プロテインは筋肉痛の回復に役立つの?BCAAとの違いとは!?

2017/7/5 記事改定日: 2018/6/4
記事改定回数:1回

山本 康博 先生

記事監修医師

MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長
東京大学医学部卒 医学博士
日本呼吸器学会認定呼吸器専門医
日本内科学会認定総合内科専門医
人間ドック学会認定医
難病指定医
Member of American College of Physicians

山本 康博 先生

筋トレをしている人の中にはプロテインを飲んでいる人もいると思いますが、プロテインは筋肉痛の回復にも効果があるのでしょうか。
この記事では、プロテインの正しい摂取方法について説明しています。プロテインは正しく飲まないと期待する効果が得られないこともあるので、この機会に正しい知識を身につけましょう。

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プロテインで筋肉痛を回復できる?

タンパク質は、筋肉を含むすべての身体組織の構築と維持のために必要な栄養素です。タンパク質(プロテイン)は筋肉増強に使われ、アミノ酸で構成されています。手軽に扱えるプロテインとして、プロテインパウダーが有名でしょう。シェイク、バー、カプセルなど、さまざまな形態で販売されていて、用途に合わせて使い分けることもできます。

プロテインは、ショップでもオンラインでも購入可能です。プロテインは、筋肉の成長を促進し、代謝を助け体脂肪減少に役立つだけでなく、筋肉痛の回復や疲労回復にもつながります。

プロテインの過剰摂取のリスク

長期間に渡ってタンパク質を過剰に消費すると、骨粗しょう症の危険性が増し、腎臓の病気を悪化させる可能性があります。
タンパク質の補給のためにプロテインを使っている人は、摂りすぎないように注意しましょう。

プロテインの1日の摂取量

体に必要なタンパク質の摂取量は、通常であれば1日につき、体重1kgあたり1gと推奨されています。一方、筋肉量を増やしたいときにはタンパク質の必要量は約2倍となります。
このため、普段から運動をしている人や筋肉痛を治したい人は体重1kgあたり2gのタンパク質が必要です。
私たちは食事からもタンパク質を摂りますので、通常であれば体に必要なタンパク質は食事から摂取できます。しかし、筋肉量を増やしたい人は、一日体重1kgあたり1gのタンパク質をプロテインで摂取することが推奨されていますので、摂取量に気をつけてください。

プロテインとBCAAの違い ― どうやって使い分ければいい?

プロテインもBCAAも筋肉を増強したいときに使用するサプリメントの一種です。しかし、その成分や効果はそれぞれ異なり、この2種類のサプリメントを使い分けることでより効果的に筋肉を増強することができます。

まず、プロテインは、タンパク質そのものであり、BCAAはアミノ酸であるロイシン、イソロイシン、バリンの三種類が含まれているものです。タンパク質は分解されるとアミノ酸になるため、プロテインにはBCAAの成分も含まれているといえます。

プロテインもBCAAも筋肉の増強に役立ちますが、筋肉を形成するためのアミノ酸を含み、吸収の早いBCAAは筋トレ最中や筋トレ直後摂取するのが効果的であり、プロテインは吸収されるのに時間がかかるため、筋トレの一時間前や起床時などの摂取が推奨されています。

プロテインを摂るタイミングはいつがいいの?

プロテインは体内に吸収されるのに時間がかかるため、筋肉痛を回復したい場合には、運動の一時間前や運動後、就寝前、起床時などに摂取すると効果的です。
また、運動後にプロテインを摂取するときには、糖分と一緒に摂ることで筋肉の修復が促されるので、プロテインシェイクの中に果物やはちみつなどを混ぜるのがおすすめです。

トレーニングする人のための食事のアドバイス

優れた食生活は、健康状態を維持するだけでなく、運動で良い結果を得るための手助けになります。日1回またはそれ以上のトレーニングをしている人は、以下のことに注意して食事を摂るようにしましょう。

運動量と食事量

毎日運動している場合は、運動しない場合よりも多くのエネルギーを消費します。現在健康的な体重を維持していて、体脂肪を減らす必要がない場合は、体重を維持するために食べる量を増やす必要があります。

また、最近は低糖質(低炭水化物)ダイエットが流行していますが、炭水化物を過度に制限してしまうことは危険です。筋肉の回復のためには、タンパク質だけでなく、炭水化物やビタミンも必要になるので、健康を維持するためにもバランスの良い食事を心がけましょう。

運動と食事の時間

運動前の食事

消化には時間が必要です。食事や軽食をとったら、運動を始めるまで1~4時間待ちましょう。食べた量によって間隔を調整が必要ですが、通常の食事の場合は、運動の2~3時間前に済ませるようにしましょう。
次に運動を開始するまで1時間ほどしかない場合は、低脂肪の炭水化物食品を摂るようにしましょう。これは、タンパク質や脂肪が多すぎると、胃の中の食べ物の動きが遅くなり、運動時のパフォーマンスが落ちるからです。

運動後の食事

筋肉の成長と修復を助けるために、運動後の食事は大切です。トレーニングが終了してから30~60分以内にタンパク質やアミノ酸が豊富な食べ物や飲み物を摂取するようにしましょう。

おわりに:筋肉痛を回復させるためにも、プロテインの正しい摂取方法を知っておこう!

プロテインとはタンパク質のことです。筋肉痛は筋線維が損傷している状態ですから、修復のためには当然タンパク質が必要になります。そういう意味では、プロテインは筋肉痛の回復に役立つと言えるでしょう。
ただし、プロテインの過剰摂取は腎臓に負担をかける可能性があるため危険です。また、効率よく筋肉を回復させたいのであれば、BCAA(アミノ酸)の方が向いている場合もあります。プロテインとBCAAを上手く使い分けながら、バランスのよい食事を心がけることをが大切です。

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