男性のカンジダ症の症状の特徴は?どうやって治療するの?

2017/8/10 記事改定日: 2019/9/30
記事改定回数:2回

二宮 英樹 先生

記事監修医師

東大医学部卒、セレオ八王子メディカルクリニック

二宮 英樹 先生

カンジダ症と聞くと女性の病気というイメージがあるかもしれませんが、男性も罹り得る病気です。
今回は、男性のカンジダ症の症状と治療法について解説していきます。

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男性のカンジダ症の症状の特徴は?

カンジダは女性に多い病気ですが、男性もカンジダにかかることがあります。
カンジダは性行為を通じてうつりますが、元々ヒトの体にいる菌であり、必ずしも性行為が原因で発症するわけではありません

代表的な症状

男性のカンジダ症では、どちらかというと兆候や症状が現れないことが多いです。
症状が出るときは、亀頭炎など男性器に現れます。
亀頭炎以外には、以下のような症状が出ることもあります。

陰茎にみられる症状

陰茎の包皮の下または陰茎の先端の炎症、かゆみ、灼熱感、赤みや赤い斑点がみられたり、陰茎の包皮の下からカッテージチーズのような見た目の排出物が出ることがあります。
(※排出物は不快な臭いを伴うことが多いです)

皮膚感染症としてあらわれる症状

皮膚感染症としてのカンジダ症の多くは、わきの下、鼠径部、指と指の間、性器と肛門の間などの、皮膚と皮膚が折りたたまれて重なるようなところで広がっていきます
肥満気味の人では、お腹の肉が重なっているところに発症することもあります。

赤く痛痒い発疹、小さな赤い点が発疹の上にできることもあり、感染した皮膚は白みがかった黄色の膿のような物質を出します。
指と指の間がカンジダ症になった場合、皮膚が厚く、柔らかく、白くなることが多いです。

男性のカンジダ症は、どうやって治療するの?

カンジダ症は薬だけで治療することができます。

カンジダ性亀頭炎の治療には、まず抗真菌剤の塗り薬を使用します。
これは、基本的には亀頭や包皮は粘膜が敏感なため、クリームよりも刺激のない軟膏を使用することが望ましいと考えられるからです。

同時に赤みやかゆみがでている場合は、微量のステロイド含有の塗り薬を使用したり、抗真菌剤の塗り薬と微量のステロイド含有の塗り薬を混合して使用することもあります。

また、細菌とカンジダが同時に発症して炎症を引き起こしている状態の場合は、抗生物質の飲み薬と抗真菌剤の塗り薬、微量のステロイド含有の塗り薬を混ぜて使用することもあります。

自然治癒する?

基本的に、カンジダ症が自然に治るということはほとんどありません。
男性のカンジダ症の症状は男性器に現われることが多いため、治療せずに放置していると患部周辺に汚れがたまりやすくなりカンジダ菌がさらに繁殖しやすくなる可能性があります。

また、カンジダ症は悪化したり再発したりすることが多い病気です。
炎症が悪化してしまうと患部に水ぶくれができたり、排尿時に痛みを伴う尿道炎の原因にもなるので、早いうちに治療を始めましょう。

市販薬はある?

カンジダ症に対する薬は市販されていますが、これらの市販薬は女性のカンジダ腟炎に使用するものです。同じくカンジダを退治するという意味では効果が期待できる可能性もありますが、男性は本来カンジダ症になりにくいため、カンジダ症を発症した場合は重症な糖尿病など免疫力の低下を引き起こす病気が背景にある可能性も考えられます。

男性でカンジダ症が疑われる症状が現れた場合は、市販薬で対処せず、必ず病院を受診して検査・治療を受けるようにしましょう。

カンジダ症の男性が治療期間中に気をつけることは?

カンジダ症はきちんと治しきらないと再発する可能性が高い病気なので治療中にも注意が必要です。
ここでは、カンジダ症の治療中に気をつけるべきことをご紹介します。

完治するまで性行為を控える

カンジダ症が完治するまで性行為はしないようにしましょう。
これはパートナーにカンジダ症をうつしてしまったり、症状が悪化するおそれがあるからです。

陰茎を清潔に保つ

感染した部分を温水で丁寧に洗いましょう(湯船をよりもシャワーを使うほうが良いでしょう)。
また、炎症を引き起こす可能性がある香料入り石鹸やゼリー状の石鹸の使用は避けてください。

カンジダ菌は湿った状況で繁殖するため洗った後は、患部をしっかり乾かして皮膚や男性器を乾燥させて風通しの良い状態を保ちましょう。

おわりに:男性のカンジダ症は早めの受診がポイント

カンジダ症は早く治療をはじめるほど治りやすくなります。
気になる症状があるときは放置せず、できるだけ早く病院で診察を受けましょう。
また、カンジダ症の症状と似た性感染症はたくさんあり、一般の人が見分けることは困難です。また、男性のカンジダ症は、背景に糖尿病などの免疫に関係した病気が隠れている場合があります。
少しでも疑わしい症状があるときは、必ず病院で診てもらいましょう。

※抗菌薬のうち、細菌や真菌などの生物から作られるものを「抗生物質」といいます。 抗菌薬には純粋に化学的に作られるものも含まれていますが、一般的には抗菌薬と抗生物質はほぼ同義として使用されることが多いため、この記事では抗生物質と表記を統一しています。

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