痔とは~症状や予防方法など痔について知ろう~

2017/7/18

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

おしりに違和感があったり、トイレの際に出血があった場合、痔かもしれません。痔は、軽いものであれば放置していても治る場合がほとんどですが、症状が重くなると自然回復や市販薬での治療が難しくなるケースも少なくありません。今回の記事では痔のの症状や原因、予防法や治療法の基本的なことについて解説します。

痔とは

痔とは、肛門付近の血管が圧力によって膨らんで瘤のようになることによりできるお尻(直腸や肛門)の腫れ物のことです。痔ができても症状は出ないケースは多く、人によっては気がつかないこともあります。痔には、肛門付近の皮膚の下にできる外痔核と、直腸下部や肛門の内側にできる内痔核の2種類があります。

痔の症状

痔は以下のような症状があります。
・排便後に出血があり、血の色は明るい赤のことが多い
・お尻がちくちくしたり、かゆかったりする
・肛門の外におできができて、そのおできが排便後に押し戻さなければ戻らなくなる
・排便後に粘液が排出される
・肛門付近に痛み、赤み、腫れが見られる
血液の供給が足りていない場合や血流が阻害されている場合を除いて、痔はたいてい痛みがありません。

痔ができる原因

痔ができる正確な原因は完全に解明されていませんが、肛門とその周辺の血管の圧力が上昇したことで、直腸にある血管が膨らんだり炎症を起こすことが原因ではないかと考えられています。この現象は、便秘や便を我慢し続けたときの排便時になりやすいと考えられており、食物繊維不足が大きな要因のひとつとされます。また便秘だけでなく、慢性的な下痢も痔の原因であり、その他にも以下のような要因が挙げられます。
・肥満
・加齢によって体を支える組織が弱まること
・妊娠(骨盤の血管に圧力がかかり、血管の拡張につながるため)
・痔になったことのある人が家族にいる
・よく重いものを持ち上げている
・しつこい咳、または嘔吐を繰り返している
・長時間座っていることが多い

痔の予防と治療

痔の症状は、軽いものであれば治療をしなくても数日で治まることがほとんどであり、妊娠中の痔の場合も通常では出産後に改善していきます。痔を早く改善させるには、肛門とその周辺の血管にかかる負担を減らしてくように生活習慣を変えていくことが推奨されていて、生活習慣の改善には痔の再発や新しく痔ができるリスクの低減効果も期待できます。

痔の予防方法

痔を予防する以下の方法を試してみましょう。

徐々に食事中の食物繊維の量を増やす

食物繊維をよく含んでいる食べものは、フルーツ、野菜、全粒穀物、米、全粒パスタ、全粒粉で作ったパン、豆類、種子類、ナッツ類、オート麦などがあります。

飲みもの(水分)をたくさん飲む

水分、とくに水をたくさん飲むようにしましょう。ただし、カフェインやアルコールの摂取は避けるようにしてください。

なるべく便をがまんせず、行きたくなったタイミングでトイレに行く

便意を無視すれば無視するほど便を硬くしてしまい、次にトイレに行くとき、肛門などへの負担が大きくなってしまいます。

肥満の解消・定期的な運動

定期的に運動は、便秘を防止や血圧の低下、減量効果が期待できます。

痔の治療

医師に処方された薬や薬局で買った薬を使うことで症状は軽くなるでしょう。また、便を出しやすくなる効果も期待できます。
症状のひどい痔に対しては様々な治療の選択肢があり、内痔核の治療に関してはゴム輪結紮療法が有名です。これは弾性バンドをきつく痔の元に巻き血液の供給を遮断する治療法であり、結紮された痔は通常一週間くらいで落ちます。また、薬や結紮で回復が見込めない痔に関しては、外科手術で切除する治療が検討されるでしょう。

医師の診察が必要なタイミング

痔の痛みや出血、不快感は、放置していても治っていくこともありますし、薬局で入手できる市販薬で簡単に治る場合もあります。しかし、なかなか痔の症状が治まらない場合や症状が重い場合は医師の診察を受けましょう。また、お尻からの出血は重大な病気が隠れている可能性があるので、常に確認するようにし、出血がある場合は必ず医師に伝えるようにしましょう。いつまでも治らない痔を放置すると回復までに時間がかかることも多いです。恥ずかしいと感じる人も多いでしょうが、痔の悩みを抱えている人は、早めに受診するようにしましょう。

痔の合併症

痔は、治療後に合併症を起こす可能性があります。痔の合併症には以下のものがあります。
・外痔核に血餅ができる
・皮膚の伸び。外痔核における血餅がなくなった後、小さいイボのようなスキンタッグが残される可能性がある
・外痔核上が痛みのある感染症に感染する
・出血が続くことで貧血が起こる

おわりに:痔を予防しよう

痔は普段の生活習慣に気をつけることで予防することができますが、痔の症状があり、なかなか治らない場合は医師の診察を受けるようにしましょう。

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