恐怖症の種類にはどんなものがある?どんなタイプの人がなりやすい?

2017/2/28 記事改定日: 2018/7/5
記事改定回数:1回

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

「恐怖症」は 一般的によく使う言葉ですが、不安障害の一種として位置づけられています。症状も何となく軽そうに思ってしまうかもしれませんが、重篤なケースでは日常生活に大きな影響を与えるのです。
この記事では、恐怖症の種類と原因についてみていきましょう。

恐怖症とは?

恐怖症は、物体、場所、状況、感情または動物に対して感じる、圧倒的かつ衰弱性のある恐怖のことです。特定の状況や目的に関して誇張された、または非現実的な危険感を持つときに発症します。

恐怖症が重篤になってしまうと、日常生活が制限されるだけでなく、多くの苦痛を引き起こされ、心身に異常をきたしてしまうこともあるのです。

恐怖症の種類にはどんなものがある?

恐怖症を発症する可能性がある、さまざまな種類の物体や状況があります。しかし、恐怖症は主に「限定性恐怖症」と「複雑性恐怖症」に分けることができます。

限定性恐怖症

限定性恐怖症は、特定の対象物、動物、状況または活動の周辺で起きます。小児期または思春期に発症することが多く、年を重ねるにつれて重症度が低くなることがあります。
一般的な例には次のものがあります。

動物恐怖症
犬、クモ、ヘビやネズミなど
環境恐怖症
高さ、深水、病原菌など
状況恐怖症
歯科医に行くことや飛行機に乗ること
身体恐怖症
血液、嘔吐、注射など
性的恐怖症
パフォーマンスに関する不安や性感染症感染への恐怖など

複雑性恐怖症

複雑性恐怖症は単純な恐怖症と比較して、日常生活に影響をきたすことがあります。成人期に発症する傾向があり、特定の状況についての根本的な恐怖や不安に関連していることがよくあります。一般的なものとして以下があります。

広場恐怖症

広場恐怖症では、パニック発作を持っている場合、逃げることが困難な場所や状況に対して不安を抱きます。次のような場所や状況を不安で避けます。

  1. 一人でいる
  2. レストランやスーパーなどの混雑した場所にいること
  3. 電車、バスなどの公共交通機関での移動

社会恐怖症(対人恐怖症)

社会不安障害とも呼ばれる社会恐怖症は、社会的な状況で不安を感じることです。 社会恐怖症がある場合、自分を恥ずかしく思い、人前で屈辱を受けるという恐れを感じるため、人前で話をすることが恐ろしくなります。重度の症例では、神経が衰弱し、外食や友人と会う等、日常生活に支障をきたします。

恐怖症の症状「パニック発作」の種類とは!?

恐怖症は、恐怖症の原因と接触するまでは何の症状もでないことも少なくありません。しかし、人によっては、恐怖症の原因について考えるだけで不安やパニックに陥ってしまう可能性があります。これはパニック発作として知られています。

症状には以下が含まれます。

  • 不安定、めまい、眩暈
  • 吐き気
  • 発汗
  • 心拍数の増加または動悸
  • 息切れ
  • 震えや揺れ
  • 胃がムカムカする

恐怖症の原因に頻繁に接触しなければ、日常生活には大きな影響はありません。しかし、広場恐怖症のような複雑性恐怖症がある場合、日常生活や社会生活が難しくなることがあります。

恐怖症は治療できる?

限定性恐怖症は、恐怖や不安の原因となるものや状況に徐々に慣れることで治療できます(脱感作または曝露療法)。
複雑生恐怖症の治療には時間がかかりますが、次のようなものがあります。

  • カウンセリング
  • 精神療法
  • 認知行動療法

恐怖症の治療には通常、投薬は行われません。しかし、不安の影響に対処するために薬が投与されることがあります。次のような薬が投与されます。

  • 抗うつ薬
  • 鎮静剤
  • ベータ遮断薬

恐怖症はどんな人がなりやすい?

恐怖症がどのような原因で発症するのかは明確には解明されていません。このため、どのような原因で恐怖症を発症したかを特定することは困難であると考えられています。

その一方で、恐怖症は恐怖体験が原因となっているとの説があります。例えば、混雑した公共交通機関で具合が悪くなった体験をしたことがある人は、ラッシュ時の交通機関に対して恐怖を抱くようになり、人前での失敗などで恥ずかしい思いをしたことがある人が対人恐怖症になりやすいことが挙げられます。
しかし、そのような恐怖体験をしても恐怖症にならない人の方が多く、発症には元来の性格が関与していると考えられています。神経質で完璧主義の人やマイナス思考の人が恐怖症になりやすいとされていますが、同時に周囲に相談できる人がいなく、恐怖体験を避けられない様な状態が続くことなどの環境的な要因も大きく関わっているでしょう。

おわりに:恐怖症に悩んでいるなら、ちょっとしたことでも医師に相談を

恐怖症は多くの人が一つは持っていると思いますが、心や身体だけではなく、普段の生活や行動にまで影響する立派な不安障害です。症状が深刻になるケースもありますが、それはほとんどの場合、治療可能です。何かの恐怖症でお困りの場合は、医師に相談してみましょう。

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