記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2017/7/11 記事改定日: 2019/9/26
記事改定回数:2回
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
外耳炎とは、過度な耳掃除などで外耳道の皮膚が傷ついたことが原因で起こる、耳の感染症の一種です。身近な病気ではありますが、慢性化したり、まれに合併症を引き起こすことがあります。
この記事では、慢性化した外耳炎の症状について詳しく解説していきます。
外耳炎の症状が数ヵ月~何年も続く場合、慢性外耳炎に発展する可能性があります。
具体的な症状としては以下のものがあります。
外耳炎には以下のような初期症状や兆候が見られます。慢性化を防ぐためにも、当てはまる項目が多い場合は放置せずに早めに病院を受診するようにしましょう。
慢性外耳炎はアクセサリーなどによる接触性皮膚炎が原因のことが多いため、症状を改善するにはアレルギーの原因となる物質の特定が大切です。
また、かゆみや湿疹などの症状に対しては、ステロイド軟膏(塗り薬)が使われます。塗り薬を使用しても症状が改善しない場合はステロイドの飲み薬の使用が検討されます。
外耳道内の細菌感染が疑われるようなケースでは抗生物質入りの点耳薬を使用するなどそれぞれの症状や原因に合わせた治療が行われます。
まれに外耳炎による合併症が起こることがあります。主な合併症は以下のとおりです。
膿瘍とは、耳の中や周囲にできる痛みを伴う腫瘍のことです。基本的には自然に治癒しますが、症状によっては病院で膿を出してもらう必要があります。
慢性外耳炎の場合、耳の皮膚が外耳道内に蓄積することで外耳道が狭くなり(狭窄)、聴力に影響を及ぼしたり、聴覚障害を引き起こしたりすることがあります。ただ、点耳薬で治療できるケースがほとんどなので、そこまで深刻な症状ではありません。
外耳炎の炎症が鼓膜にまで広がり、膿が内耳の内側に蓄積されることで鼓膜が破裂(裂傷)することがあります。以下の症状が見られる場合、鼓膜に何らかの炎症が起きている可能性があります。
多くの場合、鼓膜の破れはおよそ2〜3ヵ月で自然治癒しますが、改善の兆候が見られない場合は、手術が必要になることがあります。
蜂巣炎とは、外耳炎の後に起こりうる細菌性の皮膚感染症です。皮膚の表面に生息する菌(通常であれば無害な菌です)が、損傷した部位を通過し、皮膚の深い層に入ったときに引き起こされます。蜂巣炎の症状は以下のとおりです。
大部分の蜂巣炎は、抗生物質を1週間服用することで治療できます。ただし、深刻な病気にあった人や感染の影響を受けやすい人に蜂巣炎が起こった場合、入院が必要になるケースもあります。
悪性外耳道炎は深刻な合併症ですが、発症するのは非常にまれです。悪性外耳道炎になると、外耳道を囲む骨にまで感染が広がります。
悪性外耳道炎は、子供よりも成人がかかりやすいとされています。とくに糖尿病やHIVで免疫力が低下している成人は発症率が高いといわれています。
悪性外耳道炎の兆候や症状は、以下のとおりです。
悪性外耳道炎は治療を受けなければ、最悪の場合、死に至ることがあります。しかし、抗生物質や手術などの適切な治療を受ければ、損傷した組織を除去し、症状を改善することができます。
外耳炎になると、耳が痛くなったり、耳だれが出てきたりします。外耳炎自体はそこまで深刻な病気ではありませんが、放置しておくと耳の骨にまで感染が広がったり、鼓膜が破れたり、合併症に発展することがあります。
気になるサインが現れた段階で病院を受診するようにしましょう。
※抗菌薬のうち、細菌や真菌などの生物から作られるものを「抗生物質」といいます。 抗菌薬には純粋に化学的に作られるものも含まれていますが、一般的には抗菌薬と抗生物質はほぼ同義として使用されることが多いため、この記事では抗生物質と表記を統一しています。
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