アルコールの飲み過ぎによるリスク、その治療法とは?

2017/7/11

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

いつもお酒のことを考えてしまう、飲まずにはいられない、飲みだしたらとまらない・・・、もはや自分の意識だけで欲求のコントロールができなくなってしまうほどの状態を依存症といいます。アルコール依存に陥ると、日常の生活に様々な支障をきたし、仕事はもちろん、家族との関係も無事には済みません。心身の健康に害をもたらすことは言を待たないでしょう。 アルコール依存症のすべてにおいて兆候が明らかであるとは限りません。また、独力での立ち直りはまず困難です。医師の適切な指導、家族や周囲のサポートが不可欠となります。

飲酒習慣を見直してみましょう


飲酒量を定数化したアルコール単位という概念があります。10mlまたは8gの純粋なアルコールを1単位とし、これは平均的な成人が1時間で処理できるアルコール量に相当します。1単位のお酒の例として、ビール250ml(アルコール度数3.5%)、ウィスキー、ウォッカなどのスピリッツ25ml(アルコール度数40%) グラスワイン約85ml(アルコール度数11.5%)などが挙げられます。男性の場合は週14単位、女性は週7単位までが適量とされています。個人差があり、欧米に比べて体格の小さい日本人にそのまま適用すべきではありませんが、ひとつの目安となります。1週間あたり上記の単位以上ないしは、1日あたり3単位以上の飲酒量は、「飲みすぎ」です。さらに、週35単位以上の男性、週21単位以上の女性の場合は、「危険」なものとなります。
リラックスするため、眠りにつくために必ずお酒を用意したり、子供の世話のときにもお酒を飲んでいるなど、身近にアルコールがあることが常態化している場合は、注意してください。よくお酒を飲んでいる人ほど、定期的に自身の飲酒習慣を見直すようにしましょう。

合併症状を引き起こしてしまうことも

お酒を飲みすぎると気分が悪くなって、めまいを感じたり嘔吐をしてしまうことがあります。深酒が長期化することにともなって、体重の増加、口臭、肌荒れをきたしていき、徐々に感情のコントロールができなくなり、うつな気分をまぎらわせるために、さらにお酒を求めてしまい、震えや錯乱を生じて重症化します。肝臓へのダメージが蓄積し、肝臓の病気を引き起こす可能性があります。 妊娠中に赤ちゃんに重大な影響を及ぼす可能性があります。 また、出血性潰瘍や胃粘膜の刺激のために胃の痛みを引き起こす可能性があります。

治療方法

アルコールを多飲するひとの中にはアルコール依存症と診断される方がいます。アルコール依存症は飲んでいるアルコールの量によって決まるわけではなく、朝についお酒を飲んでしまうなどお酒への依存度が強い状態をさします。アルコール依存症の原因は完全には分かっていません。 家族にアルコール依存症の人がいるとなりやすく、女性よりも男性のほうがリスクが高いと言われています。飲酒が引き起こしている問題を止める唯一の方法は、お酒をやめることです。そのためには、強い決意と立ち直るために自ら課すプログラムが重要です。ですが、アルコール依存症の人が独力で回復することは極めて難しいと言わざるを得ません。依存症は病気なのです。医師やカウンセラーのサポートは最高の味方となります。医療施設以外にも、回復を支援する団体やリハビリ施設が置かれています。家族や友人などにも協力をあおぎながら、アルコール依存に立ち向かっていきましょう。

くれぐれもお酒はほどほどに


お酒は百薬の長とも言われるように、適度な飲酒による健康的なメリットはかねてから知られています。ですが、度がすぎてしまうと徐々に心身にきたして、やがてお酒から抜け出せなくなってしまいます。先にも述べましたが、アルコール依存からの立ち直りは困難を極めます。お酒好きでいるためにも、日々の習慣をたいせつにしてください。

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