水が一掃されることで副鼻腔にかかる圧力が小さくなり、頭痛が改善されることでしょう。

鼻洗浄の際は、蒸留水か無菌水あるいは一度沸騰させた熱湯を冷ました水を使うようにしましょう。ネティポットは使用後に毎回しっかり洗い、空気で乾燥させてください。

刺激物は避ける

芳香剤やタバコの煙などの刺激物は鼻の炎症を悪化させる可能性があります。鼻風邪の治療中は、これらのものを避けてください。

こんなときは病院へ

上記の治療をしても症状が改善しなかったり、激しい頭痛や熱、痛み、顔や目の腫れ、目や頬周辺の赤みなどが現れたりした場合はすぐに医師の診察を受けてください。
非常にまれではありますが、あまりにも鼻の炎症や頭痛が深刻な場合は副鼻腔を手術し、ポリープの除去や副鼻腔の切開を行うケースもあります。

おわりに:頭痛のタイプに合った治療法を!

ご紹介してきたとおり、鼻風邪からくる頭痛にはさまざまな特徴がありますが、当てはまる症状はあったでしょうか。鼻風邪による頭痛の場合、頭痛薬の服用だけでは根本的に症状を改善させることはできません。しっかり症状を見極め、適切な治療をしていくことが大切です。

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