記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2017/3/15
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
「有機野菜は泥がついたまま食べても大丈夫!」
なんて声を耳にしたことはありませんか?
土がついた野菜は「新鮮」だとか、「栄養がいっぱい」という、いいイメージが確かにあって、
一瞬、「そうかもなあ」と鵜呑みにしてしまうかもしれません。
しかし、洗わなくていいの!?かというと、そんなわけはありません。
有機野菜の中身はともかく、土の中には病原菌や微生物がいっぱい。
「ちょっとくらいの泥汚れは、鮮度の証!」と
うっかり、口にしていいものではありません。
「ちょっとくらいの泥汚れは大丈夫」というのは、大きな間違い。
食中毒を引き起こすのは、肉だけではありません。 野菜や果物についた土に含まれる細菌が食中毒の原因となることもあります。
食中毒の予防のために、野菜・果物は食べる前にきちんと洗い、清潔にして、安全な状態にすることが重要です。
今回、野菜・果物の貯蔵、洗い方、準備の仕方に関してアドバイスをしていきます。
きちんと洗いさえすれば、野菜や果物の表面から、大腸菌を含め、有害な細菌を除去できます。 ほとんどの細菌は、野菜・果物に付着した土に潜んでいます。そのため、しっかりと土を洗い流すことがとても重要です。
蛇口の水を流しながら洗い、その後でボウルの水の中に入れて、擦り洗いしてください。剥き出しの野菜・果物は特に念入りに洗う必要があります。パック詰めされてから出荷されるものと比べると付着している土が多いからです。
食中毒予防のために、野菜や果物は、食べる前に、必ず、表面の細菌を取り除いてください。また、皮を剥けで、細菌は確実に除去できます。
野菜の取り扱いは、より注意が必要になります。
・野菜を取り扱う際は、前後に必ず手を洗う。
・ほか食品から遠ざけておく。
・まな板、包丁、その他台所用品は、ほか食品に使う物と別にする。
・「無洗OK」という表示がパッケージにない限り、必ず洗う。
野菜に付着した細菌による相互汚染を防ぐための方法を以下に紹介します。
・野菜と果物を扱った後は必ず手を洗う。
・ほかの食品と別々に保管する。
・生の肉類に近づけない。
・まな板、包丁、その他台所用品は、ほか食品に使う物と別にする。
・野菜と果物を扱った後のまな板や包丁はしっかり洗浄する。
・生肉と一緒に洗わない。
灌漑の水、肥料、鳥獣の糞など、さまざまな経緯で野菜や果物に細菌が付着します。
妊婦、高齢者、免疫力の低下している人等、感染症への耐性の低い人も、野菜・果物の取り扱いを避ける必要はありません。取り扱う際に、手を入念に洗えば問題ありません。
土壌に潜むバクテリアによる食中毒を防ぐためだからといって、過剰に「土がついている」野菜を嫌う必要はありません。かえって、剥き出しの野菜は鮮度がよかったり、栄養が逃げていない、という利点もあります。
土壌は、長い間、大腸菌感染の最大の要因として考えられてきましたが、確実な根拠はないことが判明しています。
しっかり洗えば、土がついている野菜は、何の問題もありません。