現代病・こどもの肥満 今、肥満児が増えています

2017/1/24

強烈な印象を残す有名すぎるフレーズが昔のCMにありました。
「わんぱくでもいい。たくましく育ってほしい。」
時代は高度成長期、日本はどんどん豊かになっていました。

しかし、肉はまだまだ食卓のメインメニューではありませんでした。
そんな時代背景のなか、CMで、父親が笑顔でフレーズをつぶやきながら、
子どもにハムをがんがん食べさせます。

団塊のジュニア世代がメインの親となっている現代、
このフレーズに影響を受け、肉を食べさせてたくましく育てた結果なのかどうか、
肥満の子どもの率も高くなっています。

街中で発育のいい大きい子どもを目にすることも多くなったような気がしませんか?
実際、文部科学省のデータでも、昭和50年前半と平成15年以降を比較すると肥満児童の数は、6歳で 約2倍、12歳で約1.5倍に増えています。

感覚的にも、データ面からも、間違いなく子供は大きくなっていて、肥満児も増えているということになります。
しかし、そもそも、子どもが太っていると何が問題なんでしょうか?

冷凍宅配食の「ナッシュ」
冷凍宅配食の「ナッシュ」

なぜ、こどもの肥満は問題なのか?

見た目が太っていることでいじめられるのは、「医学的」には問題ありません。問題なのは、肥満が原因となっている生活習慣病を抱える子供がいる、または、将来、肥満が原因で生活習慣病になる可能性が高くなる、ということなんです。
メタボ、高血圧、糖尿病、高脂血症etc…
中年の病と思われている生活習慣病に、子どももなってしまうのです。
ぽっちゃりして丸い子どもは、愛嬌があってかわいくも見えるし、少食のこどもよりもよく食べる子のほうが成長盛りで見ていてうれしくもなります。よく食べる子どもの姿から生活習慣病になるとは想像もできません。
しかし当然、まわりから馬鹿にされたり、見た目を気にしすぎてメンタルを壊す恐怖のことも考えなければいけません。
子どもがそんな事態にならないように、肥満の原因を探って、その対策を考えていきましょう。

こどもの肥満は保護者の責任

太っている保護者の子どもが太る確率は、痩せている保護者の子どもより高くなります。
実際に統計的にも、
両親ともに肥満の子どもの肥満率:80%
父親が太っている:30%
母親が太っている:70%
両親共に普通:10%
の数字になっています。

「遺伝で太りやすい」と思うかもしれませんが、親の食事、親の生活習慣を子供も真似ている、一緒に実践しているということが最大の理由になるでしょう。
たとえば、「ラーメン大盛りに半チャーハン、餃子」を何の躊躇もなく、親子で同じように食べていたら、結果は考える間もなくあきらかです。
親子で太っているのであれば、子供の肥満をどうこう考えるより、親自身の食生活や生活スタイルを見直すことからはじめてください。
「親は子の鏡」と親のせいで、子どもを肥満にしてはいけません。子どもは親なくして成長できません。

親は太っていないし、食事も気を配っているのに、子どもは肥満という場合もあります。これは、病気や体質、親子関係や家庭環境によるストレスなどの可能性があります。
子どもは学校で健康診断があるので、なんらかの異常があれば、アドバイスや医師への相談をすすめられることになりますが、心配であれば早めに医師に相談してください。

肥満の原因・食生活

「大きくなって欲しい」からと好きなだけ、たくさん食べさせれば、結果は当然、“縦に大きくならず、横にばかり拡大”です。揚げ物や甘いものなど、高カロリーのものばかり食べていたら、肥満はさらに加速します。
肥満の原因となる食生活の習慣を以下より振り返ってください。

・メインメニューは肉、揚げ物が多い
・惣菜をよく食べる
・外食によく行く
・ジャンクフードが好き
・スナック菓子が好き
・甘いものが好き
・早食い
・よく噛まない
・大皿から好きなだけ取って食べる
・ごはん、パン、麺は、大盛りかおかわりする
・夕食時間が遅い
・寝る前に食べる
・おやつは好きなときに食べる

添加物や糖質、脂質の多い食事は栄養過多で肥満のもと。該当するものが多ければ多いほど、肥満化は避けて通れません。
また、「よく噛んだほうがいい。よく噛むとダイエットになる」というのは、食べはじめてから15分後くらいに満腹中枢が刺激されるからです。
夜や寝る前に食べるのもNG。消化に2時間は必要になるため、内臓に負担がかかります。食習慣で思い当たる部分があるのであれば、少しずつでも改善してみてください。
「特に問題になる食生活じゃないけど」という場合は、運動不足が考えられます。

肥満の原因・運動不足

運動しなければカロリーは消費できません。あなたの子どもは体を動かすことが好きで、積極的に、運動をしていますか?
水泳やランニング、球技が理想ではありますが、塾通いで時間がなかったり、安心して遊べる場所がない、近くの公園はボール遊び禁止、ゲームをやらないと仲間外れになる、など、スポーツをするのもなかな難しい部分があります。

しかし、運動と言っても、激しい運動ばかりではありません。歩くこと、家事で体を動かすのも運動です。ごろごろさず、体を動かせばいいんです。
「運動しなさい!」と強く言っても、子どもはすぐに言うことを聞くわけではありません。だから、一緒に取り組んでください。親が誘い、楽しく体を動かすことで、子どももやってみる気になります。

おわりに

肥満は一朝一夕にしてならず。不健康な生活が、子どもを肥満にします。太るだけならともかく、更なる体の不調を呼んで、本当に病気で不健康になってしまったら、それこそ一大事です。
適度な食事、適度な運動は、肥満防止や肥満の解消だけでなく、健康な成長、健康な生活につながります。
その為には、親のサポートが絶対に必要です。そのことを忘れないでください。

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