高齢者が目の健康を長く保つためにできること

2017/7/2

渡辺 先生

記事監修医師

東京都内大学病院眼科勤務医

渡辺 先生

視力は、誰でも年を重ねるにつれ、衰えていくもの。65歳くらいまでのうちに、ほとんどの人が眼鏡やコンタクトレンズの使用が必要になります。
しかし、度数の合ったレンズを使用するなど、常に気をつかうことで視力の衰えを遅らせることも可能です。
ここでは、高齢者が目の健康を保つためにできることを集めてみました。

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定期的に視力検査を受ける

視力検査は、度数の合った眼鏡を使用しているかどうかを確認するためだけにあるのではありません。目の健康を維持するうえでも大切な検査なのです。視力検査から、緑内障や白内障といった目の病気を発見することができますし、糖尿病や高血圧などの一般的な疾患を発見することもできます。

しかし、多くの高齢者は定期的な視力検査を受けていないといいます。検査を受け、視力に合った眼鏡をかけると、バランス感覚や体の動きが良くなるだけでなく、目を健康に保つのを助けてくれます。

度数の合ったメガネやコンタクトレンズを使う

視力検査をすると、眼鏡やコンタクトレンズの度数を新しくしたほうがよいかどうかが分かります。
眼科で処方された度数のレンズを使用することが大切です。こうすることで、生活の質も高まりますし、転倒などの事故も防げます。

日常生活でできること


定期的な視力検査や自分に合った正しい眼鏡をかけること以外にも、以下に気をつけてできるだけ目を健康に保つようにしましょう。

よく食べる

健康的でバランスのとれた食事をすることは、目の健康を保つためにも重要です。野菜や果物をたくさん食べることで、全体的な体の健康維持にもなりますし、白内障や加齢性黄斑変性症(AMD)の予防にもなります。

サングラスをかける

強い太陽光は目を傷め、白内障のリスクを増大させます。サングラスをかけるか、UVカットのコンタクトレンズを装着して、太陽光から目を守ってください。

タバコをやめる

喫煙は、白内障や加齢性黄斑変性症、中心性漿液性脈絡網膜症のリスクを増大させます。

健康な体重を維持する

体重が増えすぎると糖尿病のリスクが高まります。糖尿病が原因で視力を失ってしまう場合もあります。

適切な照明を使う

60歳の人がよく見えるようにするには、20歳の頃と比較すると三倍近くの光量が必要になります。窓をきれいにしてカーテンを開け、なるべく部屋に自然光が入るようにしましょう。とくに、段差が良く見えるように階段に適切な照明があるかどうか確かめましょう。読書などの細かい作業をする場合、電気スタンドを適切に使用してください。この時、手元が反射してまぶしくならないように注意してください。

運動をする

代謝を良くし、酸素を体に取り込むことは、目の健康にとって重要です。一般的な運動であれば、どんなものでもこの二つの要素を含んでいます。

よく寝る

寝ている間、目は常に潤っていて、日中に入り込んでしまった埃や煙などを取り除く働きをします。

おわりに:病気による異変の場合はすぐ医師にかかりましょう

すべての人に訪れる目の老化。視力の衰えだけならまだしも、年齢を重ねるごとに飛蚊症や白内障、緑内障など、目の疾患を患うリスクも高くなっていきます。
これらは生活習慣を整えれば治る、遅らせられるというものではありませんし、絶対に悪化させてはいけません。おかしいなと思ったら、なるべく早く医師にかかりましょう。

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