記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2017/7/20
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
めまいの原因は、細胞の衰え・感染症などの病気・薬の副作用など多岐に渡り、治療法もそれぞれ異なります。また、めまいは深刻な病気のサインとして表れている可能性もあるので注意が必要です。この記事では、めまいの原因について詳しく説明していきます。
めまいとは、自分が回ってる・周りが回っているなど、まったく動いていないのにまるで動いているかのような感覚があることです。
日常生活の中でこのような症状が起きている場合は、内耳の前庭(上下の感覚を伝えたり、頭の位置を感じたりする体内のバランスシステム)に問題があるサインだと考えられます。
めまいはよくある症状ですが、中には深刻な症状の兆候である可能性があります。
転倒するリスクもあるので、めまいがある場合は医師に相談したほうが良いでしょう。
めまいの原因には様々なものあり、治療や対処方法も原因によって異なります。
ここでは、めまいの原因と考えられているものについて見ていきましょう。
内耳にある小さなカルシウムが本来ないはずの場所に動いてしまうと、本来の機能を果たさずに脳に間違った信号を送ります。
これは、加齢に伴って細胞が自然に衰えることが原因で起こると考えられています。
耳の神経の炎症がめまいの原因となる可能性があります。
これは前庭神経炎または内耳炎などの感染症によって起こり、感染症が原因の場合のめまいは突然起こることが多く、耳鳴りや難聴症状を伴うこともあります。
また、発熱や吐き気や耳の痛みなどの症状も表れることもあり、一般的に数週間症状が続きます。
治療には主に抗菌薬が使われ、最初のうちは効き目が表れないこともありますが、感染が自然に治っていくにつれて徐々に効いてくるようになるでしょう。
メニエール病は、内耳に体液が過剰に溜まってしまうことで起こる内リンパ水腫が原因と考えられています。
この疾患は数時間続く激しいめまいをもたらすことがある病気です。
また、一方の耳に詰まった感じや圧迫感、耳鳴り、難聴、吐き気、不安などが表れ、発作が終わった後にはひどい疲労感を感じる場合もあります。
原因や治療法が判明していないため、多くの場合は食生活の改善(低塩分食)やめまいをコントロールする薬で治療していきます。
脳への血流が不足し酸素が足りていない状態になると、めまいや立ちくらみになったり、失神したりすることがあり、「めまいがする」という場合には脳への血流障害がある可能性があります。
原因として、貧血、出血などによる血液量の減少、心不全、不整脈などが挙げられます。
また、高齢者が突然立つと、血圧の急降下によりめまいが起こる場合があります。
薬の中には、服用することで副作用としてめまいが起こるものがあります。
以下の薬を服用していてめまいが見られる場合は、必ず医師に確認してください。
・ゲンタマイシンおよびストレプトマイシンを含む抗菌薬(いわゆるアミノグリコシド系)
・抗うつ剤
・抗てんかん薬
・降圧薬
・鎮静剤
脱水がひどくなると、血圧が下がり脳が必要な酸素を取り込めなくなるため、めまいを感じることがあります。
人は毎日汗や呼吸、尿で水分を排出しますが、多くの人は不足した水分を充分に補給できていない状態です。
これは特に、高齢者や糖尿病患者に起こりがちな問題です。
脱水症状から回復するためには、たくさんの水もしくは薄めた果汁などを飲み、コーヒーや紅茶、炭酸飲料を避けましょう。
血糖値が低すぎるとめまいが起こります。
そのため、糖尿病患者は血液中の糖分(ぶどう糖)をこまめに確認する必要があります。
さらに、低血糖は空腹感や震え、発汗、そして混乱を引き起こす場合があります。
応急処置として、ジュースやあめなどで糖分補給をしましょう。
めまいと共に、衰弱したり、倒れたり、歩けなくなったり、もしくは下記いずれかの症状が表れたときは、すぐに医師の診察を受けてください。
・胸の痛み
・ひどい頭痛
・頭部外傷
・高熱
・不規則な心拍数
・息切れ
・肩凝り
・発話、視野、聴覚の突然の変化
・吐き気がする
・顔に力が入らない、しびれている
・足や腕に力が入らない
めまいを1度しか経験したことがないという人もいれば、慢性的に長く患っている人もいます。
ただ、めまいを持つほとんどの人の症状が改善傾向にあるという報告もあります。
これは、平衡感覚が、脳、それぞれの耳にある前庭、筋肉の感覚、および視覚の相互作用により維持されているため、調子を崩した部位の役割を補おうとする力が働くからだと考えられます。
めまいには幅広い原因があります。
めまい自体は珍しい症状ではありませんが、深刻な症状の兆候の可能性もあるので、できるだけ早く医師の診断を受けるようにしましょう。