外陰癌ってどんな病気?ウイルスが原因って本当?

2017/3/16 記事改定日: 2019/8/28
記事改定回数:3回

二宮 英樹 先生

記事監修医師

東大医学部卒、セレオ八王子メディカルクリニック

二宮 英樹 先生

三上 貴浩 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 医学博士

三上 貴浩 先生

デリケートゾーン(陰部)の痛みや痒い、ほとんどの女性ならば一度は経験したことがあるのではないでしょうか? しかし、その痛みやかゆみが長期間続くようであれば、頻度としては稀ではあるのですが、外陰癌(がん)の可能性も考えられます。今回は、女性特有のがんである外陰癌について紹介します。

外陰癌ってどんな病気?

外陰癌は女性の外陰部にできる癌ですが、女性特有の癌のなかでは比較的まれな病気です。深刻な病気ではありますが、早期発見の場合は治る確率が高いといわれています。ただし、進行してから発見された場合や、悪性度が高い場合は治療が難しくなります。

外陰癌の症状は?

外陰癌になると、白斑(肌の色が白くなること)や色素沈着、外陰部にできる腫瘤、掻痒(そうよう:かゆみのこと)、熱感、出血といった症状があらわれます。前癌病変として外陰部に白色や赤色、茶色などの斑点ができることもあります。

病変は、大陰唇や小陰唇、クリトリス(陰核)など、外陰部のどの部位にもできる可能性があります。病変がどの部位に、どのくらいの範囲まで広がっているかで治療方針が変わります。

外陰癌を患った人の多くが、小豆大からビー玉大のしこりに気付いて受診しているといわれています。ただし、腫瘤やしこりの大きさには個人差があるため注意が必要です。

 

外陰癌の原因

閉経後の65歳以上75歳未満の閉経後の女性によくみられますが、40歳以下の女性でもみられることがあります。外陰癌の発症には、ヒトパピローマウイルス(HPV)が関係している可能性があるとされ、特に若い女性の外陰癌はヒトパピローマウイルスが関係している可能性が高いと考えられています。

ヒトパピローマウイルスは、性的接触(オーラルセックスやアナルセックスを含む)によって感染する可能性があります。ただし、感染しても発症するまでは数年以上かかることが大半ですし、感染しても必ず発症するわけではありません。ヒトパピローマウイルスの感染予防には、コンドームの使用が有効と言われています。

外陰癌の診断、検査方法

医師による視診や触診のあと、外陰癌が疑われる皮膚の一部を切りとって顕微鏡検査で組織を調べる生検が行われるとともに、CTやMRIといった画像検査も行います。画像検査では、体内に癌が広がっているかやリンパ節などに転移していないかなどを調べます。

また、進行度や組織型も含めた最終的な診断は、手術で切除した組織を病理検査で調べて確定します。

外陰がんの治療法は?

外陰癌は、基本的に手術で切除して治療しますが、がんの大きさ、深さ、広がりによって切除する範囲や、手術に追加する治療が異なります。

早期の場合は、手術のみで高い確率で治癒しますが、進行するにつれて、リンパ節の郭清や周辺部を後半に切除するといった形で治療が追加されます。また放射線療法、化学療法が組み合わせて治療されることがあります。

外陰癌の手術(進行度によって切除する範囲が異なります)
  • 局所切除
  • 外陰部分切除
  • 広汎外陰切除
  • 骨盤内臓摘出術
  • 鼠径リンパ節郭清

早期の外陰癌の場合は局所切除のみですが、進行するにつれて鼠径リンパ節郭清が追加されたり、外陰部分切除、広範外陰切除と切除範囲が広がります。

外陰癌の手術では陰部の一部を切り取るため、他の部位から皮膚などの組織を移植したり、人工的な外陰や腟形成を行うための形成外科手術や人工肛門、人工尿路などのストーマをつくらなければならない場合もあります。

病院へ行ったほうがいい目安は?

以下のような症状がみられたら、皮膚科か婦人科の医師に相談してください。

  • 外陰部のかゆみ
  • 外陰部の傷や痛み
  • 外陰部に塊や腫瘤がみられる
  • 性交時痛
  • 外陰部からの不正出血
  • 外陰部の母斑やほくろの大きさ、色、質感に変化がみられる
  • 性器周辺の灼熱感が続く

外陰癌は、赤みやかゆみの症状が現れるため、カンジダ腟炎を代表とする腟炎やナプキンやおりものシート、下着のかぶれと勘違いされてしまい、発見が遅れることがあるので注意が必要です。

できものができたり、かゆみがあるといった症状がすべて外陰癌というわけではありませんが、外陰部に異変がある場合は見過ごさずに必ず病院を受診しましょう。

おわりに:外陰癌は早期発見できれば治癒率は高い。兆候がみられたときはすぐに病院で検査を

  • 外陰癌は早期発見でき、早期に治療を開始できれば治癒率は高くなる
  • 外陰部のかゆみや痛みが長く続いていたり、出血や腫瘤ができているなどの症状がみられたら、すぐに医療機関を受診する

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